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読書感想文「本当の戦争の話をしよう」ティム・オブライエン
先日の東京行きの際に、読みかけのこの本を持参しました。道中で読み終えたので感想を。
ベトナム戦争に歩兵として従軍した作者の短編が22篇収められてます。
オブライエンは実戦の経験者ですが、殊更に残虐さや反戦を描いた作品ではなく、むしろ淡々とした筆致。戦闘シーンはもちろんですが、従軍前や戦後、幼い頃の話もあります。
特に印象に残ったのは、戦闘中に命が危険に晒されている時こそ生を実感する、とのくだりでした。
私は持病で寝込んだ際に、同じ事を感じるんです。とにかくだるくて、布団の中で目も開けられないくらいしんどい。でも、ふと「だるさを感じるって事は、生きてる証拠だな」と思うんです。
それから、物語の中では死んだ人間を蘇らせる事ができる、と書かれた部分にも大いに共感しました。
創作や物語ほどではなくとも、「あの人が今も生きてたら…」って想像した事はみんなあるはず。想像は創造でもあるから、事実の通りでなくてもいいんですよね。
そういう意味では、夢も想像の一部なのかも。現実にはあり得ない夢を見ることも、やっぱりみんなあるはずだから。
実際の戦争以外にも何かと戦いながら生きている人は多いと思います。従軍経験がある作者だからこそ、戦争経験者ではない人にも共感できる作品が書けたのかな。そんなふうに感じました。
来週の旅にもまた本を携えていこうと思ってます。