見出し画像

風の時代とキャッシュレス 〜風の時代を会計から読み解いてみよう①〜


風の時代

占星術の記事を見ると、2020年の年末に「土の時代」から「風の時代」に入ったと書かれています。
また、2024年からは本格的な「風の時代」になるといった記事をよく目にします。

記事には、「風の時代」は、これから約200年続くと書かれています。

ひとつ前の「土の時代」は、約220年続きました。
『土の時代』は、1800年頃から始まったそうです。

風の時代と土の時代


「風の時代」と「土の時代」を比較してみましょう。
「土の時代」はお金(財)や物質的なモノの価値が高く評価されました。
「風の時代」は、自由や経験、情報や精神的なモノといった目に見えないモノの価値が高く評価されるようになると、書かれてることが多いです。

また、「土の時代」の所有や固定、蓄積といったものから、
「風の時代」には、シェアや移動、循環といったものに変わっていくようです。
たくさんの方が様々内容ところで、分かりやすく説明をしてくれています。

風の時代とキャッシュレス

私は、占星術ではなく、会計の仕事をしています。
そこで、「風の時代」を会計や経済、財政的な側面から見ていきたいと思っています。

今回は、「土の時代」から「風の時代」の移り変わりを
お金やキャッシュレス決済
から考えていきます。

個人のキャッシュレス決済の波

「土の時代」では、
個人での買い物は現金で支払うことがごく普通のことでした。

それが、時の経過とともに、クレジットカードで支払いをしたり、
通販サイトで買い物することが、だんだんと増えてきました。

そのうちに、コンビニやスーパーでのキャッシュレス決済での支払いをするようになってきました。キャッシュレス決済がごく当たり前の状況です。

また、買い物以外でもバス代やタクシー代も、以前は、現金で払うことが当たり前でした。電車の切符は券売機に並んで買いました。 
公共交通機関でもキャッシュレス化が進み、多くの方は、改札機を「ピッ!」
として通過しています。

今では、1ヶ月の生活の中で、
現金そのものを使うことなく買い物をして、交通機関で移動して、
生活できることも当たり前のようになってきています。

私は、お恥ずかしいことに、
上手にキャッシュレス決済を使いこなすことができていません。

私が10年くらい前に、東京に出張した時の出来事です。
東京駅構内のコンビニで新幹線で食べるお弁当を買って帰りました。
レジでは、ほとんど全員がキャッシュレス決済でした。
私だけが現金払いでモタモタしていたことに衝撃を受けたことを覚えています。

今も、新しいキャッシュレス決済を使いたい時には、
顧問先さんにしっかりと教えてもらってからしか、始めることができません。

バス代をICOCAで払う時にも、念のためといつも小銭を握りしめている自分がいます。

会社の決済と銀行通帳

会社や事業上のお金のやり取りでも、現金取引の範囲はどんどんと狭くなってきました。
取引の決済、代金の支払いも、銀行振込などが多く行われています。
お給料の支給は、ずいぶん前から銀行振込が主流になっています。
さらに、給料を電子マネーで支給する方式のデジタル給与も解禁されています。

また、銀行の通帳も、ペーパーレス化が進んでいます。
金融機関の口座についても、ネット上で口座情報を管理することが一般的になりつつあるのではないでしょうか。

お金以外の財産の保有形態

お金以外の財産についても考えてみましょう。
「土の時代」に、お金以外の財産では中心となっていた不動産や金、上場株式について考えてみます。

まず、不動産です。
不動産の所有について、今では、直接的に所有するのではなく、間接的に不動産の所有の権利を持つような金融商品を購入することができます。
例えば、上場不動産投資信託(REIT)として、販売されています。
また、お金持ちさんが保有する別荘も、リゾート会員権としてタイムシェアを行う物件もたくさんあります。

次に、金(ゴールド)についても、考えてみましょう。
金は、現物を保有するだけではなく、純金積立といった形や、金の市場価格の変動に連動するように設計された上場投資信託(金ETF)を購入することで、実際の金の保有と同様に運用できる商品があります。

最後に上場株式です。
上場株式についても、2009年以降、株券は電子化されています。
今では、実際に株券を保有することなく、証券会社の口座などで保管と管理が行われています。

上場株式だけでなく、REITや金ETFの証券も電子化されて、金融機関の口座の中で保管と管理がされています。

キャッシュレス化の波からの考察

今の状況を考えてみましょう。
日常生活では、お給料の受取りは口座振込が主流です。
生活費を使う方では、日常生活の中の支払いでも、現金に一切触れることなく、
キャッシュレス決済で完結させることができます。

財産を保有する場合でも、証券化と電子化が進んでいます。
上場株式だけでなく、不動産や金の保有も金融機関の口座の中で管理される形態があります。

そして、金融機関の口座では、取引の度に数字は動いていきますが、
口座からの引き出しをしなければ、お金を持ったり紙幣や硬貨を目にしたりすることがなくなります。

金融機関の口座の管理としては、
お金(貨幣)の運用や資金移動をさせることについても、口座上の金額を書き換えることが中心になってくるのかもしれません。
決済手続や預入、振替、借入なども、全てスマホ上で手続きを行って、
口座の中の金額が動くのをただ見ているだけで完結します。

このようになってくると、
金融機関にある口座の金額を増やしたり、減らしたりというより、
自分の口座の中にある数字の桁を、スマホの操作によって、単に増やしたり、減らしたりするだけと感じてしまいそうです。

お金は大変ありがたいものです。
しかし、お金は、実際に貨幣として持ち歩くものではなく、
スマホのアプリの中にある口座の中で、数字が増えたり、減ったりするだけのものになるかもしれません。

このことが、風の時代、これから約200年間、ますます進んでいくと想像できそうです。

スマホやネットの画面の中で単に数字として動いていくお金に対するモチベーションは、今後200年間、世代が変わっても持続していくものなのでしょうか。

お金や財産に対して感じる価値や魅力は相対的に低くなるように感じます。

代わりに、目に見えない価値、情報や経験、つながりやシェアといったものの価値が高まって、目に見えない価値に一層惹かれていくことも想像できそうです。

(キャッシュレスではスマホの電源が切れると大変ですね。バッテリーの価値もさらに高まるのでしょうか)

今回は風の時代とキャッシュレスについて考えてみました。

最後までお読み下さり、ありがとうございました。


第②回のテーマは、「鎌倉時代の始まりとAI」です。


いいなと思ったら応援しよう!