批判を自分のものにして、前に進もうとする時、その批判は成長の糧になる。
私たちは、どうしても他人に批判されるのを怖れる。昔、ルース・ベネディクトが『菊と刀』で指摘した、日本人は恥を、ヨーロッパ人は罪を、行動の基準としているように、他人からの批判・神からの批判は、どんな人間も歓迎できるものではない。あのサルトルさえ、他人の視線こそ、自分に対する批判だと言ったように、他人の批判をどうしても恐れてしまうのだ。
しかし、他人の批判を甘んじて受ける人たちもいる。そういう人たちは、他人からの批判を避ける前に、自分自身の考えで行動を起こす人たちだ。自分で行動を起こす人は、現実に働きかけるから、どうしても実際に他人からの批判を受けやすくなる。利害関係の網の目に積極的に入っていくからだ。
こういう人たちは、この批判に絶えずさらされていくから、どんどん成長が促される。批判を受け入れ、批判を吟味し、そして、批判を乗り越えようと自分を変革していくからだ。批判を自分のものにして、前に進もうとするからだ。だから、私たちは、批判を怖れることなく、自分の正しいと思ったことを実行していこう。そして、それが失敗だったら、素直に批判を受け入れよう。そうすれば、いつかは、その批判を自分の成長の糧に出来るはずだ。