【振り返り】ボ教概論Ⅰのつくり方かた④学びの要素整理
こんにちは。ボドパパです。
近所の学校の桜が咲いて、通学する子どもたちの、ちょっぴり緊張した顔を見てなんだか柔らかい気持ちになった朝でした。
前回の記事はこちら。
ボードゲーム教育概論Ⅰのメインコンテンツとも呼べるにふさわしい「学びの要素」について整理していきます。
学びの要素とは?
ボードゲーム教育概論Ⅰの中での説明を引用しますね。
世の中には色々な教育の研究があり、さまざまな「〇〇力」と定義された言葉がありますが、それらの総称を学びの要素と呼ぶことにしました。
私たちはその中でも特に「ボードゲーム教育」に特化して学びの要素を整理しました。
学びの要素を表現することで、ボードゲーム教育を実践したい方が、その周囲の方に説明しやすい状態にすることを目指しているんですね。
結果を先に示しますと、概要はこんな感じです。
めっちゃ多い!
と思った方もいるかもしれませんが、
これですごく絞ったんです。ぎゅー。
数でいうと、もともとは194個もあったんです。
学びの要素の仕分け
この194個という総数は、協会設立メンバーが約5か月かけて25個のボードゲームの学びの要素を抽出するブレストを行い、取り出した要素です。
ただその中には、
結果性が高い要素(例:自己肯定感)
特殊性が高い要素(例:哲学的思考)
解像度が高すぎる(一般化しにくい)要素(例:他者を認める力)
解像度が低すぎる(抽象的すぎる)要素(例:人間力)
マーケティング的造語(例:好かれる力)
一過性が高い要素(例:断る力)
があり、それらはボードゲーム教育における学びの要素の解説として不適切として68個の学びの要素を除外することにしました。ばさっ。
残ったのは126個。
残った学びの要素を眺めていると、要素の特徴として
様々な要素の複合として成立している要素(例:交渉力)
それ単体でこれ以上は分解しにくい要素(例:確率計算)
に分類できることに気が付きました。
複合要素は様々な解釈が生まれるので、受け取り側の解釈次第で納得してもらいやすいので扱いやすいともいえますが、
ボードゲーム教育上の学びの要素をできるだけ共通の言葉で表現したいボ教協の方針にそぐわないのではないか?と悩みましたが…
私たちは「複合要素はボ教概論Ⅰでは扱わない」ことに決めました。
複合要素で除外した学びの要素は70個。
これで、ボ教概論Ⅰで取り扱う学びの要素が決まりました。56個。
あとはこの要素をカテゴライズしていきます。
学びの要素のカテゴライズ
ボードゲームの学びの要素は、協会メンバーの間では
コミュニケーション力
論理的思考力
創造性
の3つの大きなカテゴリが存在するという見立てがありました。
25個のボードゲームの学びの要素を抽出していく過程の中で、大きなカテゴライズがすでに見えていたんですね。
もちろん、その3つのカテゴリに含まれない要素もあります。
56個の要素はどのカテゴリに属するのか、一個ずつ確認して分類する作業が始まりました。
その際、学びの要素の定義を広辞苑やそれに準ずる辞書から引用し、意味を確認していきながらボードゲーム教育の場合はどうとらえるべきか?という議論をしていきました。
また重要な概念として「場の作用」があり、それぞれの学びの要素に当てはまるのかも同時確認しました。
これは長くなるので、次回に切り出してご説明することにします。
こうして私たちはボードゲームの学びの要素を整理し、個別のボードゲームの学びの要素を分析し共通の単語で表現できる状態になったのです。
なお、この「学びの要素の整理」における体系化はあくまで当協会メンバー間での議論の結果であり、何らかのエビデンスにもとづいたものではないことをあえて強調致します。
特に能力や知能、マインドセットという領域は切り口が様々であり、広くも深くも浅くも狭くも表現できると思います。
ただ、そんな中での一つの試みとして、ボードゲーム教育実践者である協会メンバーが個々の直感や経験をもとに知見をすり合わせた結果、ボードゲーム教育を志す方の一助になりえるものができたかと思っています。
ご興味ある方はぜひボードゲーム教育概論Ⅰを手に取っていただければ幸いです。
次回は「場の作用」について深堀していきます。
お楽しみに!
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