2023年に読んでよかった本
最近忙しくてなかなか読んだ本の感想を書けない日々が続いていますが、年の最後くらいにはざっくりとしたものでも読んできた本のことを振り返りたいと思います。
非常にざっくりしたものになると思いますし、結構前に読んだ本で記憶が曖昧であらすじ等間違えてしまうところもあるかと思いますが悪しからず。
また、ネタバレもありますのでご了承ください。
SAVE THE CATの法則 ブレイクスナイダー
脚本術の本。
基本的には映画の脚本術の書き方を解説してくれている本ですけど小説とか漫画とかストーリーを考える際の一助になると思います。
実際に小説家や漫画家でこの本を読んでいる人は多いようです。
僕はログラインの作成と10のジャンルに分けて話を作るという点が説得力があっていいなと思いました。
10個に分類されているジャンル名はどれも聞いたことのないものばかりでパッと聞いただけでは理解しづらいけれど、ログラインをしっかりと作りそれぞれのジャンルの特徴を把握することで今書いているものがどれに分類されるのか、何を書きたいのかを最後まで意識してブレずにストーリーを書き続けることができるのかなと思いました。
最期まで書きたい話の軸をしっかりと意識してブレずにストーリーを書き切るということは読んでくれる人を納得させることに繋がるのかなと思いました。
月と六ペンス サマセットモーム
ただただストリックランドがクズすぎる。
以下、ストリックランドの概要
人間らしさとか道徳心、倫理観をすべて捨てて芸術に振り切り高みを目指すのか、平々凡々と働いて結婚して子供を産み育てる生活を送るのかという2つの側面の描写の差がすごい。
小説の語り手でもある駆け出しの小説家の主人公がちょうど両者の中間に位置している感じがする。
僕はこの小説の中ではストルーヴェが1番友達に居て欲しいタイプだなぁと思いました。
そもそも普通の生活を送ることが難しい現代の日本社会ではこういうタイプの人がより多くの人に受け入れられそうだなと思いました。
せめてプライベートの人間関係だけでもこういった安定した関係を築ける人といたいものです。
ハツカネズミと人間 スタインベック
何か嫌なことが起きそうだな~と思わせてからのしっかり嫌なことが起きる感じ。
レニーとジョージが平和に仲良く暮らせる世界線であってくれ~と思いました。
レニーのもう少ししっかりした版の友達がいたら心強いだろうな。
すべてがFになる 森博嗣
序盤急に頭からそのイメージが離れないくらい恐ろしい衝撃的な描写が出てくる。
理系作家さんだからか僕の読解能力が低すぎるからか急に話が飛ぶ感じがしてそれがミステリー感を強めていたように思える。
「え、どういうこと?」という箇所が多く出てきて場面がパッパッと切り替わっていくイメージ。
だけどなんとなくわかる。
僕は文系からゴリゴリの理系職場に転職したのでコンデンサとか理系用語がちょいちょい出てくるところが少し嬉しかった。
理系大学出た人とかだと研究室の様子とか見れて懐かしんだりするのかな。
ねじまき鳥クロニクル 村上春樹
奥さんの兄であるワタヤノボルが不気味。悪役だなって感じでした。
有名な皮剝ぎボリスが出てくる小説でもあります。
皮剥ぎのシーンは目を背けたくなるほどリアルでグロテスク。
あ、全部やっちゃうんやって思いました。
皮は剥がずにこのシーンは終わるのかなぁと思って読んでいたのに…。
村上春樹作品特有のシンプルではない愛情みたいなものが見て取れた気がします。
ハルキストって呼ばれるのは何だかなぁと思いますし、何かひとつのことに傾倒しすぎることはよくないと思うけれどやっぱり村上春樹面白い。
1Q84にも出てくる牛河の描写の酷さには笑ってしまいました。
ウシのビジュアルを指して、
とかひたすら主人公が心の中で牛河をディスるシーンは性格が悪いかもしれませんが面白かったです。
大いなる眠り レイモンドチャンドラー
探偵マーロウが渋くてかっこよすぎる。
美女の裸体を見ても取り乱すことなく、自分の欲望を全面に押し出すことはしない。
多くを望むことはせず、目の前のことを一つ一つ解決していく。
けれど情に厚いところもちょくちょく見受けられる。
夜のドライブの描写。
気の利いた返し。
おしゃれで格好良い雰囲気を味わえる小説でした。
おわりに
以上、今年読んだ本のざっくりとした感想でした。
今年は60冊ほど本を読むことができましたが、来年は数多く本を読むというよりも何度か読んだことがある本でも何度も何度も読んでみて多面的に考えることを意識していけるような読書をしていきたいなと思います。
もちろん読んだことのない本で気になるものはどんどん読んでいきたいと思います。