ライティングディテールスケッチ #4 Tegel Airport, Berlin
こんにちは、現在ベルリンでライティングデザイナーとして活動しいていますmami(@mamichen0929)です。
今回は昨年新しくベルリン空港がオープンしたことにより閉鎖してしまった、長年ベルリンの空路を支えていたテーゲル空港で見つけたライティングのご紹介です。
いつだって飛行機に乗り込む瞬間、そして到着して飛行機から降りる瞬間はワクワクするものですが、今回のディテールスケッチは搭乗口から飛行機をつなぐボーディングブリッジのライティングです。
スケッチとポイント
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ポイント
- 光源(蛍光灯)はメタルフレームでカバーし、天井にカーブをつける形状で光を伸ばしている
- 大量生産されているインダストリアルプロダクトの寸法に合わせて作られたディテール(照明取り換え前提のディテール)
場所
首都空港なのに地下鉄や電車が乗り入れていないという観光客には優しくない立地でした。(笑)市街地にはバスでアクセスします。
備考
テーゲル空港は首都にある空港としてはかなり規模の小さいものでした。チェックインとセキュリティーチェックがゲートごとに配備されていて、そのためチャックイン後に大きな免税店やレストランはありません。
空からの写真を見ると分かりやすいのですが、ターミナルが六角形の形になっており、ゲート近くまで車を乗り付けることができます。実際にベルリンに住みはじめ何度も利用していましたが、個人的には長距離の大型フライトが少ないこと以外は使いやすい空港でした。
と、空港についての説明はここまでにしておいて、ここからはライティングディテールについてです。
現在はLEDが一番流通している照明ですが、一昔前は白熱球、ハロゲン、蛍光灯などが一般的なランプでした。蛍光灯は色味が寒色のためヨーロッパでは家庭での利用は少ないですが、空港のような公共空間ではよく使われていました。白熱球に比べ寿命が長く、ハロゲンでは暖色すぎる空間での利用が多いです。今回のディテールは開口のある金属パネルを挟むことで蛍光灯の光源を直接見せないシンプルな工夫がされています。一般流通している器具を前提とした良いディテールだと思います。
昨年、おそらく最後の空港利用になるだろうと思ったタイミングでライティングの写真を撮っていたので、ディテールで紹介したその他のテーゲル空港の照明シーンを簡単に説明していきたいと思います。
トラスのストラクチャーの先端に照明が仕込まれています。トップライトの下にこのストラクチャーが組まれており、日中は自然光により採光を採っています。
右側がチェックインカウンターおよびゲート入り口になっています。
天井の形に合わせた照明になっていますがラインで入っているのはディフューズ、中央部分に直接光のダウンライトが仕込まれています。
チェックインカウンターの照明です。
これは今後のスケッチ投稿でも取り上げたいと思っているディテールで、こちらも一般流通している照明器具を使いながらシンプルな操作で光源を見せない工夫がされています。
さて、閉鎖されたテーゲル空港は今後、都市技術の研究・工業団地、新興住宅地、広大な緑地などが建設予定されています。下の絵がその計画予定図です。
空港跡地利用としては有名なのはなんと言っても同じくベルリンのテンペルホーフでしょう。空港施設部分はアートエキシビションとして使われたりしていますが、滑走路部分は丸ごと公園化して利用されています。
ジョギングや散歩、ピクニック場所としてベルリン市民に愛される憩いの場所として今も利用されています。
テーゲル空港も空港としての役目は終えましたが、テンペルホーフのようなベルリン市民に愛される公共空間に変貌を遂げることを期待しています。少しライティングディテールから話はそれてしまいましたが、今回はここまで。
それでは次回も楽しみにしていてください!
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