自分は正当に評価されていない!と感じる方へ…人事評価の裏側教えちゃいます(頑張れば誰かが見ていてくれる…は間違いです🙅)
こんにちは、まじこじまです。
人事系のお話に昨日から戻ったのですが、やはり反響もいいですし、僕のプロフィールから求める話もこれですよねということで今日も続けて人事系のコンサルタントだからお話できるウラ話をお伝えします。
今日の話も、20代~30代の若手社員や新卒就活生にこそ聞いて欲しいお話です。なぜならば
これを話すからです。もちろん、頑張った人が正当に評価されるのは理想の状態ですし、本来あるべき姿です。でもそれは建前。。。自分の会社の従業員に対して、経営者や人事、上司の立場からは言いづらい現実を私からお話しようと思います。
ただ、それを実りあるものにしたいので、具体的にはどうしたら良いか?まで含めて提案するのが本記事を発信する責任だと思いますので、従業員やこれから社会人になる人に現実を踏まえた上で取るべき行動までお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
「正当な評価」について…
これができないと不公平感も出ますし、成果を出したのに会社から評価されなかったら本人はモチベーションを失うだけではなく、会社の中でのキャリアアップの障害となり、優秀な人材が出世すべきところを出世できず、結果転職を考えて流出する。
そして、本来優秀なはずなのに前職で評価されていないと転職市場でも価値が下がってしまう、誰も得しないLose-Loseの事象です。
なので、人事評価というのは本っ当に大事な仕事です。
どんなに事業内容が素晴らしくても、基本待遇が良かろうとも、「評価」の仕方1つで会社はガタガタになります。会社を支えているのは人だからです。
最近は転職が当たり前、「定年まで骨を埋める気で働きます!」というマインドで応募してくる人が少なくなっているのは百も承知なのですが、それでも「会社は基本的に、みんなに長く働いて欲しい」と思っています。
👉採用はめっちゃ高い買い物
👉どんな即戦力の中途社員でもすぐ抜けられたら痛手
👉パフォーマンス出せる人にずっと居て欲しいのは当たり前
でも、現実的には「ちゃんとした評価がされてない」と感じている人が沢山いて、「自分は大事にされていない」と感じてしまう人も多い。
なぜなのか…結論
原因①…人事評価制度がそもそも古臭い
(制度はポンポン変えられない)
原因②…あなたと会社の価値観のマッチ度が低い
(単純に相性の問題)
原因③評価をつける日本の上司の大半が
そもそも評価のプロではない
(これが一番の原因👆)
(①、②よりも③の原因が一番根深いです)
人事コンサルタントから見た業界事情
いま優秀な人材を捕まえて放さないために、生まれ変わろうとしている会社は多いです。
Fact✅評価制度の「再構築」のコンサル案件は右肩上がりで増加中
でも人事評価制度が変わるというのは、良いことばかりではなく反対勢力との戦いも必ず起きます。
若手の成長を促すような評価制度にすれば、長く働いている人からしたら面白くないし、それでいて既存の従業員への不利益変更はできない。
かといってベテラン人財ばかりを優遇すれば新陳代謝の遅い停滞した会社となり、新しく優秀な人材を迎えることが困難になります。
さらに最近は3~4年で世代ごとの人の特性が違ったりしますが、それに合わせてコロコロ変えることもできません。
(人事制度や会社の理念がコロコロ変わるのも嫌でしょ?)
なので、会社内だけで完結するのは難しいし、新しい人事制度を作った後は従業員みんなを「納得させる、浸透させる」という重たい仕事が待っているので、パワーがとにかく足りていないのが現状です。そのための従業員へのサーベイ(自社満足度の調査サービス)みたいなものや、カオナビみたいな1on1面談管理ツールの導入を検討(あるいは既に導入)している会社も多くあるかと思います。このあたりは非常に便利なツールですが、従業員にも工数負担を強いるのでその分「評価への期待感を膨らませる」うまく運用できないとガッカリ感を加速させる諸刃の剣であることを理解しないと余計に不満を生んでしまうかもしれません。
※経営者や人事部門が、1on1の人事評価ツールを入れると「うまくいく」ことを期待するように、現場で実際に面談して評価をする管理職も「評価ツールを入れたのだから、「面談や評価がやり易くなってマネジメントし易くなるのでは」という期待を持ってしまうもの。でも実際にやること(部下との面談)は変わらないので、効果が「思ったより」も出ないという空気がまん延している会社を数多く見てきています。
あなたの上司は人事評価のプロではない
考えてみてください。あなたの上司は評価のプロですか?
違いますよね。現場の社員のマネージャーは、多くの場合その会社のプレーヤーとして優秀だった人が出世して管理職になります。現場の業務の事は知っていても、適切に部下の人事評価をつける訓練なんて積んでいません。それに、私も経験があるのですが「部下の評価なんてやりたくない」という感情を抱いている上司は少なくないです。
かといって、現場から遠い人間に評価を言い渡されても今度は「納得感」が著しく下がります。直属の上司の居ないところで、代わりに「君は1.5だ」って言われても、「お前に何がわかるねん」としか思わず、その評価がたとえ事実に基づいていても本人の成長を促すことは難しいです。
言い難いことは言いたくないのが本音
若手の方にお聞きしたいのですが、みんなも
「来年から同じチームの部下の評価して、ボーナスの査定の面談して」
と言われたらどうですか?メチャ悩みますよね。
リアルに想像してみてください。「君は5段階評価で1.5だね」って部下に面と向かって伝えなければならない苦しみ。相対評価であれ絶対評価であれ、全員に5点満点を上げることはできない。恨まれるかもしれないけど心を鬼にして、数値評価を部下に伝え、指導しなければいけない苦しみが常に管理職にはあります。若い人が管理職になりたがらないのも理解できます。マネージャーは、その辛さに耐えるからこそ給料が上がるわけですが…(これで薄給だったらやってられないですよね)
業務の成績以外にも、この人もうすぐ結婚するって言ってたな…とか、借金があるからボーナスが減るときついって話してたらしいんだよな…とか、そういったバイアスがかかる中、その人の人生に対して責任を持つプレッシャーがかかるのです。
その上で部門長というのは、部門で出す「成果」にも責任を持たなければいけないのだから、厳しいものですね。
以前に例えに出した映画『マイレージ・マイライフ』のジョージ・クルーニーも仕事は「リストラ宣告人」➤最も言い難いことを言う仕事だからこその高給取りですね。
ちょっと余談ですが、この映画2009年の映画にして「リストラ宣告なんてわざわざ面と向かって言いに行かなくても、ビデオ会議システムで伝えれば出張のコストがなくなって良いでしょ!」と大学出たてのアナ・ケンドリックが言い出して、「人の人生に関わる宣告をするのに、人と向き合わなくてどうするんだ」とジョージ・クルーニーが解雇通告の現場を見せに行くドラマでもあります。
15年前にリモートでの人事通達に対する問題提起があったって凄いですよね。人事は「人の人生」に大きな影響を与える仕事だからこそ、作業効率だけでは判断しきれない、人間対人間で真剣に向き合わなければならない仕事だと思います。
評価者が「適切な評価をする訓練」の問題
余談から話を戻すと、「評価」をするといっても「評価の仕方」なんか
✅教わったことはないし
✅やったこともないし
✅やりたくもない
という状態で殆どの人が管理職の経験をスタートする現状があります。
なので部下の立場からは
「上司と仲良いやつが評価されるだけ」
「声の大きい人とか、辞めそうな人に引き留めるためにいい点数つけるんだろう」
「あの女の子可愛いから評価が上乗せされてるんじゃないか」
など色んな疑惑や不公平感が生まれてしまうのは無理もないです。だって上司だって「評価」については素人からスタートですから。唯一の手掛かりは、自分がされたようにするしかない、という現状の会社も沢山あります。
部下と向き合うのが上手で、評価やマネジメントのセンスがある上司に育てられた人は自分が上司になった時も良い上司になるパターンがありますが、プレーヤーとしての資質はマネジメントと無関係な業界・業種・職種の方が多いので、こうした「偶然生まれる良いマネージャー」に期待するのは会社としては分の悪い賭けでしょう。
ですので、評価制度の構築とセットで今、人気なのが「評価者トレーニング研修」で、これを取り入れている会社も沢山あります。でも、ただでさえ忙しい管理職に追加の研修まで受けさせる負担を強いることができず、上記の「分の悪い賭け」に期待せざるを得ない会社は沢山あろうかと思います。
人事系コンサルタントの私は色々な会社の経営層の方や、人事部門の方々と日々こういった不満を解消するための制度改定や、評価者研修を行っているのですが、当然全ての会社がここに手を付けられるわけではありません。
従業員の立場からできること3選
制度の変革や、上司の評価が上手くなってくれるのを「お祈り」するのではなく、従業員側からもアクションを起こすのは大切です。時間は有限ですもんね。
僕自身の会社員時代の反省や上手く行った時の成功体験、人事コンサルタントとしての裏事情も踏まえて提案できる方法は以下の3選。
アピール力をみがく
縁の下の力持ちとか、頑張りは誰かがきっと見ているというのは都合のいい幻想でしかありません。そこに恥ずかしいとか、調子乗ってると思われないかというのは余計な感情です。「周りを蹴落とす」のと「良い働きをアピールする」のは全くの別物。良い事をした時に「自分の働きでこういう成果を出せました!」と宣言するのはビジネスでは基本です。
入社する時の面接では「自己PR」しましたよね?学生時代に力を入れたこと、その成果、どう自分が行動した結果その成果を生み出せたのか…
自己PRを面接でさせるのは
「自己PR力はビジネス現場で求められる能力」だからです。
これを勘違いしている方は多くて、入社した途端に謙虚で奥ゆかしい人に変身する人が多いですが
「お客様に自分の成果を自信を持ってPRできないと仕事が取れない」のがビジネスなんです。これを社内でもできる人は当然強いです。
謙遜文化は要りません。上司の目標や思考を理解して貢献する
上司と目標設定の面談であったり、決算期の始まりなどで1on1がある時などにズバリ聞いておきましょう。
「〇〇さんの今期の目標って何ですか?」
あなたの上司が社長でない限り、必ず上司もそのまた上司に評価されています。その評価時に指標になるのは結局、その人が目標達成したかどうかです。そこに貢献する姿勢や成果を見せるというのは一番の正攻法です。
当たり前のような事を言っているように思うかもしれませんが、上司の目指す方向に対してフィットしていない目標設定の元に動いている社員は非常に多いです。
例を挙げるなら
「利益率」が上司の目標なのに、薄利だけど売上額の多い商品ばかり売り、「売上」を目標に設定している営業マン
「処理スピード」が上司の目標なのに、「ミス率の削減」を目標に設定している事務職員
みたいな感じです。ちなみに自分も営業マン時代、担当顧客側の意向に寄り添い過ぎて「お客様に喜ばれることが営業マンの役割」というこだわりを貫いて上司の求めている商材の販売目標を全然達成できずに叱られていた時期があります。もちろん、自信の「こだわり」も大事ですが、それを発揮するのは組織の目標を達成できてからのこと。あるいは両方達成する方法を考える、というのが真のビジネスマンなのだと今は思います。自分にフィットする制度の会社を探す
フォロワーさんやスキ!を押してくれる方の属性的に、人事のお仕事されている方も多いので恐縮ですが…従業員目線であれば、転職を視野に入れる方が早い!というのはやはり事実なので提案しないわけにはいきません。人事評価制度の改革には年単位での時間とスタミナがかかるし、評価者トレーニングを受けたからといって上司が一瞬で評価のプロになることもありません。(研修➤実践を繰り返さなければいきなりは変わらない)
日本の会社全体が変わろうとしているのは事実ですが、スピード感はまちまちなので、自分にフィットする会社への転職は解決策として持っていて損はないです。ただ、上に挙げた2つの方法をまだ実践していなければ、まずはやってみることもおススメ致します。
以上、評価の裏側でした。
制度が悪い!と声を届けるのも無意味ではないですが、愚痴るだけでは時間が過ぎていくばかりなので、適切なアピールをする!というのは重要です。
さいごに…人事評価制度でお悩みの方へ
1つ自分の宣伝ですが、私の会社は本日お伝えした「評価制度」と「評価者トレーニング」の問題を解決するための施策の1つとして、管理職の負荷を増やさずに「毎日の日報」を適切な評価マネジメントの手段に替えるコーチングメソッドを開発して販売しています。お問い合わせはココナラの見積もり依頼又は各種SNSのDMでお声がけください。(今週中にお仕事依頼のページを作りますので、フォロー頂くだけでもOKです)
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今回の記事にあたり、読み返した&影響を受けた書籍を紹介します。
部下を持ったら、部下の気持ちにもう1度なってみる、というのは重要です。なので、社会人1年目にあてたビジネス書を読んでみるというのは実は非常に有効な手段で、22歳をターゲットにした「ことば」を浴びると自分自身がまるで新社会人になったかのような気分が蘇るはず。これは若手社員だけではなく、管理職の人にも読んで頂きたい1冊です。ライトなのですぐ読めます。
※僕の評価制度サービスもこの本から影響を受けています。シンプルにしないと、実際に運用するマネージャーと従業員が付いてこないので。メインのお客様が大企業ではないというのもありますが…
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