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聞くために「聞いてもらうこと」
今日ご紹介する本は、臨床心理士・東畑開人さん『聞く技術 聞いてもらう技術』です📖
「聞く技術」をテーマにした本って、よく見かけますよね。
それでは、「聞いてもらう技術」って一体…?
話を聞けないのは、聞いてもらっていないから
まず、印象的だったのは、東畑さんのこのお話です📝
あなたが話を聞けないのは、あなたの話を聞いてもらっていないからです。心が追い詰められ、脅かされているときには、僕らは人の話を聞けません。
ですから、聞いてもらう必要がある。
これまで、こんな風に考えてきたことがなかったので、ハッとしました。
続けて、「聞く仕事をしている人には、大量に聞いてもらう時間が必要です」と、東畑さん。
皆さんも、「話を聞き続けて、しんどい…」と思った経験はありませんか?
私も、仕事以外で、どっと疲れる瞬間があります。
そういう時は、「自分も話を聞いてもらうことが必要な時」なのかもしれません。
聞かずに語った言葉は聞かれない
続いて、本書の中では、言葉が届く時、届かない時の事例として、こんなエピソードが紹介されていました📝
コロナ禍の初期、ドイツのメルケル首相はテレビ演説を行い、国民に不自由 を強いる緊急事態をわび、協力を求めた。
コンサートを失った人々の落胆にまで思いを至らせ、人と人との付き合いが閉ざされる痛みを語った。
時代の記憶に刻まれた彼女の言葉と、わが国の首相の言葉は何が違ったのだろうか。
「聞かずに語った言葉は聞かれない」と、東畑さん。
改めて、受け取り手を無視した一方的なコミュニケーションは、何も生み出さないのだと考えさせられました。
より根源的な問題は自分の耳にある。
話を聞いてもらうためには、先に聞かなくてはならぬ。
聞かずに語った言葉は聞かれない。
聞いてもらう技術=心配される技術
聞くことも、聞いてもらうことも大切なのだ教えてもらった本書。
とはいえ、「聞いてもらう」って少しハードル高いと感じませんでしたか?
私はものすごく苦手意識があったのですが…
東畑さんのこの言葉で「なるほど!」と思えたのです。
「聞いてもらう技術」とは「心配される技術」にほかなりません。
まわりに「聞かなくちゃ」と思わせる
「聞く」と「聞いてもらう」を循環させよう
”心配される”と言っても、ちょっとしたことで大丈夫です。
例えば、今日「何だか調子悪いな」と思ったら、無理せず周りに伝えてみる。
少しの行動で「聞いてもらう技術」は発揮されるのだと思うのです。
もちろん、本当にしんどいことがあったら、信頼できる人に「ちょっと聞いて」とお願いしてみましょう。
その代わり、自分が元気な時にその人の話をたくさん聞く。
「聞く」と「聞いてもらう」どちらかに偏るのでなく、うまく循環できるようにしていきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀