#2 実務家アドバイザーが語る『とりあえずやってみること』の大切さ。
学生のプランに対する感想や学生の抱える課題について自身の考えを述べ、アドバイスやヒントを与えてくれた藤本さん。そんな前回に続き、今回は、
もう一人のアドバイザーである上田さんからこんな問いかけがされた。
『とりあえずやったらいいだけの話』
上田さん『さっきの自己紹介で言い忘れてたんですけど、自分が何やっているかってことなんですけど。大学生中に色々、卒業してから古着の卸売りで働きつつ、自分のブランド、自分の古着のオンラインショップを開催して、古着のオンラインでやりつつっていう感じやったんですけど、最近はそれこそポップアップ、藤本さんのマルシェにも出たり。ただ古着なので、自分で開発するっていうことはないんですけど、友人にも自分のアパレルブランドを作ってる友人もいるので、その点はわかることができるかなと思う。
その上で質問させていただきますと、正直言って新規性がないのはないじゃないですか。なので、僕からするとやったらいいだけの話ではあるんです。やって、試してっていうのの繰り返しかなって、僕は思ったんですけど。
その上で聞かせていただくと、それこそ藤本さんが言っていたターゲットが広い。せっかくダイエットで100㎏から60㎏まで落として、その中で変わろうと思って、そっち(の方向性)なのかなって。(岡田さんは過去にダイエットで自身の体重を100㎏から60㎏台まで落とすことに成功したことがある。)10代、20代、30代の体形がふくよかな方の、自分が代わりたいと思っている人、そっちなのかなって。あんまりターゲットをターゲットを絞りすぎちゃうと最初のうちはねと思うんですけど、ただ方向性としてはそっちの方が、向かう方向はわかりやすいのかなと思いながら聞いていました。あと、目的というか「最終目的がどこにあるのか」と、お金稼ぎをするのか、それとも本当に自分が「自己肯定感を持ってほしい」から、「誰かを変えたい」からっていうことでやるのか。その目的のためなら、この事業計画を白紙にできるかっていうところをお聞きしたいです。』
『やったらいいだけ』。そんな言葉だけ見れば、一見無責任のような言葉に見えるかもしれない。しかし、アパレルに関するオンラインショップやポップアップを自らも行ってきて、行動することの大切さを身をもって経験してきた上田さんだからこそ出た、まさに『実務経験のあるアドバイザーだからこその言葉』であると、その時、その言葉を聞いた筆者は強く感じた。
『僕のブランドでしか満たされない価値を』
岡田さん『ダイエットのきっかけになったのも「この服が着たい」っていう商品がどうしてもあって、かつ結構鏡を見たときにコーディネートするのが好きだったんですけど、実際にその服を着ていて、オンラインストアで着てるモデルさんと全然違うなとか、そういったことをその時期から感じることがあって。「HARE」というブランドさんの商品が、結構細身の人に焦点を当てているので、そこに向けてダイエットを頑張ろうっていうので、先に商品を買って、その商品が着れるまで落とそうとして。それがモチベーションになっていたっていうのがありました。ダイエットも落としたのはすごいって言われることがあるんですけど、そのきっかけになったのが服なので、そこは譲れないというか、ずらしたくないなというのがあります。最終目標のところに関しては、僕自身に関して、きっかけはダイエットだったんですが、着てる服であったりとか、その時のメイクのノリであったり、その一つ一つが重なってすごい僕自身が写真を撮ってもらった時とか自分がSNS発信しているのを見てる時に、「この写真盛れてるな」「かっこいいな」っていう自己肯定感も上がっているので、そういったものを僕のブランドで立ち上げた時に感じてほしいっていうのがやっぱりあって。お金稼ぐのももちろんそうなんですけど。正直、このアパレルブランドが数多くあって、新規で参入する中で、結構埋もれてしまう可能性の方が全然あるなって僕自身思ったり、新規参入なんか難しそうやなって思ったり。周りとの差別化がしたくて、メイク商品だったりとかっていう、なんか新規参入するにしても、他の商品、他ブランドにはない、意外な一面っていうか、そういうところでちょっと参入したくて、もちろん売上もそうなんですけど、やっぱりそういったところで僕のブランドでお客さんにその価値を提供したいなっていう。その「自己肯定感を上げる」であったりとか、僕のブランドでしかお客さんが満たされないような価値を僕が提供したいなっていうのが、すごい一番強いですね。
上田さん『ありがとうございます。ほんまに白紙にできるのかっていう部分で言うと、そもそも起業じゃなくて、今ある自己肯定感を高めるだとか人が変わる為のみたいなそういうインフルエンサーもいるじゃないですか。なんか、服着させて髪セットさせてみたいな。そういう企業の元で働いてもいいのかっていう所をお聞きしたかったんですけど、でも僕のブランドでしか満たされない状況を作りたいっていう事なので、ありがとうございます。分かりました。』
『目的達成のために白紙にできるか』。そんな鋭い問いにも岡田さんは、『譲れない』『僕のブランドでしか満たされない価値を提供したい』と強く答えた。そんな岡田さんの言葉からは、自身のプランに対する強い思いや覚悟がアドバイザー達に届いたのではないだろうか。