信頼と信用はどう違うか
信頼とは何か。信用とはどう違うのか。この問いは難しい。信頼も信用もほとんど同じようなものだからだ。しかし、ちょっと違うのだ。例えば、「あの人のことを信頼しているけど、信用していない」という言い回しと「あの人のことを信用しているけど、信頼していない」という言い回し。似ているようで、何かが違う。
信頼には何か、特定の領域がある。「あの人のことをこの分野に関しては、信頼しているのだ」という表現が、「あの人のことをこの分野に関して信用しているのだ」よりはしっくりくる。信頼はその人の一部分に対して使う言葉だ。しかし、信用はその人の全存在に対して使う言葉ではないか。そんな感じがする。
信頼に値する人物というのは、その人の全存在に信を置いているわけではない。その人の一部に対して信を置いているのだ。ある分野で、その人がどのくらい精魂込めてやってきたかが問われるのであって、生き様まで問われることはない。まずは、信頼される人間に。そして、信用できる人間になることだ。