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テレワークにおける最適な人事評価とは?

「テレワーク」や「リモートワーク」は働き方改革の一環としても注目を集め、2020年の新型コロナウイルスの拡大により導入する企業が急速に増えました。
時間と場所に縛られない就業スタイルにより、生産性の向上が見込まれますが人事評価の点においては従来の制度が必ずしもフィットせず見直しを迫られる場面も少なくありません。

本記事では「テレワーク」「リモートワーク」にどのような評価制度が適しているかを解説します。

テレワークのメリットとデメリット

まず近年、急速に導入が進んでいるテレワークですが人事担当者や経営者としてはそのメリット・デメリットを把握する事から始めましょう。

テレワークのメリット
主に下記4つのメリットが挙げられます。

1. 生産性の向上
2. 人材確保と離職防止、企業イメージの向上
3. コスト削減
4. 事業継続性の確保

1. 生産性の向上
場所と時間に融通が効く柔軟な働き方が可能になる事で従業員のストレス軽減、ワークライフバランスの改善されて生産性の向上が期待されます。

2. 人材確保と離職防止、企業イメージの向上
上述の通りストレスが少なく、ワークライフバランスの良い職場になる事で育児や介護を行いながら働ける企業と認知されやすく離職防止やリファラル採用、企業イメージの向上に繋がります。

3. コスト削減
オフィスへの通勤がなくなり、オフィスコスト、通勤コストの削減が可能です。

4. 事業継続性の確保
コロナウイルスなど非常時でも稼働して経済活動を維持する事が可能です。


テレワークのデメリット
逆にデメリットは下記3つを挙げる事ができます。

1. コニュニケーション不足
2. マネジメントの質の担保
3. 勤怠の把握

1. コミュニケーション不足
まずは何と言ってもコミュニケーション不足が懸念されます。
オフィスであれば顔を合わせて解像度の高いコミュニケーションが可能ですがZoomなどの画面越しではそれが難しくなります。
また、自然発生的な雑談も基本的に生まれないので新しいアイデアや気分をリフレッシュする事も難しくなります。
従業員間のやりとりが希薄化する事でモチベーションの低下も懸念されます。

2. マネジメントの質の担保
密なコニュニケーションが取りずらい事からマネジメントが難しくなる懸念もあります。
こちらも従来型の対面を前提としたマネジメント方法から変化する必要があります。

3. 勤怠の把握
出勤、退勤、在席中、離席中など実際の稼働状態を把握が難しくなるという問題が懸念されます。

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なぜテレワーク下の人事評価は難しいのか?

大きく下記の3つの理由があります。

1. 勤務態度が見えない
従来のオフィス勤務であれば直接目で見て把握できたがテレワークではそれが難しくなりました。

2. 業務プロセスが把握しづらい 
 結果に繋がったアクション、繋がらなかったアクション、従業員がそれぞれどのように考え、動いたのか詳細を把握する事が難しい状況になっています。

3. 勤怠を正確に把握できない
どのような勤怠状況から結果が生じたのかを正確に把握する事が難しい。

これらは上述したテレワークのデメリットから発生しており
結果として従来の評価体制では不十分となる場合も少なくありません。

実際にテレワークでの評価制度については「見直し・改定する必要がある」と回答した人は41.3%という結果もあり、約半数が従来型の評価制度のままでは難しいと感じているようです。

参考:株式会社あしたのチーム 調査リリース「テレワークと人事評価に関する調査」
https://www.ashita-team.com/news/20200420-2/

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テレワークに適した評価方法とは?

テレワーク下の評価制度構築の難しさが分かった所でどのような評価方法がテレワークに適しているのか紹介していきます。

1. MBO
MBOとは「Management by Objectives(目標による管理)」1954年にP.F.ドラッカーが自身の著書で提唱した組織マネジメントの手法で下記2点を設定します。

- 期間内に達成したい目標
- 目標を実現するための取り組みや中間目標

個人やグループごとに目標を設定して、その達成度を評価します。
頻度は概ね半年に1回、人事評価面談を行うのがベーシックとなっています。
メリットとして2点を挙げる事ができます。

- 評価項目の明確化、評価方法の統一
- 目標を達成できたかどうかで判断するので評価を行うマネージャーの負担を減らせる

なお、MBOと似た仕組みにOKRがありますが、OKRは組織としての目標を浸透させて生産性を向上させる事が主な目的なので人事評価と結び付けないのが一般的です。

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参考:ビジネス+IT https://www.sbbit.jp/article/cont1/35056

2. バリュー評価
バリュー評価とは「会社の価値観や行動基準(バリュー)をどれだけ実践できたか」を評価する手法です。
その為、たとえ大きな成果を上げていても高評価にならない場合もあります。
メリットは「会社と従業員の方向性が合致する」「行動基準に沿った行動を促す事ができる」という点です。
デメリットは何を「会社の価値観に沿った行動」か?を判断するのが難しいという点が挙げられます。
その為、運用時はまず「何が会社の価値観・行動基準なのか?」を明確に従業員に浸透させる必要があります。

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3. ノーレーティング
従業員を「Sランク、Aランク、Bランク」などのランク付けしない評価方法です。
ランクづけの代わりにマネージャーがフィードバックを行い、評価をしていく形をとる企業が多く、月に数回行われる1on1を通して部下を評価します。
その為、こまめに従業員とコミュニケーションをとり変化に対してリアルタイムに微調整を行う事が可能です。
デメリットとしては「マネージャーに高いマネジメント能力が求められる事」や「1on1を定期的に行うのでリソースが必要」という点です。
実際の給与額の設定について、海外事例では「上司が部下の給与を決定」しています。上司が会社から予算を割り当てられていて裁量で決定する形です。
ただし決まりはなく、国内では「社員が欲しい額を提示。その後に話し合いで決める」という例もあります。

また、1on1の中で「部下から自己PRできる機会」積極的を作り、評価に取り入れる例もあります。
これは上司と部下の間で「成果」や「プロセス」の定義の認識を合わせたり
思うように成果が出せなかった部下が、どんな課題に対してどんな行動を取ったのか、といった振り返りを行うので
評価だけでなく、従業員のセルフマネジメントの意識向上にも効果が望めます。

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4. 人事評価シート
人事評価シートを作成して評価基準を明確化した上で、評価を行います。
テレワークでは接点が少なくなるのでどうしても目に見えやすい成果・実績を元に判断してしまいがちです。
その為、目に見えづらい部分も人事評価シートの項目に入れる事で公平な評価を行います。
項目に沿って評価するので上司によって評価方法に偏りが出ないというメリットがあります。
プロセスを評価する場合は「いつまでに、何を行うか」を明確化しておく事が重要です。

人事評価シートのサンプル:
https://jinji.jp/samplesheet/sheet01.php  人事戦略研究所
https://jinjibu.jp/document/list/1/16/1/  日本の人事部
https://boxil.jp/mag/a2216/ BOXIL

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まとめ

テレワーク下では従業員同士の接点が減る事から業務プロセスの判断が難しい状況となり、従来の評価制度で対応できない場面がでてきます。
変化の激しい時代に対応した評価制度を構築する事は従業員のモチベーションアップにはもちろん企業側にも多数のメリットがあるので、ぜひこの記事がより良い評価制度の構築の一助になれば嬉しく思います。


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