倅、骨を折りツナグ
私は死んだ細胞の角質と日々向き合っている、そう、毛髪をアレする仕事に従事している。
土曜日(仕事中) PM13:30…利き腕では無い方の手首をぐるっと丸々一周覆っているスマートウォッチが電話の着信を伝えてくる。
チロルチョコ程度の小さなモニターに表示されているのは既視感のあり過ぎる妻の名前。
100%何かが起きた……
間違い無い!!!!(長井秀和!!)
早鐘を打つ心臓の音、毛穴及び汗腺からナイアガラの滝の水量を軽々と超えていく汗……
パンツのポケットからスマートフォンを取り出し、右手の親指で電話に対応する為、左〜右に受け流す、あぁ この東京砂漠ーーーー!!
いきなりやーあってきたーー、である。
左手に持ったスマートフォンから左の耳の鼓膜を振動させ伝わってくる取り乱した妻の声…
今救急車なんだけど………◯◯が……(倅の名前)……自転車で……交差点で……
この時点で血の気が引き過ぎて卒倒する私……
転んで骨折したっぽい………
脱力……轢かれて無かった…
体から無限に湧き出ていた汗と入れ替わって両目からは別の汗が滲んでくる………
救急病院での診断結果、骨折、しかも折れ方が悪く恐らくは要手術………とはいえ、ここでは出来ないので他の病院を探しますとの事。
が、しかし、土曜日の午後の為、どこの病院も医師が不在、とりあえず患部を固定してもらい、必要書類等渡されて自宅に戻される。
そして月曜日の朝、つまりは本日、自宅から程近い総合病院に書類持参で朝一で向かう、やはり手術が必要との事、不安過ぎる倅と妻と私…
部屋と Yシャツと私…(愛するアナタの為)
PM14:30 (仕事中の為、LINEでの報告)
倅、妻に付き添われ号泣しながら手術室へ、手術開始…
PM16:00
手術終了の連絡来ずに不安になってくる部屋とYシャツと私…(愛するアナタの為)
PM17:30
まだ終わらない、との連絡…
この辺りから不安が半端ない、大迫半端無い!!よりも私の不安の方が半端ない…
PM19:20
終わった!!
◯◯(倅)が無事に帰ってきた!!とのLINE!!
蘇生!!先程まで一言も発せずに仕事していた事が嘘の様に、コイツは多重人格者かよ!!という位全く意味のない「今年は桜が遅かったから梅雨入りは恐らく遅くなるんじゃないのか」というお天気予報ズブのど素人が、誰も得しない極めてどうでも良い妄想を言語化した妄言を、ひたすらにクライアントに伝えてみては、「そうですね」という、極めて薄いリアクションを吸収しては受け流す、という相変わらずのクレイジーな言動を繰り返し繰り出す私。
退院は水曜日、決戦は金曜日!!
DREAMS COME TRUE!!
夢は叶う!!(何の話しや!)
ひと安心のNOW!!
自転車は気をつけよう…
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