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"必ずできる、もっとできる。"を読んでみて

常勝・駒澤大学陸上競技部

箱根駅伝が終わり、1ヶ月が経った。

連覇がかかっていた駒澤大学は惜しくも、総合2位に終わった。

2022年度限りで、28年間に渡って駒澤大の指揮をとってきた名将・大八木弘明監督が勇退。

ヘッドコーチを務めていた藤田敦史氏へチームを引き継いだ。

大八木監督にとってラストイヤーとなった2022−2023年シーズン。

箱根駅伝で8回目の総合優勝を果たし、史上5校目の学生駅伝三冠を成し遂げた。

駒澤大学というと、伝統。

自分が物心つく前から駒澤大学は強いイメージがある。

箱根駅伝を本格的に見始めたころは

柏原竜太
選手率いる東洋大学

大迫傑
選手率いる早稲田大学が強かった。

それでも、駒澤大学は毎年必ず箱根には出場し、いつも名前を目にしていた。

今回はその駒澤大学を率いた大八木監督の著書を読んだ。

早速感じたことを列挙したい。

指導法のアップデート

厳しい

果てしない練習量

男だろ!

私が思い描く大八木監督のイメージだ。

今年箱根駅伝で2位に終わり、その翌日の1月4日に部員全員で朝練。

これは大八木監督の時代から行われてきた。

(c)月間陸上競技

負けた悔しさを忘れないため。
来年の今頃は自分たちが笑っていられるように。

という狙いがあるのだろう。

大八木監督が指導法の変革をしたきっかけは2018年の箱根駅伝

結果は12位。

次の大会は予選会から臨まねばならなくなり、私は自分の指導に対する情けなさ、歯がゆさを感じていた。

かつて「平成の常隊軍団」と呼ばれたが、それも昔の話だ。

そこで変えたのが、指導方法。

特に、学生との接し方だ。

以前までは気の抜けた走りをしていた選手に対して容赦なく叱っていた。

しかし、今はそこであえて何も言わないようにする。

すぐに叱るのではなく、少し待つ。泳がせて様子を見る。

そして、最終的にいい結果が出なかったときに、冷静に話すように心がけたのである。


最近、あらゆるスポーツを見ていると個人練習が増えてきているように思える。

それは、個人によって得意不得意な要素があるから。

野球で例えると

守備が得意な選手に守備の練習をやらすのではなく、苦手な打撃練習に費やす。

今回の大八木監督の例でいうと、全体練習ではエース級の選手のペースに追いつかない選手もいる。

本人にとっては一生懸命走ってるのかもしれない。そこで叱ってしまうと、選手はより頑張ってしまい、オーバーワークとなって怪我につながる。

と言ったケースが考えられる。

指導者の仕事は人を育てること

自分で考えさせることに着手した。

原晋監督との共通点

青山学院大学・原晋監督の著書も読んだが、名将には共通点がある。

それは

練習にエビデンスを付け加えることだ。

ただ、漠然と練習をこなすのではない。

「これをやっていけば必ず目標に到達できる」という説得力のある練習を、指導者は示していかなければいけない。

この練習をしておけば、パフォーマンスは向上する。その証拠を大八木監督は選手に伝えていた。

これは原監督も実践していた。

ただ「頑張れ」と言うよりも、「これまでに箱根駅伝のメンバーに選ばれてきた9割の選手が、この夏合宿での練習消化率が70%に達している」と説明したほうが、学生たちも納得します。

こうした具体的なデータを選手たちに提示することでより説得力が増す。

これは指導者に限らず、会社の上下関係でも言えるはず。

上司が部下に仕事を教える際も

これくらいやっとけば、次の仕事に活かせる。繋がる。

その"これくらい"という点にきちんと数字やデータがあれば、仕事の質が改善され、より効果的になるのだろう。

根拠のない練習=意味のない練習

目標への具体的な道筋とビジョンを示す

今後、自分も実践すべきことのように感じた。

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