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2024年読んでよかった本 7選

明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始の連休最終日。
明日から始まる理不尽な日常へ再突入する前に心のリズムを整えるために読んでよかった本をまとめます。

リアルでは本の話をできる友達もいなく、読んだ本を1人脳内で反芻するだけで終わってしまうのでブログに投稿します。

2024年に読んだ本は46冊

2025年は書店や図書館を駆使してもっと積極的に読書を行っていきたいです。

以下は2024年に読んでよかったと思った本7冊です。

1.1Q84 村上春樹
2.1984 ジョージ・オーウェル
3.方舟 夕木春央
4.忘れられた巨人 カズオ・イシグロ
5.村上さんのところ 村上春樹
6.アルプス席の母 早見和真
7.本日はお日柄もよく 原田マハ

以降、本毎に簡単な感想をまとめます。

1Q84 村上春樹

本作にて村上春樹さんの長編小説を読み終えました。
本作を読むまで長編では「海辺のカフカ」が1番好きだったのですがそれを超えました。

タフな女主人公の青豆、小説家志望の天吾、屈強なタマル、ひどい見た目の牛河、無口な少女ふかえり、新興宗教団体、2つの月、NHKの集金人…。

文庫本にして6冊分あるので個性豊かなキャラクターや特徴的なマテリアルが多く出てきそれぞれの描写が全てよかったです。

青豆が顔をしかめる描写、集金人の長いセリフ、天吾の孤独な都市生活、タマルの仕事観、どこを切り取っても描写力が凄まじく(語彙力が足りない…。)場面の想像が容易だからこそクスっと笑ってしまう箇所が多くありました。

1984 ジョージ・オーウェル

1949年刊行のディストピアSF小説。

「Big Brother watching you!」

既にこの時代で国に監視されることの恐ろしさや個人の思考を統制しようとすることの無謀さを緊迫感交えてリアルに描いている点に感銘を受けました。

完全に党に洗脳されていて実の親を売る子供、その子供を誇らしく思っている親、党の前で優等生を演じているが裏では反感を持っていて2つの顔を使い分ける者、党員の無機質な居住区、党員でない者が住む地区のスラム街感、制御できない欲、信頼した者からの裏切り。

今から100年ちかく前に刊行された海外作家が書いた物語なのに脳内で簡単に再生できることに感動しました。

方舟 夕木春央

2023年本屋大賞ノミネートのミステリー小説

徐々に水没していく地下建築の中に閉じ込められた大学時代のサークル仲間を含めた10人。

そんな中で次々と殺人事件が起こり、1人を犠牲にすれば全員が脱出でき
る構造で犯人捜しを始めるが…。

ラストが鬱で衝撃的すぎる超どんでん返し小説

終始この先どうなるんだと先が気になる作品でした。

途中登場人物が謎解きをする場面が少なくなった所で少し飽きがきましたが、謎解きからラストまで一気に休みなくどんでん返しを畳みかけられ、読後しばらくは茫然としました。

人間が怖くなり、怖さで読書していた場所からなかなか動けませんでした。

忘れられた巨人 カズオ・イシグロ

山に棲む龍の吐く息のせいで国中の人の記憶はおぼろげに。
龍を倒して記憶を取り戻したい老夫婦と他国の戦士との冒険ファンタジー。
かつてこの世界に何が起きたのか、老夫婦の過去とは…。

基本的には昔のイギリスを舞台とした冒険ファンタジー小説です。
冒険する中でなぜ人々の記憶に相違があるのか、なぜ老夫婦の息子が出て行ってしまったのかなどのミステリー要素も出てきます。

愛はどこまで信用できるものなのか、人種間に残り続ける恨み、忘れて進むか覚えているうえで過ちを辿らないように進むべきか、強さとは…。

などについて考えさせられました。

村上さんのところ 村上春樹

期間限定で開設されたサイトに寄せられた読者からの質問に村上さんが返答するという形式。

重い悩みからなんじゃそれな相談にまで村上節で返しています。

多くの人が共感できる悩みに世界の大作家村上春樹はどう考えてやり過ごしていくのか。
一生のうちに出くわすかどうかわからない問題に出くわしたときにどう考えるか。

考え方の参考となるような返事が多く書かれていて非常にタメになりました。

結局はそれを踏まえて現状の自分に照らし合わせて、実際にどう進んでいくのかは自分自身で考えていかなければならないのですが。

自分の抱えている悩みと読者の悩みが重なった時の安心感やそれに対する村上さんの返答を読んでいるとメンタルをケアされたような気分になりました。

アルプス席の母 早見和真

打倒強豪校の為、野球留学で新興の私立高校へ進学した子の「母親視点」での話。

先輩やレギュラーの親との関わり合いや監督への気遣い、自分の子がレギュラーからベンチになったなどの影響で変わる親の心境がリアルでした。

年に10回程度甲子園で野球観戦をしているので本の装丁が気に入り購入しました。

著者自身も高校球児だったこともあり、特に高校球児と母親との掛け合いの描写力が高かったです。

すぐ調子に乗るところ、壁に当たって丸くなるところ、急なキャラ変、食べる量…。

自分の周りにもこういう人居たなぁと思える人物描写が魅力的でした。

本日はお日柄もよく 原田マハ

幼馴染に失恋したOLさんが結婚式で空気を一変させるスピーチに出会い、そのスピーチライターに弟子入り。
ゆくゆくは「政権交代」を掲げる野党のスピーチを書くことに。
人の心を動かす言葉を書けるのか。

結婚式のスピーチに抜擢された人にオススメしたい本

久々に原田さんの本を読むことができました。
原田さんの本では基本的に美術×お仕事系の小説を読むことが多いです。

本作はパッとしないOLさんが幼馴染に失恋したり、ライバルであるスピーチライターと良い関係になったり、師と出会って成長したり。
王道ジャンプ系のような物語で文学文学していないので普段あまり本を読まないなという人でもとっつきやすく読みやすいのかなと思いました。

まだ結婚式のスピーチを頼まれたことは無いのですが(これからも無いだろうけど)抜擢されたら必ず読み返します。

身近にスピーチに悩む人が居たらオススメしてあげてください。

さいごに

長々と読んでいただきありがとうございます。

僕の読書は「この言葉は必ず覚えておこう」とか「この場面は絶対覚えて今後の糧にしよう」など暗記してまで読むというスタイルではなく、ただただ物語、文章を体の中に流し込んで生き残ったものが自分の中で重要なものだなと思うような読み方なので分析系の方には物足りない感想になったかと思います。

今年もたくさん本を読んで「これは!」と言えるような作品に出会えることを願っています。

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