[NAGANO COFFEE TRIP 1杯目]愛しき昭和の味
珈琲は1日1杯のみと決めている。さもなくば胃がもたれるからだ(悲しき年齢の性よ…)。ゆえに今日一日、どの珈琲を飲むかは命運を左右すると言ってもよい。今回訪れたのはこの店。第一回目をこの店から始められることは無上の喜びである
花星珈琲店
長野県佐久市の岩村田という地域は、古くは中山道の宿場町として栄えた。長野県の東=東信地方の繁華街としては小諸と競い合ったという話も聞く。川を挟んだ東側、鼻顔(はなづら)稲荷神社の付近には遊郭もあったという。その名残か、周囲には寝具店や洋品店があり、かつては呉服店であっただろうことがうかがえる。脇道のうらぶれたネオンもそそる…。
※岩村田商店街
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やって来たのは、天神堂商店街駐車場(無料。駐車スペースは結構広い)から歩いてすぐのところにある「花星珈琲店」。昭和の香りがほとばしる外観からして期待が高まる…。
扉をくぐると、純喫茶というより喫茶店だ。ザ・喫茶。使い込まれた調度品も時代感をそそる。何よりも壁と天井に染みついたタバコの煙の跡…。昭和の時代はうら若き男女が珈琲カップを挟んで密やかな話に談笑したり別れ話に涙したり、さまざまな人間ドラマが繰り広げられたのだろうか。現在はすっかりシルバー層の憩いの場だが。
注文したのは「花星ブレンド」。貴婦人のように麗しいカップ&ソーサーで提供されたその味は、ここはド〇ールかと一瞬誤ったほど、まさに「日本のコーヒー」、すっかり飲みなれた味だ。なるほど、店の表にあるKEY COFFEEの看板に偽りはなさそうだ。
完全なるオリジナルブレンドかどうかは、追及するのはよそう。いまはただ、この大量生産時代の産物である近代日本のコーヒーを愉しむのみである。確かにこれなら何杯でも行けそうだ。ああ、根っこが生える……。
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