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詩「電車の夢 No.1」

ここにいると眠くなる

あの寝床ですら眠れないのに

騒音祭りで定評のあるこの早い乗り物の中では

なぜか眠くなってしまう

いや、そんなことはどうでもいい

近頃よく「電車」の夢を見る

一つは、見覚えのある駅にて

大勢の行列の中歩いている夢だ

死のパレードと呼ぶに相応しい

その生きているのに死んでいるような人間たちの中で

次へ次へと乗車する電車へ仕分けされてゆく

「闇から抜け出した人はこちらへ」

淡々と言われたとおりに動く

終電間際の車内のように

眉間に皺の寄った幸薄そうな乗客ばかり

同級生らしき男たちが後から乗ってきた

私はなぜか、顔を隠す

バレないように、顔を隠す

そして電車は発車して

暗い暗い世界を走る

私は電車でどこへゆく

暗い暗いどこかへ走る

車内アナウンスで「また遊ぼうね!」

再生される子供達の声

まったく意味がわからない

意味を求めてはならない

そして私は目が覚める

どこにも辿り着かぬまま

暗闇から抜けることもないまま

いつもの世界へ引き戻される

だけど今でも揺れ続けている

どうせ忘れてしまうのに

答えはそっちで探せという

乗せておいてよく言うぜ

続きを知りたい続きを見たい

終着地点をこの目で見たい

私はその切符を手に入れるために

現実世界でも揺れ動いていた

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