"最前線からの箱根駅伝論"を読んでみて
"負けてたまるか大作戦"大成功
正月の風物詩・箱根駅伝
今年は青山学院大学が2年ぶり7度目の総合優勝を果たした。
青学大が今年掲げた
負けてたまるか大作戦
今大会で史上初めて2年連続学生駅伝三冠に王手をかけて臨むことになっていた
最大のライバル・駒澤大学
打倒・駒澤の思いを込めた、
負けてたまるか大作戦は
大会新記録の10時間41分25秒というこの上ない成績で、大成功を収めた。
「アスリート」として扱わないこと大切さ
原晋監督著書
「最前線からの箱根駅伝論」
を読んでみた。
数多くのキーフレーズがあり、すぐに読破(笑)
私が読んで原監督の考え、思考の部分で印象的だったのが、
選手を学生として扱っている点だ
当たり前のことかもしれないが、青学大、駒沢大といった全国上位レベルは将来有望な高校生をスカウトする。
集めた精鋭たちを各大学、正月の風物詩へ向けて日々練習をこなす。
しかし、彼らは俗にいう、スポーツ推薦
言い方は悪いが
スポーツで結果を残すこと
これが彼らの最優先事項となっている。
原監督はこの考え方を真っ向から反対している。
原監督は生活態度と走る能力にはある種の相関関係があることを伝えている。
青学大は目標管理ミーティングというものを周期的に行い、5~6人でグループになって目標達成のための練習計画を作成する。
この活動の意図は、自分で考える能力を養うためと考えられる。
原監督がスカウトの際に選手を注視している部分は、理解力がある人間かどうか。
指導者が伝えることを自分で考え、頭の中で整理できる選手。
指導者の質問に対しただ「ハイ」と答える。言われたままやるのはナンセンスということだ。
監督が指導するのはあくまでも学生
学生の本分は勉学だ
ここでいう勉学は大学でしっかり学び、単位を取得する
これは当然のこと
原監督は
自立できる人間。自分で考え、それを実行できる人間
このような選手を4年かけ、育成している。
感動を与えることの出来る人間へ
青学大は行動指針の一つにこのような言葉を掲げている。
感動を人からもらうのではなく、感動を与えることの出来る人間になろう
陸上部を通じて社会に有益な人間を育てたい
との思いがその言葉に集約されている。
学生にとって最大の目標は箱根駅伝優勝
原監督ももちろんその目標に向かって、学生と向き合い、4年間指導を行う。
しかし、結果よりもまずは学生の人間力を磨くことに重きを置いていると感じた。
そのため、学生が高いモチベーションを保ち、成長できる環境で練習が取り組めるよう、日々試行錯誤を繰り返し、時には自らメディアに出演し、大学の宣伝を行っている。
人間力を鍛えたほうが回り回ってファンに愛されるような選手になり、感動を届けられるプレイスタイルに変わっていく。
著書にはこう記載されている。
青学大で4年間プレーし、人間力が磨かれたと選手に実感してもらえること
これこそ、原監督にとっての最大の目標かもしれない。