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ゆるっと学べる西洋美術史!

こんにちは、siroです。

秋といえば、芸術の秋!
ということで、芸術を楽しむうえで超大切な”西洋美術史”について、ノリでまとめてみました。
色々割愛して、興味がある!って感じじゃない方でもなるべく楽しく読んでもらえるように書いてみたので、
「ふーん、そんなもんなのね」ぐらいのゆるっとした姿勢で、一緒にさくっと観ていきましょう!

※間違った記載がありましたら、コメントにてお知らせください!
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古代美術 ~4世紀頃

ー美術の礎が確立された時代ー

美術が始まったのはいまだ明確にはわかっていませんが、約4万年前のネアンデルタール人も壁画を描いていたことが分かっています。

我々はホモ・サピエンスですよ!?
いとこも美術が好きとは、
人と美術の繋がりって凄まじく深いものなんですね!

描く悦びを遠い昔のいとこと共有出来てるようで、想像するとくらっときます。


で、特にギリシャ美術見どころは何といっても彫刻作品。
ラオコーンとか。まじでやばいっすよね。どうやって彫ってんのって笑。

Hagesandros, Athenedoros, and Polydoros - LivioAndronico (2014), CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=36412978による

中世美術 5~14世紀頃

ーキリスト教関係の作品が続々と生まれる時代ー

キリスト教…。
ちょっと、我々日本人には馴染みがないですね
(-_-;)。

ロマネスク↔ビザンティン↔ゴシック
イラスト的   ↔     写実的

ロマネスクの絵はイラストっぽくてなんだかかわいい!

タウル サント クリメント教会の後陣 - Taüll


 画材のはなし
中世まではずっと、モザイク画っていう絵でした。
で、この頃にフレスコ画っていうのが登場します。

モザイク画:色を塗った石をはめていく
フレスコ画:絵の具を筆で塗る

って感じで描きやすくなっていき、それに伴ってみんな上手になっていきました。


近世美術 15~18世紀

ー大幅な技術の発展と、多様な思想がひしめき合う時代ー

・ルネサンス

きました、ルネサンス。
「なんかキリストの絵ばっかり描いてたけど、ローマとかギリシャ美術のほうが良かったくない?」
ってことで、ローマ・ギリシャ美術をお手本にして頑張った時代。
ダビンチ、ミケランジェロ、ラファエロなんていうとんでもない神様が爆誕した時代でもあります。
とにかく、上手い。

アテネの学堂 -  ラファエロ・サンティ


また、ルネサンスとは別の運動ですが、北方ルネサンスも魅力的です!
ここで今日まで使われ続ける油絵具が開発され、緻密な表現が可能になります。
ちょっと寒そうなのが特徴。

アルノルフィーニ夫妻像 - ヤン・ファン・エイク


・マニエリスム

ミケランジェロ「僕たちさ、ルネサンスで神様(自然)に追いついたじゃん?じゃあ次はさ、自然を超えちゃわない?」
で始まったマニエリスム。美しいけどちょっと不自然。

長い首の聖母 - パルミジャニーノ


・ロココ

「ルイ14世崩壊!?これで自由に描けるわ~!」
で始まったロココ。艶やかでふわふわした筆致や、官能的(えっち)な絵が多かったり、
浮かれてるなぁ笑って感じの時代。でも当時の風習も垣間見えたりしてめっちゃ好きです。

ぶらんこ -  ジャン・オノレ・フラゴナール


・新古典主義

「ロココだと?我々はルネサンスを継承し、発展させねばならぬのに…けしからぬ。」
みたいな堅い潮流
様々な絵に対する理想や考え方、手法が画家に植え付けられます。
技術的には、デッサン>色彩
サロン(発表会)ができたのもこの時代。

ホラティウス兄弟の誓い -  ジャック=ルイ・ダヴィッド

近代美術 19世紀

ー美の玄人集団が群れを成して駆け抜ける激動の時代ー

・ロマン主義

「新古典?違う!個人の抱く偉大なる世界をキャンバスに落とし込むのだぁ!」
みたいなパワー系の潮流
画家それぞれの感じ方に基づいて描かれるため、多様化してきます。
デッサン<色彩 です。

民衆を導く自由の女神 -  ウジェーヌ・ドラクロワ


まじで新古典とロマンは不仲で、バチバチにやりあいます。
それぞれの派閥の巨匠がライバルを睨みあうような感じ。


・バルビゾン派

「新古典とロマン主義、どっちがいいかなんて…。
僕たちの住まわせてもらってる世界って、既にこんなに美しいのにね…。」
っていう侘びの心持ちから生まれたバルビゾン派。
水面の反射、日常的で素朴なモチーフに心を惹かれます。
コローとかミレー、ルソーが代表的。名前がもう優しいですもん。

落穂拾い - ミレー


・印象派

「光は印象…光は一瞬…捉える、捉える…落とし込む…」
我らが印象派。みんな大好きですね。
一瞬の光を捉えることに専念しました。

印象・日の出 - クロード・モネ



あと、「やっぱりちょっと…下手くそじゃない…?」って思う方もおられると思います。
こんな風に大雑把に描いた理由の一つに写真の登場があります。
写真機が進化するにつれ、画家たちは絵にしかできないことを追い求めるようになりました。



日本画の奥行き感の少ない平滑な画面にこの頃の画家さんたちが惹かれたのも、
”絵ってもともと二次元なんだから、それを克服しようとせずに生かせばいいじゃん”っていう考えだったのかなって思います。

 印象派画家たちの光への執念
この頃、豚の膀胱(!?)に油絵具を入れるってい方法が発明されて、野外制作が可能になりました。
そんなこともあり、どんどん光への思いは強くなるばかり。
一度雲が太陽に被ると、再び雲が離れるまで描かなかったり、
印象派のグループ内では、黒を使っちゃいけないっていうルールがあったんだそう。補色を混ぜれば黒くなるんですけど。

また、一括りに印象派といっても、画家ごとに細かい理念は違ってて、またそれも見比べて面白いところです。
モネ、ルノワール、マネ、バジールさんたちは同じアトリエを共有するほどの仲良し。横並びで描いた作品も残されています。


・ポスト印象派

「あぁなんて深い不安だ。腹痛がすごい。これはまるで世界がうごめき、変色し、今にも暴れだしそうなほどではないか…」
って感じたとき、がちで今にも暴れだしそうな世界をそのまんま描いちゃうのがポスト印象派です。
印象派とは全く違う物なんですね。
印象派は世界の誇張表現、ポスト印象派は心情表現。

星月夜 - フィンセント・ファン・ゴッホ

ちなみに、”この作品の空の模様は流体力学の乱流理論と一致してた”っていうニュースをこの前見ました。執念が伺えますね。やばすぎー!


・フォービズム

マティス「あぁ、この赤、青、緑、黄色!!んーっ!…
 ま、まてよ、ここに緑を置いたら…。あぁ、なんて、なんてエキゾチックな雰囲気だ!!」
フォービズムにとって色彩とは、それ単体で印象性を発信してくれるもの。
それぞれの色が持つ印象に思いを託して描いていたんですね。

By Henri Matisse (1869-1954) - Statens Museum for Kunst and flickr, PD-US, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=3877993


・キュビズム

もうちょっと、フォービズム辺りからわけわかんなくなってきますよね。
キュビズムもまた、わけわかんないです。
キュビズムをぎゅっとまとめて書くと、
”絵”の在り方をぐっと広げた運動です。

ural of the painting "Guernica" by Picasso - Papamanila - 自ら撮影, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9469068による


{ 
キュビズムって何?
今まで絵の在り方って、
リアルさ、パッと見た美しさがあること
っていう感じだったと思います。
でも、写真機の登場や産業革命のおかげで、表面的な美しさはすぐに手に入ることになります。
ってことで画家さんたちは焦り、考えに考えます。
「まだ絵に残されている価値はなんだ…そもそも、絵ってなんだっけ…
に行きつきます。
絵とは、何でしょう。
印象派以前は、少なくともリアル(三次元的で精巧)な絵が美しい絵として認められていました。
絵の本来の姿=三次元的

でも、ほんとに客観的に観たとき、”絵”とは二次元、平面です。
立体的に見えているのは、目の錯覚に過ぎません。
そこで、キュビズムの画家さんたちは
絵の本来の姿=二次元=リアルからの離脱
という悟りに達します。
非リアルな絵もまた立派な絵なんだ!って気づくわけですね。
これがキュビズムの核だと思います。


キュビズムの特徴である
・多角的な視点
・抽象的
・平面的
・非現実的
・色彩が非現実的、暗め(分析的キュビズム)

などといった特徴は、モチーフを
・同一視点
・具体的
・立体的
・現実的
・色彩が現実的

に描いたこれまでとは全く逆のことをしていますよね。
つまり、キュビズムは
今までと全く逆のことをして、絵の可能性を拡張しよう
とした運動であることが分かります。

この運動を通して、
”絵は美しくなくても、印象的であればそれでいいじゃん!”っていう考え方が徐々に浸透していきます。


・ダダイズム

泉 - アンリ・ロバート・マルセル・デュシャン


見ての通り、小便器です。
もう一度、じっくり眺めて、素直に心で感じてみてください…


「いやなんも感じんわ!!むしろちょっと汚いし…そもそも作品なの?」
ですよね。
この作品は、そういうことです。


『泉』は、作品と非作品の境目を無くし、芸術の曖昧さ、脆弱さを提示しました。

確かに、こんなのが美術館に展示してあって”作品”ってなっていると
「さ、作品…?」
って思うけど、
デュシャンがつかつか歩いてきて、早口で
「まさか作品じゃないとでも思ってる?じゃあ作品とは何?」
って迫られると、
「あはは、すごい作品ですね~… (-_-;)」
ってなりますよね。

{ ダダイズム
ダダイズムは”反芸術”とも呼ばれます。
ダダイズムの背景には、第一次世界大戦があります。
ヨーロッパが戦火に包まれる中、思想家や画家が考え抜いた結果、理性が悪という結論になりました。
人以外の動物は理性がないため、戦争なんてしないですしね。

ダダイズムに言わせると、芸術活動はもちろん理性的な活動であり、排除すべき対象。
だからダダの芸術家さんたちは、自身が芸術家だと言われることを極度に嫌います。

この『泉』も、
「芸術って所詮、定義すらあやふやなぐらい、適当で脆いものなんだよ~」
っていう印象を内包してるのでしょう。


・シュルレアリスム

ダダイズムの”理性は悪”という考え方に、
フロイトの弟子、ブルトンの精神分析学が加わり
無意識を作品にする
という試みを実践した派閥です。

The Persistence of Memory. - By Salvador Dalí (1904-1989) - Image taken [http://0.tqn.com/d/arthistory/1/0/l/i/dali_moma_0708_11.jpg fromAbout.com], Fair use, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=20132344

シュルレアリスムの作品は、意味不明です。
でも、無意識的に描いているんだから意味なんてありません
だから、気の赴くままに鑑賞するっていうのが、シュルレアリスムの作品にとっては大切なことだと思います。


私はこの作品に対して、もやっとした不安を覚えます。
”時計(=時間)”っていう、崩れようのない確固たる概念が、この絵ではゆるゆるになってて、
「もし時間が不規則的になったり、変な風に変形しちゃったらどうしよう…」
みたいな意味不明な感覚に陥ります。
超無理やり言語化したから文字にできましたが
そんな、確かに何かを感じるけど、しっかりした説明はできない、
丁度もどかしい絶妙な位置にあるっていうのが、面白いところかもしれません。

現代美術 20世紀

ー旧美術史の幕切れと豊かな多様さへー

・抽象表現主義

カンディンスキー「え、この記事いつまで続くの?」

確かに。
ってことで、現代美術は気が向いた時、別の記事に書こうと思います!


ふぅ。お疲れ様です。
いかがだったでしょうか。隣り合う潮流の考え方が真逆だったり、踏襲してたり、流れがあって面白いですよね!
西洋美術史が何となく頭に入っていると、美術館がぐっと楽しくなりますよ!
あと、日本画の企画展も多いから日本美術史についてもやりたいですね!

さいごに、これからの美術

現代は、様々なテクノロジーの急速な進化に伴い、高度な技術が私たちの暮らしに大きく食い込んできている時代。
特に美術と関りが深い問題といえば、AI作品でしょう。
これからどうしても、人間が技術的に(描写だけでなく、思考面でも)追いつけないレベルに達すると思います。

でも我々は、感情という妖精を持っています。
この子を元気にさせるための作品創作・作品鑑賞が、
次の美術が担う”意味”になると思います。
4万年前から今日、そして遠い未来へ。
創る悦びを伝えるためにも、美術を楽しんでいきたいですね!

thank you for reading~👋

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