inokami hidetsuka

note初めまして真面目に始めました、妄想、創造を出来る限り言語化に努めます。現実と創作は半々位です。

inokami hidetsuka

note初めまして真面目に始めました、妄想、創造を出来る限り言語化に努めます。現実と創作は半々位です。

最近の記事

定期的に振り出しにもどされる。

自意識とは全く切り離された、別の次元で日々を過ごしている事がそれなりにあるタイプだ。 「謙虚に生き、自分を取り巻く全ての人、物、事へのリスペクトをマジ欠かさない」 この思考を強く意識しながら日々を真摯に紡いでいるつもりなのだが、仕事の調子が良い時期が長いこと続くと、ほんの少しづつ、心眼、及びスカウターをもってしても、可視化できるか否かのレベルで薄らと、天狗の鼻と私の鼻がスポッと入れ替わって、魔改造されている時がある。 つまり、かなり、あからさまではないのだが完全に「イキ

    • 家系 その味を継ぐ者…(2話目)

      一口だけ、もう一口だけ、あともう一口だけ、とレンゲでスープをすくう手が止まらない。このまま全て飲み干してしまうのでは無いのか、と、ふと我に返りレンゲを置き、箸を手に取り麺を持ち上げ、店内の空気を丸ごと全部吸い込んでしまうかのような勢いで啜ってみる。 「ゴフッッ」 熱々の来訪者に喉から始まる器官達が驚きの声をあげる、少し咳き込みながらも丼に3枚のっている大判の黒々とした海苔をスープに浸す、パリっとアイロンがかかったスーツを身に着けたビジネスマンにも似た姿だったが、スープが染

      • 家系 その味を継ぐ者…(1話目)

        その夜も僕は「ラーメン」と「半ライス」と「半熟卵」と記載されているボタンを、ひとつずつ、ゆっくりと間違えないように丁寧に押していく。 今週末も又、先週の休前日と同じラーメン店での夕食となった。 券売機に野口英世が印刷されている紙幣を1枚吸い込ませる。銀色に光った受け取り口からは食券だけが滑り落ちてくる、いつもの事だが、幾らかの釣り銭が戻ってくる事は無い。今日もいつもと同じ様にちょうどぴったりと野口英世1枚分が財布の中からいなくなるメニューの組み合わせを選んでいるからだ。

        • ONARAが見えた日

          「ポコッポコポコポコッーーー」 大小様々なクラゲ達が生まれては、水中から顔を出し、温かく湿った空気と混ざり合い、儚く溶けていく… オナラが「見えた」と初めて認識したのは私が保育園の頃だったと記憶している。 まだ幼かった私は、普段は当たり前に大気中に放屁し、微力ながらも環境破壊に寄与し、「オゾン層まで届いて欲しいこのオナラ!!」と、強い願いをこめて、保育園の初夏のイベントである七夕の短冊に何枚も想いをしたためて吊るし、下っ腹に精一杯の力をこめてオナラをリリースしていた。

          「眼鏡等」と記された 

          その日、私はキッカリと5年周期で訪れるイベント、そう、運転免許証の更新の為、運転免許センターを訪れていた。 普段、全く車を運転しない私はペーパードライバーである。もはや林家ドライバー(ぺー、パー子)と言っても過言では無い。 林家ドライバーである私は、目の前に出来ている長蛇の列にゲンナリとしながらも並び、手続きを順番通りに済ませていく。そして順番がまわってきた林家ドライバーである私の視力の検査。 マダム検査官が林家ドライバーである私に告げる… 「んーー、ギリギリ無理です

          「眼鏡等」と記された 

          父の日…

          私は同じ物を色違いで何個も買い揃えてしまうタイプの人間である。 とはいえ、今朝は、何故かスニーカーの中に収まっている両足から伝わってくる感覚が、いつものようにしっくりとこない。 それなりに仲の良い友人と飲みに行っても、一杯目を飲み終わる迄の、その場を支配している、あの独特な空気感に近い。 6月16日(日)22:40 帰宅。 家族はすでに寝室で就寝、又は何かしらに執心している時間帯である、私は迅速に部屋着に着替え、用意されている夕食を「チン」する為の機械の中心に正確に置

          ケダモノなのかよ!! 

          「ガルルルルルルルゥゥーーーー」 血肉に飢え、ヨダレ的な液体をダラダラと惜しみなくたらし続ける野生のケダモノから発せられている呻き声、では無い。 そう、私の腹部からの切実過ぎる声無き「SOS」である。 いつもと同じ、定刻通りに自宅を出発し、ほぼ定刻通りに地下鉄の駅に到着し、定刻通りのいつもと変わらない時間に電車が発車する。 ここまでは当然の事ながら全くのノープロブレムである。 がしかし、2駅過ぎた辺りからどうも私の腹部に暗雲とまではいかないが、雲ひとつ無かった青い空

          ケダモノなのかよ!! 

          倅、骨を折りツナグ 

          私は死んだ細胞の角質と日々向き合っている、そう、毛髪をアレする仕事に従事している。 土曜日(仕事中) PM13:30…利き腕では無い方の手首をぐるっと丸々一周覆っているスマートウォッチが電話の着信を伝えてくる。 チロルチョコ程度の小さなモニターに表示されているのは既視感のあり過ぎる妻の名前。 100%何かが起きた…… 間違い無い!!!!(長井秀和!!) 早鐘を打つ心臓の音、毛穴及び汗腺からナイアガラの滝の水量を軽々と超えていく汗…… パンツのポケットからスマートフ

          倅、骨を折りツナグ 

          穴があったら入りたい(竪穴式)

          「ぎゃぁーーーーーーーーーー」 AM6:30に起床、いつもと変わらない朝、のはずだった。 体力が満タンになっている携帯電話の画面をそっと愛でるようにタッチして起床させる私。 Instagramからのメッセージを知らせる通知が表示されている。 そこには知人からの「どーした?何かあった?」 的な内容のメッセージ。 ん?? 「逆に聞きたい、私の身に何があったんだと!!」 そんな事を思いつつ、ぼーーっとメッセージを送り合っているユーザー欄を眺めていると、ふと、ある事に気

          穴があったら入りたい(竪穴式)

          「過保護にされたい」

          「ケホッ、、、、ゲホゲホっっっっー!!」 大してしたくも無い、わざとらしさに満ち溢れた咳払いからの、かなり咳き込むまでのフルコンボ。 「おぃ!!人のパーソナルスペースを飛沫的なもので侵害してくんなこの中年のカスが!!!」 という死んだ魚の目ライクな真顔で見つめられ、殺傷能力に溢れた攻撃的な視線がほぼほぼですよね、という、ひと車両推定ザックリ200人位のホモサピエンスの群れの中に、この中年のカスに慈悲に溢れた一対の瞳を向けて下さるお方に気づく中年の搾りカスな私。 「だ 

          「過保護にされたい」