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プロセスが大事

観光ビジネス、って昔から違和感があった。
どことなく「コミュニティ」に対して感じる違和感と似ている気がする。
・・・皆様は、どう思われますか?

もちろん、観光ビジネスのすべてが悪いとは思いません。
実際、観光ビジネスがあるお蔭で、世界の素敵な場所や名所の醍醐味を
安全かつ快適に経験することができますし、
予備知識が無くても行くハードルが下がります。
教育ビジネス、アウトドア体験ビジネス、エンターテイメント、地域振興、等々、
さまざまな需要と供給を繋ぐパイプ役を
観光ビジネスが担っていることは容易に理解できます。

しかし、これが行き過ぎて供給過多になると、本末転倒の事態が生じます。
例えば観光誘致の過当競争が、その典型ではないでしょうか。
いくら「金の成る木」モデルだからと言って、同義的に観光にして良い範囲と限度があります。
単純に言って、非人道的な事柄を見せ物にするような観光ビジネスは
認められるべきでないでしょう。

現実には、そのような観光ビジネスモデルが横行しています。
人は基本的に好奇心の塊ですから、
本能的かつ瞬間的に、倫理観よりも好奇心のほうが先走ってしまうことが多々あります。
悪気は一切なく、興味本位で動いてしまうことがあります。
「こんなことになるとは思いもしなかった」
と後悔する人々が、古今東西いつの時代でも後を絶たない事実が、その証左です。

だとすれば、そもそも人々を後悔させるようなビジネスモデルを展開することは
非人道的だと言わざるを得ません。
トルクメニスタンの「地獄の門」ビジネスも、その典型と言えるのではないでしょうか。

幸い、現大統領は
これを観光資源とせずに閉鎖し、問題の根本的解決を計るように指示している模様です。

何十年も燃え続ける「地獄の門」を閉鎖せよ。トルクメニスタン大統領が指示

こうしたニュース報道や、現状を知ることができる写真は
私たち一般人の「知る権利」を支える貴重なものですから、
そのような活動をする仕事があること自体は大切なことだと思います。
しかし、これが観光ビジネスになってしまうのは明らかに行き過ぎですよね。

以上は海外の極端な例ですが、
同様の構造的な問題は、日本でも随所で見られます。
観光地化することによって現地の土着の文化が踏み荒らされ、崩壊する事例は少なくありません。

「儲かればいい」という単純な発想が、極めて低俗である、
という認識が、より広く一般世間に広がっていくことを心から望みます。
大切なのはプロセスです。
プロセスさえ良ければ大いに儲ければいいと思いますし、
それが素晴らしい功績と讃えられてもいいと思いますが、
プロセスが悪ければ、決して称賛されるべきではありません。
単純に儲けているだけなら、
実態のプロセスは見えませんから、そもそも評価すること自体ができません。

ただ単純に「たくさんお金がある」「大儲けしている」だけでは
何ら称賛に価しない。
そういう価値観が一般的になっていけば、
政治が変わらなくても、世の中もっと良くなっていくはずだと信じています。

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