未来に繋がる。飛び立つ前の羽休め。

小学校のスクールカウンセラーの日。
高学年の児童がお母さんと一緒に相談に来て「家にいたい」と教えてくれました。本人とお母さんと三人で、どんなことがストレスになりやすいのか、そんな中でこれまでどんな風に頑張ってきたのかを振り返りました。

不登校の理由はそれぞれ三者三様。
しかし共通して言えることは、「子ども達が『学校』に適応できないで困っている」と言うこと。では、困っている子ども達を「学校に適応させること」が、ゴールなのでしょうか？
『学校』やそのシステムを「子ども達に合わせていくこと」が必要なんじゃないでしょうか？

今月から月1回のペースで、小中高とこれまで不登校の経験のある高校生の女の子のグループを始めました。
初回参加は4人。私も含めてみんな少し緊張した面持ち。。。

4年ほど前から、いつか高校生のグループが作りたい！と考えていました。
しかし、そうは言っても私は「高校の現場を知らないじゃないか！」と思い立ち、昨年度は高校にスクールカウンセラーとして勤務してみました。

小中学校で不登校経験のある子ども達。中にはすんなり高校生になり登校できるようになる子もいますが、高校でも立ち止まる子ども達がいるのも事実。そして、そんな時、高校生になると、本人も保護者も相談もできる場所が一気に減ってしまう。

行政の縦割りで「義務教育でなくなったので面倒はみれません」そんな社会にしたくない！子ども達が安心して育っていける、それを保証する社会を作りたい！！
そんな想いで、ここ数年教育委員会やフリースクールに相談したり、私個人でそんな場所が作れないかと悩んでみたり。。。
自分の『想い』を伝え続けることは大切で、このたび行政の地域共生を推進する課に支援していただき、この会を開催することになったのです。

少しづつ雑談をしながら、お互いを知り合い、徐々に表情が柔らかくなっていった彼女達。会の後半では『会の名前を考えよう』のワーク。

ワークでは、この会で安心して話せる約束事をみんなで決めた後「どんな自分になりたいか？」「そのために必要なこと」を考えました。そして「この会でできることは？」「半年後（年度末の3月）どんな自分になっていたいか？」を考えていきました。
ワークシートにそれぞれ一生懸命、自分の思いを綴ってくれた彼女達の目は真剣です。
その内容をホワイトボードに書き出し、会の名前のイメージを膨らませていきました。

彼女達の『理想の自分』は人それぞれ。
だけれども彼女達から共通して語られたのは自分への「自信の無さ」

本来学校は、お友達や先生を通して自分自身の良いところや強みを見つけていく場所。頑張って「できた！」の経験から自分自身への信頼感や、自信を積み重ねていく場所。
学校は大人に見守られ、子ども達が安心して勉強や活動、人間関係に失敗し、そこからどうあるべきかを学び成長し合っていく場所であって欲しいと私は願っています。
今の学校はこの「安心して失敗できる環境」が難しくなっている。
先生達個人の問題ではなく、背景の社会がそれを作りにくくしていると私は感じます。

彼女達とのワーク。
「みんなが色々なことをプラスにできる会にしたい」
「他の人とコミュニケーションを沢山とりたい」
そんな想いから会の名前は
『みんなでプラスーコミュプラー』
に決定☆
そしてこの3月までの私達の活動にも
『スマイルプロジェクト』
という素敵な名前をつけてくれました。

学校が子ども達に合わせて変わっていくには、まだまだ時間がかかります。この間にも子ども達はたくましく成長し続けていきます。
彼女達の不登校の頃の辛かったり悲しかったり悔しかった体験を無駄にせず、社会で生かしていけたなら。

子ども達は弱いけど強い。
私達は教えるばかりではなく、彼女達から教えられることも山ほどある。

「楽しい時間と、いろいろ考えて学ぶ時間。両方あって充実した時間だった」「こんな機会はなかなか無いので、これからどんなことが学べるか楽しみです！」早速スマイルで感想を語ってくれた彼女達。

彼女達の成長も、私達の社会も、現在発展途上中。
先がわからないことも楽しめる♪そんな安心した場が作れるように、私も学んでいこうと思います。

「みんなでプラスーコミュプラ－」とは小中高で不登校の経験のある高校生のグループです。同じ体験を持つみんなと一緒に集まって「こんなことしてみたい」「こんな自分になりたい」を考えて、みんなで笑顔になっていくスマイルプロジェクトを開催しています。

スマイルプロジェクトの目的はそれぞれ一人一人違っていてOK
例えば・・・「のんびりほっとできる場所が欲しい」「色んな年代の人の考えを知りたいな」「コミュニケーションの練習がしたい」「自分のやりたいことを企画してみたい」などなど。
おしゃべりや体験を通して、みんなの良いところや自分の良いところが見つかって、一人一人が何かしら自分にとってプラスになっていく。今の自分より少しだけ自分に自信が持てるようになって、自然に笑顔がこぼれるような、そんな場所を目指しています。
スマイルプロジェクトをどんなふうに使うのかはあなた次第。
どんな自分に出会えるか、未来の自分をお楽しみに。