挨拶について考える
私の好きな映画「青春デンデケデケデケ」(大林監督!)で、主人公の林泰文さんがキスという単語について一人語りするシーンがあります。「英語ではキス。ドイツ語ではベーゼ。イタリア語ではバーチョ。」そこから、「バーチョというとちょっとねちっこい」みたいなのが続いたような気がするのですが、とかちょっとうろ覚え。そんな感じ。同じ行為でも言葉の響によって印象が変わる。
キッスは軽いけどバーチョっと言われるとちょっとベタベタした印象がある。抱擁はhugハグ。イタリア語だとアブラッチャーレ。心なしかねちょっとする。抱擁ってなんか硬いし。
イタリアの挨拶は濃厚だ。会うと肩を抱いて両ほほに軽くバーチョ(口づけというほど口をつけず、音がメインのエアーだけど)。これは男性同士でも仲が良ければする。そこまで親しくなければ、握手。手を振るだけとかほぼない。
手を振る<<<握手<バーチョ
誰かの家のパーティー(っていうか飲み会)に呼ばれて行ったします。帰るときは大勢に向かって「じゃあね」とやっておしまいにしませんか?クールキャラならそれでいいかもしれませんが、イタリアでそれで済ますと感じ悪い人になる率が高いんですよ。。
知り合い全員に「バイバイ・バーチョ・バーチョ」とやって回るのがデフォルト。バーチョはしない間柄でも、握手してからの「今日はあえてよかったです」くらいは、やるのが当たり前。
で、これに慣れるとですね。。日本の挨拶の時に問題が。
日本でも別れの時にハグとかしたくなるんですよ。自分がこんなイタリアかぶれな人間になると思わなかったけど、感情がグッと高ぶると抱擁したくなるんです。
子ども同士が夏休み前の別れにギュッとハグしてるのとか見ると、微笑ましいというか。この感情をガンガン出せる性格なのか、環境のせいなのか何かわからないけど、そっちになりたい。