徒然日記―本との出会いの不思議:本から生き方を考える
2023/3/10(金)
ここ最近、体外受精での手術や診察が重なり、待ち時間も長いため読書に当てる時間が増えているのは、待つ時間の大変さも感じながらも実はちょっと幸せなもの。
3月に入って3冊の本を読み終え、今読んでいる本も終盤に差し掛かっているところ。ここ最近本に集中する時間がなく、空き時間にちょこちょこ読書派の私にとっては多めに読んでいる方です。
読み終えた3冊は、湊かなえさんの「物語のおわり」、重松清さんの「その日のまえに」、友井羊さんの「僕はお父さんを訴えます」―
昨年の12月に義母を見送り、「どう人生を選択するか」「どう旅立つか」「旅立つことをどうとらえるか」…何となくそんな話を夫婦でする時間も増えてきたところでのこの3冊…なんだか勝手にメッセージめいたものをうけとるような感覚を覚えました。
「物語のおわり」には、人生の分岐点に何をどう選ぶか。そして、起こったことをどう意味付け、捉えていくのか…ということを。
「僕はお父さんを訴えます」には、自分の身に起こった困難や課題にどう立ち向かい、周囲の力を借りてどう人生を切り拓いていくのか。そして自分の罪とどう向き合い、どう責任をとって人生を歩むか…ということを。
「その日の前に」には、死ぬとは。そして死を生を理解した時、人はどう自分の人生を生きていくのか。そして、送り出す側の残された者たちは彼らの死をどう乗り越え生きていくのか…ということを。
そんなことを考えさせられた3冊でした。
先日夫が連れて行ってくれたブックオフでまとめ買いしたこの本たち。
そしてなんとなく「次はこれにしよ♪」と抜き出したこの本たち。
もちろん偶然のチョイスなんだけど、今の私に改めて考えるきっかけをくれたような気がして、何だか心がきゅっとなりました。
以前、私が2度目の流産をしたときのこと。少し現実を受け入れられるようになってきたけど、まだまだ笑ったりすることに抵抗がある…そんな頃、偶然読んだのが川口俊和さんの「この噓がばれないうちに」でした。
その作品の登場人物のセリフに救われ、「意地でも幸せになってやろう」と思えたのです。
私はこれまでも本を読んだことで心が救われたり、気持ちを切り替えたりといった経験は多く、もう本に足を向けて寝られません!
同じ本、文章を読んでも読み手の心情によって心に引っかかる文章や言葉は全く違うものになることの面白さ…前回読んだ時の自分と対峙するような感覚の面白さもなかなかたまらない。
そしてそれは、湊かなえさんの「物語のおわり」のそれぞれの章の主人公が作品の概要を説明するところに表現されていて、湊かなえという人の他者の背景や気持ちに寄り添う能力の高さに圧倒されました。作品の面白さはもちろん、自分の紡いだ作品を、何人もの目線で捉えることができる人…ほんま、この人すごいわ!!
読書好きサン、この作品たちで読んでいないものがあったら、是非読んでみて!おすすめです♡