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インティメート・ボランティア

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親切心ではじめたボランティアが、いつの間にか自分の空虚の穴をうめるものになっていた。
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#自己満足

インティメート・ボランティア 15

1週間雨が降り続き、憂鬱な気分で、志穂はミヤケのアパートを訪れた。自分のワンルームのマンションと同じぐらいの広さだが、かなり老朽したアパートで、1階にあるミヤケのドアを叩くとき、ためらうほど気持ちは落ち込んでいた。

仕事と自分の将来についてぼやがかかったように先が見えないでいる。

しかし、2週間ぶりにミヤケの顔を見ると、自分でも驚くほど気が晴れた。天気雨のあと、ぱっと青空が広がるみたいに。

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インティメート・ボランティア 13

ミヤケの精力は少しずつ強くなるようで、今まで、志穂が介助するように交じわっていたのに、近ごろはミヤケの方から積極的にときどき動いたりする。さすがに、終わったあとは、ぐったりとしているが、ミヤケは、ちょっと前と比べものにならないように、顔色がよくなった。

性欲は人を元気にさせる働きがあるようだ。

驚いたことに、ミヤケは志穂にアダルトビデオを買ってきてくれないかと、数回頼み、志穂は、なるべく目立た

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インティメート・ボランティア 12

働き始めて5ヵ月半すぎたとき、グループマネージャーの川崎に呼ばれた。話の内容は、次の3カ月の延長をしてくれるかどうかの確認だった。志穂は、他の仕事のあてもなかったので、よろしくお願いしますと頭を下げた。

仕事場に戻ると、沙紀が隣の2歳年下の男と何やら盛り上がっていた。どうやら今、人気のグラビアモデルにちょっと似ているといわれ、気をよくしてはしゃいでいるようさだった。

志穂に話すときとは、全然違

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インティメート・ボランティア 8

ミヤケのボランティア訪問は、コンスタントに1週間に1度続けている。親密なボランティアをはじめてから数週間が経った。

ある日の訪問のとき、志穂はふと思い立ち、自分からTシャツとスカートを脱ぐと、ミヤケの横たわる薄くて、やや湿った蒲団に滑り込んだ。

ミヤケは驚くこともなく、自然に志穂の下着に手を伸ばし、意外と器用な手つきで脱がせていった。

志穂は、ミヤケのくたびれたベージュのパジャマを脱がしてや

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インティメート・ボランティア 7

ふーっと、深く息をはきながら、いつまでたっても男は男なのかしらと、志穂は呆れた。

志穂の周りには、老人があまりいない。田舎の両親も若いときに結婚しているので、まだ50歳なかばだ。老人の性欲に対して、志穂は驚きながらも、何ともいえない物悲しさを感じた。そして、ミヤケの勇気ある行動を制したことに、なぜか後ろめたさを感じた。

ミヤケの家を志穂がボランティア先として、選んだわけは、ミヤケのなかに自分と

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インティメート・ボランティア 5

「もう私、32歳ですよ。残念ながら若いという商標をつかえない年代になっていますよ」

そう言いながら志穂は、今の自分には、若さをとったら他に何が残っているのだろうとぼんやり考えた。

若さをどんどんと失いながら、他の人たちは、確実に何かを手にいれているように感じる。そして、ときどき沸き上がるような焦燥感を無視できなくなる。

自然の法則のなかではギブアンドテイクはない。志穂は、今までただただ若さに

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インティメート・ボランティア 3

志穂がボランティアを始めるきっかけになったのは、派遣の仕事を始めて1カ月後の、ある週末だった。

区の知らせでボランティア募集の記事が目に入り、志穂は、以前だったら気にもしなかっただろう記事に目をとめた。

それは、隅っこに小さな囲みで、こう書いてあった。

ボランティア募集、経験、年齢不問。親切な方尚可そしてひっそりと下にボランティア団体の住所と電話番号があった。  

そのとき、志穂の頭のなか

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