気前いい夫への感情。喜びと憂いのあいだ
夫とランチデート。結婚6年目の記念だろう。だろうというのは、特に「記念日だからだよ」とは言われてないからだけど、たぶんそう。
1ヶ月前に予定と好みの確認があり、お店選びは彼にお任せ。結婚記念日当日に、予約したお店のURLが送られてきた。
なんて素敵なお店。和にフレンチがスパイスされたようなお料理たちが並んでいる。すかさず思いは巡る。
カウンター数席のみ。
食事時間は一斉開始。
ミシュラン一つ星獲得。
ランチコースは10,000円一択。
平日とはいえ、人気店は早めに予約で満席になる。早くからチェックしてくれて、予約してくれたことが嬉しい。顔がほころぶ。
一方、ランチに1万円。彼は普通のサラリーマン。私はほぼ主婦。バリバリ働いていた頃であれば「サンキュー♪」くらいの気持ちで受け取っていたかもしれないが、贅沢だよね、大丈夫かなと憂いで顔が締まる。
夫は金銭感覚が堅実。一方、独身時代から、人へのおもてなしだったり、自身へのご褒美の食事だったりは結構お金をかけてきた人。気前の良い男だ。じゃんじゃん使いがちな私に一抹の不安、いやかなりの不安を感じながらも、私にも色々おもてなししてくれる。
今回の食事に限らず、クリスマスランチも気前よく美味しいものをごちそうしてくれた。結婚式なんて、今時こんなにお金かける?というほどの式にさせてもらえたのも、すべて夫のおかげだ。
では、私は家計を心配しているのか。
そうではない。
彼は実際のところ、どんな気持ちでいるのだろうか。
本音が分からないことを不安視してる。
彼の不安や不満は私が忘れた頃やってくる。月一夫婦談義の場や、私へのイライラが溜まっていたりする時と、まちまちだが。
実は・・・
本当は・・・こう思ってた。
というのがやってくる。
例えば
“本当はもっとリーズナブルなところにしたかったけど、まきが不満を抱えるんじゃないかと心配だったから”とかね。
そんなの本人に直接確認すればいいじゃん!って話。折を見て聞いてみるだろう。
だけどね、過去何度か確認した結果、彼の本音カミングアウトは、私を谷底に落とす。自分にとっての幸せな記憶が、どす黒い何色かで塗りつぶされるかのように。
彼の本音を知ることが怖いのだ。
浮かれポンチな気分に浸っていたい。
喜びの気持ちを100%持つと、後で本音を知った時の悲しみ。喜びと憂いのあいだ。
私は、夫婦仲を壊してしまった旦那さん側の気持ちに近いのかなとか妄想しつつ、何だか怯えている。
恐る恐るの気持ちを携えたままランチへ。急ぎ足でお店に向かい、おしゃべりする時間も心地よい。お食事は美味しくて、うぅん、おいしいと唸りながら、ありがとうを伝える。
憂いと喜びのはざまを行き交っていた感情はどこへやら。素晴らしい料理が心の曇りを無くす。厳選された食材に手間暇かけられた作品たちに圧倒。カウンターでのお話も弾む。
ごちそうさま。
翌日の今日、noteを書きながら、美味しいのに、嬉しいのに、幸せなのに。なのに・・・が続くのも、生活を積み重ねてきた証。
なのにって何やねん!純粋に喜びなよと思う私と、なのにって思う不安の重なりもあるよね!の私もいる。
狭間な感じのまま、今日はおしまい。
続く、かも。
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