海老のカタルーニャとオマールの帝王
オマール海老のカタルーニャです。本来はサルデーニャの料理で、イタリアで働いていた頃、良く作っていました。
日本では少しお高いので別の海老で代用しています。
以前話した職場での、問題児ばかりいる楽しいカオスな冷凍庫とは真逆な、寡黙で真面目な部署のお話。
そこには生け簀があり、伊勢海老、オマール等の新鮮食品を扱う、陽が差し込む場所です。
一週間に一回その部署にオマールの出荷の箱詰めに行きます。
そこには大重鎮な方が1人いらっしゃり、本人は気付いておりませんが、部長から平社員、アルバイトの方々の間で『オマールの帝王』と恐れられていました。
その方はヨワイ75〜80歳ぐらいのいぶし銀の方。たまに笑っていますが、目の奥が笑っていません、常に生け簀を見ています。
その現場に入る前、我々はいつも頬を叩いて『シャアー』と前の日のアルコールを抜いて気合を入れて行きます。現場に入るとシーンと張り詰めた空気が漂い帝王が仁王立ちしています。
現場で我々は網を持ち構え帝王の顔を凝視。
『おいっあのオマール』帝王の眼鏡が光ります。
彼が指を指すと我々は、『はっ』とダッシュでそのオマールを網で確保。
その作業を繰り返し、繰り返し、その日の最高の状態のオマールを集め、箱詰めしているとたまに
『違うっ💢』
と私の暴れるオマール海老を取り上げ、海老の頭を優しく撫でて
『ふ~〜〜っ♥』
と尻尾から優しく綺麗に箱詰めしていきます。オマールさまは、脳にオキシトシ(幸せ物質)が働いて眠りについたように丸く、くるまります。
何度やっても我々のオマール海老の扱いは無理やり寝かせる状態でしたが、帝王の手にかかれば、オマールさまは澄んだ目をして優しく看取られます。
いつの時代もすごい方がいるんですね。
海老にも感情、意識があるんだな、一緒に働かないと分かりません。彼が帝王と恐れられる所以はそんなところにあるのでしょう。
休憩時間、私が水の使いすぎで手が痒くてかいていると寡黙な帝王が近寄ってきて、『手水虫になるからこの薬を使え』ポイッと軟膏薬を。
あぁ、男の中の男まる
帝王が歩くと流石の問題児三兄弟もブルブル震えて息を殺しています。そんなレジェンドのお話でした。
さっ海老のカタルーニャ風です。
赤玉ねぎ 4分の1
トマト 適量
柑橘類 (お好みで。今日はだいだいです)
セロリ 4分の1
海老 4匹(今日は天使の海老で)
エクストラヴァージンオリーブオイル(本来はピーナッツオイルです)
① 赤玉ねぎをスライスし
セロリもスライス
トマトはざく切りにします
塩を入れた鍋を沸騰させ
海老を茹でます
頭はドレッシングで使うので取っておきます
具材の完成。
② ドレッシング作りです。海老の頭の味噌をいれ、
柑橘類を絞ります。
オイルをいれてしっかり乳化させます
③ 先ほどの具材と混ぜ合わせながら、味が足りなければ、塩、柑橘類を足します。
味が整ったら盛り付けて完成です。
私の職場にたまに冷凍の海老の殻を買いに来るラーメン屋さんの方がいました。海老の殻は炒めるともの凄い良い出汁がでます
ふとお休みの日にテレビをつけるとそのラーメン屋さんの方が出演されてて、活きた生海老を炒めだし『うちは活きた海老しか、出汁には使わないよ』とコメントし炒めています。
・・ん?
ボナペティート♪