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育休復帰者がロールモデルを持つべき3つの理由
育休から復帰したみなさんにオススメしたいのは、ロールモデルを見つけておくことです。
その理由は3つあります。
「能力」を鍛えるため
「環境」を整えるため
「価値観」を知るため
「この先輩のように、こんな仕事ができるようになりたい」
「ママでも管理職になりたい」
「育児に軸足を置きながらバランスを取りたい」
いろんなスタンスがあると思います。
ロールモデルを見つけておくことの利点は、「なれるかな」という不安を跳ね除け成功している人を真似することで、実現の可能性が高まることです。
ちなみに、ここでいう「ロールモデル」は身近な存在でなくても構いません。
SNSの中のひと、芸能人、知り合いのママ友……誰でも良いです。
なぜなのか?以下に詳しく記述します。
「能力」を鍛える
「能力」と書くと「地頭の良さ」を連想してしまいますが、そうではありません。
この「能力」には、知力や戦略性のほかに、実行力、課題認識力(=効率化できるポイントがわかる力)も含まれます。
これらは、ロールモデルの仕事ぶりを真似することである程度身に付きます。
あなたの1日の中で一番時間を食う仕事について、ロールモデルを観察してみてください(もちろん男性でも構いません)。
たとえば私は、ロールモデルの企画進行の仕方や、MTG前後の身の処し方を参考にしました。
具体的には、
意図を先に伝える
ガチガチの資料を用意しない
課題~方策までのアテをつけておく(=不慮の事態が発生しないようにする)
とにかくスピーディーに
謎なことは謎だとハッキリ言う
時間が差し迫っていたら断る、もしくは譲歩した案を提示する
これらを真似しました。
そうです。ロールモデルの存在を活かすには、徹底した「観察」と「真似」が必要です。
「環境」を整える
真似をしているうちに、以前より働きやすくなっていると思います。
しかし、ひとつレベルが上がったと思うと、また新たな壁が現れる。能力は上がったはずなのに。
なぜ、あの人のようにうまく行かないのか? なにが壁になっているのか?
もしかしたら、まだまだ「能力」が足りないのかもしれません。
でも、それをもってしても説明しがたい差があるとすれば、それは「装備」、すなわち、あなたとロールモデルとの「環境」に起因しているかもしれません。
たとえば、うまくいかない原因が「どうしても時間が足りない」だとします。
あなたは時短で、ロールモデルはフルタイムだから。
では、なぜその差異が生まれたのでしょうか?
ロールモデルは、実家が近くにあるのかもしれない。
パートナーが在宅勤務なのかもしれない。
延長保育を利用しているかもしれない。
家事代行サービスを導入しているのかもしれない。
いろんな理由があります。手っ取り早くロールモデルに聞いてみると、案外良いサービスを教えてもらえたり、ライフハックを共有してくれたりします。
それを真似してみましょう。
もしくは、「いまは私にはこの環境は用意できない」と潔く決断するのもアリです。
私はこちらの方法を取りました。一時的に業務の質を変えてもらったのです。
「難易度は高いけど期日に余裕がある」仕事ならできる、と、アピールしました。
アピールすることは、悪いことではありません。
上司だってあなたには活躍してもらいたいし(非道徳的な上司であっても、あなたの仕事ぶりが上司の評価に繋がっているので、上司はあなたに活躍してもらわざるを得ません)、あなただって理想の働き方があるはずです。
いまは家庭を中心にしたい、こういう仕事ならできそう、こんな仕組みがあればもう少しラク、なんでもアリです。
アピールすることで能動的に環境を整えられると、いつの間にか壁は消滅しています。
ちなみに私は復帰後一年間を乗り切った後、管理職を打診され、昇進しました。
「価値観」を知る
能力も上がった、環境も整えた、それでもどうにもならないとき。
あの人と比べて苦しい、でもそうなれないとき。
そんなときは、正解を疑ってみましょう。
あなたの理想、それは、本当に「理想」でしょうか?
本当にその人になりたいですか?
私は、ロールモデルのもう一つの側面は「こうなりたくない」を見つけることにあると確信しています。
「こうなりたくない」という強い気持ちでなくても、「こうなりたいけど、私にはできないなぁ」という気持ちでも構いません。
その根底に眠るのは、「あなたの価値観が抱いた違和感」です。
これが、あなたが主人公として、あなた独自の人生を生きるための糧になります。
「価値観」とは何か
価値観とは読んで字のごとく、「なにに価値を感じるか」という考え方のことです。
私たちは、誰もが持っている24時間を、仕事と育児に分けなければなりません。
仕事/家庭の方に比重を置いたとして、家庭/仕事はどうなっていくのだろう?
時間を分ける作業にあたって、支障なく、壁にぶつ当たることなく完璧に実行できた人を、私は知りません。
みんな葛藤して、妥協して、ようやく分割してきたのです。
この「妥協」、言い換えれば「納得」を早くからしておくと、とても楽です。
時間の使い方に納得することとは、つまり、自分の価値観を知って時間を配分することです。
価値観をあぶりだす
みなさんは、自分の時間をどのように配分したいですか?
ざっくりした質問なので、思い浮かばなくても大丈夫です。以下の問いかけがヒントになるかもしれません。
どのような仕事がしたいですか?
どのようなお子さんに育てたいですか?
3年後、5年後、10年後はどのような生活をしてますか?
私は、子どもをしっかり教育して、その上で社会にも認められたいと考えていました。
しかし、両方を追えば追うほど、無理が出てきました。
1歳の子を育てながら管理職をしていた頃、私の生活はまったくスムーズではなかったのです。
そのとき、会社社長でありVERYモデルというパーフェクトな経歴の持ち主・申真衣さんの記事を読みました。
それは、娘の保育園着はUNIQLOの上下モノトーンで複数そろえて、平日を乗り切るというもの。
私は、「ア、ここまですごい仕事ぶりの人は、こういう判断ができるひとなんだ」と雷に打たれたような気分でした。
そして、私にはこういう判断はできない、とも思いました。
類似の例は、その後もいくつも押し寄せました。
病児保育に預けること。延長保育で仕事の時間を増やすこと。ベビーシッターに来てもらうこと。
私には、そのどれも選べませんでした。
でも、「選べない」ということは、「そういう生活をするなら、今の方がいい」と判断したということです。
それはつまり、今の生活の方に私の大事にしたいものがある、ということなのです。
そう考えると、いまのあなたの生活の中にもないでしょうか?
あの人と比べて「そうできない自分」に落ち込むこと、ああなりたいと思っているのになれないこと。
もしかしたら、「なれない」のではなく、「なりたくない」なのかもしれません。
あるいは、「今の方がいい」のかもしれません。
ロールモデルを見つけて「自分なり」の働き方を探そう
いかがでしたでしょうか。「ロールモデルみたいになる」のではなく、「自分の好きなように生きるため」にロールモデルを比較対象として使う手法をご紹介しました。
最後に、ロールモデルの主観的な定量基準をアテにしないことも、付け加えさせてください。
たとえば、ロールモデルが「育児と仕事は5:5で両立できている」と言ったとします。
「え、こんなに仕事デキるのに、育児も仕事と同じくらい成果だしてるの!?」
私はそう考えて、落ち込みました。なんて自分はダメなんだろう、と。
しかし、よくよく話を聞くと、どうもロールモデルの「5:5」が、私にとっては違うようだとわかりました。
ロールモデルが「5:5だ」と言っていても、それは私から見ると「2:8」と感じたのです。
人の感じ方はそれぞれなので、表面上の言葉のみを鵜呑みとせず、「自分はそれでいいのか?」を自問することが大切です。
私は2:8になってもいいか?それをヨシとできるか?できない場合、埋めるために自分はどんな努力ができそうか?
答えは、いつも、必ずあなたが持っています。
ぜひ、比較対象としてのロールモデルを見つけて、ご自分の人生をドライブしてみてください。
私はいつまでも、あなたのことを応援しています!
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