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わからないくらいが、ちょうどいい
今朝ご紹介する本は、最果タヒさんの『きみの言い訳は最高の芸術』です📖
エッセイは、どちらかというと少し苦手です。
だけど、最果タヒさんの文章にどうしようもなく惹かれて、気付いたら繰り返し読んでいました。
今回は、私が特に大好きな「わからないくらいがちょうどいい」を中心にご紹介します💡
わからない言葉は尊い
相手の言葉が伝わってこない時、どうしようもなく不安になる自分がいます。
必死に耳を傾けてみるけど、相手の気持ちがわからない。
だけど、本書を読んでいたら、「それって、実は尊いことなんだ」と気付かされました。
私は詩人です。小説や新聞の言葉が、物語を伝えるために書かれるの対し、詩にはそうした目的がない。
そして、だからこそ私は、言葉によって切り捨てられてきたものを、詩の言葉でならすくいだせると信じている。
詩の言葉は、理解されることを必要としていない。
人によっては意味不明に見えるだろうけれど、でも、だからこそその人にしか出てこない言葉がそのまま、生き延びている。
私は、そうした言葉がかわいくて仕方なかった。
わからない言葉であればあるほど、その人はその人だけの人生を生きてきたんだと、はっきり知ることができるから。
これまで、「詩」と積極的に出会ってこなかったけど。
切り捨てられずに生き延びている言葉と出会うために、これからは出会いたいと思いました。
わかってもらえない、わかってあげられない
本書を知ったきっかけは、武田砂鉄さん『今日拾った言葉たち』です📝
わかってもらえないことや、わかってあげられないことが、ちゃんと心地よいままでいたい。
わかんない部分があるからあなたと私は他人なんです。
私は、「わかってもらえないことや、わかってあげられないことが、ちゃんと心地よい」という表現が、大好きで。
この文章に対する、武田砂鉄さんの言葉も大好きです。
尊重や尊敬は、距離があってこそのものなのではないだろうか。
相手との距離を感じると、悲しくなります。
でも、わかってもらえないから、わかってあげられないから、相手を尊重できるし、尊敬できる。
距離があるのは悪いことではなくて、むしろ、必要なことなのかもしれないですね。
わからないことがあるから、知ることができる
色んな人と、何言っているのかわかんないよって笑ってみたい。
人が、自分とはまったく違う人生を過ごしてきたんだということを、大切にしていたい。
100%の理解なんていらないし、したくもないんだ。
きっと人は、ちょっとわからないくらいがちょうどいい。
わかろうとしないといけない、わかってもらわないといけない、そんなことばかり考えてきました。
だけど、きっと「わからないくらいがちょうどいい」。
共感を忘れて、もっと素直に相手の話を聞けるようになりたいと思いました。
わからないことがあるから、まだまだ相手を知ることができる。
そう思うと、ちょっと嬉しく思えます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀