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詩「電車の夢 No.2」

1トントラックのように

後方車両が剥き出しとなっている

電車は見たことがない

夢であるにもかかわらず

私はそう突っ込まざるを得なかった

「まがいもの駅」という

得体の知れない駅にいた私は

誰に言われるでもなく

天井から糸で吊るされた

操り人形のように乗車した

海の上を泳ぐように走る一本の電車は

ゆらゆらと波のように揺れている

大量の黒板消しを一気に叩いたような

視界を遮る濃霧が漂い

海面から飛び出している

やけに切り立った孤島とタッグを組んで

「あぁ、この先へ行くと戻れないんだろうなぁ」

という悟りを開くような気持ちを抱かせる

辿り着いた孤島の駅

小さな小さな寂れた港

帰る電車は存在しない

もう帰ることはできない

男女の老人数人が

珍しいものを見るような目で私を見る

帰りたいのか?ここにいたいのか?

時間がないと焦りを抱く

どうするどうする

やっぱり帰る

ボートに乗り込み

自力で帰る

帰れるかどうかはどうでもよかった

帰ろうとすることが大事だった

だけど結末はわからない

目覚めた今でもわからない

覚えているのはたった一つ

ボートに溢れる海水を汲み上げ

必死で生きようとしている自分だけ

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