水たまり
夢を追う人間は
学ぶということを知らない
水たまりの輪郭が剥がれ落ちても
月が干からびるまで
ずっとそれを見つめている
どう考えても手遅れだ
傷つきすぎている
失いすぎている
あまりに進みすぎている
引き返すことはもうできない
彼らは口癖のように言うだろう
水たまりの中に故郷が見えると
青い海に白い雲が浮かんでいると
宮殿と大きな塔の美しさを懸命に主張するだろう
淡いヴェールの奥に見える
あなたを
ずっと信じて
進み続けるだろう
彼らは
ただ尽くすだけだ
あなたのために人生の半分を捨てて
あなたが笑ってくれたという
小さな記憶を
ゆっくりと損なっていく
ゆっくり
ゆっくり
消えていく
ゆっくり
ゆっくりと
例え全てが嘘であったとしても。
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