マガジンのカバー画像

本と本屋の話

6
個人的に読んだ本の感想や静岡県近郊の本屋さんを紹介しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

輪島塗をイメージした装画&上製本&金の箔押しが光る『あえのがたり』は今、買っとけ

輪島塗をイメージした装画&上製本&金の箔押しが光る『あえのがたり』は今、買っとけ

能登半島地震チャリティ小説『あえのがたり』

まだ読んでませんが、能登半島北部の能登町に伝わる祭事「あえのこと」だとピンときたのですぐ買いました。 
そして、新進気鋭の作家の書き下ろしが10本も読める…!贅沢な企画です。

私が「あえのこと」を知ったのは、みんなの一箱図書館さかいめで販売していた『いーじー大波小波』(乃波木 著)を読んだから。

能登半島北部の能登町に伝わる祭事「あえのこと」は、田

もっとみる
私は無駄を味わいつくしたい『ライムスター宇多丸も唸った人生を変える最強の「自己低発」 低み』

私は無駄を味わいつくしたい『ライムスター宇多丸も唸った人生を変える最強の「自己低発」 低み』

『ライムスター宇多丸も唸った人生を変える最強の「自己低発」 低み』
この夏、一番無駄な読書でした。ラジオの投稿コーナーをまとめた本で、「低み」とは以下を指すそう。

この本に登場する人の多くが、自身がやっていることについて指摘されると「誰にも迷惑かけてないし」
「エコだし」
と口を揃えて言う。
読み終わると、不快だったり、???しかでない。それでありながら熱帯夜の続く部屋の片隅で、ベタつく肌と髪に

もっとみる
大河べらぼう好きならきっと好き!漫画『RIOT』も本作りの熱量がすごい

大河べらぼう好きならきっと好き!漫画『RIOT』も本作りの熱量がすごい

みなさん、大河ドラマ「べらぼう」観てますか? べらぼう3話で蔦屋重三郎が「一目千本」をつくりあげるシーン…

「これ、RIOT1巻と一緒やないかー!!!!」

と叫びました。

蔦屋重三郎(蔦)が、女郎たちを花に見立てた吉原ガイド本「一目千本」をつくるのですが、
企画を伝えて出資者を募り、
企画にぴったりの絵師を選び、オファーする。
納期とクオリティのバランス、コンセプトについて絵師と相談しながら

もっとみる
昭和初期から戦後、嫁と女中のシスターフッドな物語『襷がけの二人』

昭和初期から戦後、嫁と女中のシスターフッドな物語『襷がけの二人』

若い娘が実業家の家庭に嫁いで…とくると多くの期待は、女同士のドロドロですが、この物語では家にいるのは夫となる息子と主人と、女中2人。姑は早くに亡くなっています。

この本を読んでいた当時、朝ドラ「虎に翼」にどっぷりとはまっていました。毎週、Kindleでシナリオブックを買って読み込むくらいに。
新潟編での涼子さまと玉ちゃんの主従からの友情が尊くて…。我が家の積読にそんな感じの小説があったなと『襷が

もっとみる
こんなのは自分じゃないと思ったことのある人に贈りたい『夜明けのすべて』

こんなのは自分じゃないと思ったことのある人に贈りたい『夜明けのすべて』

私は、鬱病を患って一年を棒に振ったことがあります。

でも、大病を罹った、大切な人を失った、大きな挫折をした…そんな体験は誰にでもあって、みんな何かを抱えている。

そういう体験をしたとして、克服しなくても、飲み込めなくてもいいじゃないか。その衝撃で変質してしまってもいいじゃないか。失ってしまった自分をとりもどす必要はあるのかどうか。
変質してしまった大嫌いな自分のままでもいいじゃないか。

でも

もっとみる
街の本屋さん「谷島屋ららぽーと沼津店」へ行こう

街の本屋さん「谷島屋ららぽーと沼津店」へ行こう

この春も続々と本屋さんの閉店ニュースが飛び込んできて、胸が痛い。私の知ってる範囲で本屋さん情報を書いて、ちょっとでも本屋さんに行ってもらえたらいいなと思って書きます。
※ 記憶と伝聞をもとに書いてるので、間違いがあればお知らせください🙏

【谷島屋ららぽーと沼津店】

ららぽーとで5本の指に入るお気に入りスポット。とにかく地元愛にあふれた本屋さん。

キッズスペースが自由すぎて、勝手ながら「ここ

もっとみる