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アサーティブなコミュニケーション

会社でランダムにいろんな年代の社員に対して、アサーティブ研修なるものが行われるそうだ。
なんでも、うちの会社は他所と比較しても、トップダウン気質が顕著だそう。
管理職研修でも上の意向を気にした回答をする人が圧倒的に多いそうだ。
それはやばい、と言うことで今年から取り入れられた仕組みだそう。

今日はいつも気にかけてくれる隣の課の上司と話す機会があって、「今ある仕事を片付けて別の面白い仕事をするようにしたら」という話をされた。
でも、私の上司が今の仕事も続けることを求めてくるだろう、と私が言ったら、「アサーティブに伝えてみたら」という一言が返ってきた。


アサーティブとは

アサーティブという言葉はこれまで耳にしたことはあっても、なかなか意味までは知らなかった。
アサーティブなコミュニケーションとは、相手を尊重した上で率直に意見を交わすようなコミュニケーションのことを意味しているそうだ。
人間関係を構築する上でかなり重要なスキルらしい。

逆に、アサーティブではないコミュニケーションは、というと以下の3つが挙げられる。
「攻撃的」相手に一方的に意見を主張するタイプ
「受身的」相手に嫌われないように言いたいことを抑えてしまうタイプ
「作為的」相手に直接言わずに陰口や態度で伝えようとするタイプ


すぐにスン、としてしまう私

アサーティブについて調べてみたら、すぐに明らかになってしまった。
私、全然アサーティブなコミュニケーションできていない。

特に、「話しても無駄だ」「分かり合えない」「一方的だ」と思うとサッと心を閉ざしてしまう。
特に、視野が狭くすぐに相手のことを決めつけたり、うわべだけで人を評価するような人だなと思うと一発アウトだ。
いわゆるドアスラム現象が起こるのである。

このドラスラム現象についてずっと不思議に思っていたけれど、朝ドラ「虎に翼」を観ていたら、ハッと気付かされることがあった。

主人公たちは、対話が無駄だと感じた時、相手の気を損ねないように穏便に対話を避けて本音を見せない態度のことを「スン」と呼ぶ。
例えば、当然のように女性が男性たちの食事の世話をするとき。
授業にきた弁護士が妻の梅子を貶めて笑いをとったとき。
働いて地位を築いた主人公が、家族にも努力と協力を当たり前のように求めていたとき。
生活のいろんな場面で「スン」が登場した。

これをみていて、私は思った。
私の心閉ざしは「スン」だったのだ。
対話が無駄だと諦めたから。

思えば、私は家族に対していつも「スン」としていた。

私の生まれ育った実家は家父長制がバリバリで、父はいつも母を少し貶して笑いをとったし、働いている俺はえらくて家事をサボっていると怠惰だ、といった軽いモラハラは日常茶飯事だった。
母はそんな父の愚痴を私にいつも一方的に話した。
夫婦喧嘩に巻き込まれて伝書鳩をすることもしばしばだった。
何かやりたいというと「危ないからやめておきなさい」「できる限りお金を稼げる職業に就きなさい」
いつしか私はは家族に対して心を閉ざし、自分の話をすることはほとんどなくなった。

そんなこんなで社会人になって働くようになって、あっという間に職場の人に心を閉ざしてしまった。
家族すらアサーティブにコミュニケーションを取れないのに、利害関係が絡んで上下関係のある職場の人となんて、もっと無理だった。

でも。
これからはもっとカラッとした対等なコミュニケーションで人と関わりたい。
その気持ちだけはしっかりある。

今はまだ難しいけど、アサーティブなコミュニケーションは絶対に身につけたい。
そして願わくば、寅子のようにキラキラ熱く働きたいものだ。

《おわり》


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