【本】『妙術秘法大全』が本当に “ 妙術 ” すぎる【縮れ毛を直す秘法はナメクジを椿油に溶かす?!】
皆さん、こんにちは。
今日は私が昔、古本屋でつい買ってしまった本をご紹介します。
● 書籍紹介『妙術秘法大全』
その名も、
『 [ 運勢叢書 ] 神道真言 妙術秘法大全 』
著者 松田定象
発行 神宮館
初版 1955年7月25日
定価 2000円(本体)
● ご注意点 --悪用厳禁!
ご紹介の前に、お一つ、ご注意がございます。
本書には、この妙術秘法を扱う際の注意点と心構えが記されています。
これによると、
・信じる心なく、疑念を差し挟む
・粗暴で浮薄( ≒ 軽薄)な心持ちによる不注意や不謹慎
・人を陥れるなどの悪行に利用する
ということをすると、効顕があらわれないばかりか、術者に禍が返ってくる可能性があるのです!
ということで、以下にご紹介する術を、万が一実践される方がいらしたら、
自己責任でお願いいたしますm(._.)m
●『真言秘密不動金縛りの法』
さて、日本の呪術と言えば、やはり有名なのは真言密教の術ですよね。
密教は仏教の一流派であり、諸尊を召請する修法が主です。諸尊を象徴する印契を結び、真言(マントラ)を唱えることで、各本尊と行者の三密(身密・口密・意密)が感応し、三力加持の理によって祈りが成就するのです。
本書も、まずは真言密教の修法から始まります。
その中から、今回は『真言秘密不動金縛の法』をご紹介します。
これは、名前の通り人の動きを縛る法です。いかなる強敵も進むことが出来なくなるそう。
略式もあり、この法は柳生但馬守と試合をした荒木又右衛門や、宮本武蔵と試合をした伊藤一刀斎が用いたとされています。
不動経とは、「佛説聖不動経」のことでしょうか?
また、縛の印とは「不動七縛の印」かと思います。
「九字」は、これより前に出ていた「切紙九字護身法」でしょうか。
これは護身術の大秘法なので、行う前に手や口を清めてから三度、北に濁気を吐き、東を向いて生気を吸い込むことを繰り返し、三十六回歯を叩き、丹田に力をいれて安静にする行程が必要という、なんとも大掛かりな術のようです。
その後、「臨 兵 闘 者 皆 陣 裂 在 前」の九字を印を結びながら唱え、さらに再び九字を唱えながら縦横に刀印を切っていくのです。
ちなみに、本書では「裂」は表記揺れで「列」となっている箇所もありました。個人的には「列」の方がよく見掛けるように思います。昔読んだ荻原規子さんの和風現代ファンタジー小説『RDGレッドデータガール』では「臨める兵 闘う者 皆陣列ねて前に在り」と書かれていました。
九字も金縛りの法も、実際に使う際には略式の方が良さそうに思えますね。咄嗟に短時間で使えないと、活用は難しそうです。
だけど、印を結んで呪文を唱えるのはカッコよくて憧れてしまう気持ちもあります。
私は未読ですが、最近流行っている「呪術廻戦」もこのように戦うのでしょうか?
道教や山岳信仰や陰陽道が古代からあり、修験道へ派生したりしますが、神道や仏教の神や仏の概念がお互いに影響しあっていて重なっている部分もあります。総じて呪術として、戦うのでしょうか。今度アニメを観てみようと思います。
ちなみに、創作で大活躍している陰陽師が登場する作品はいくつか読んだりしていました。先に挙げたRDGもですが、結城光流さんの『少年陰陽師』や夢枕獏さんの『陰陽師』にハマっていた時期があります。
『RDG』『少年陰陽師』はアニメもあるので、おすすめです。
●『神伝弾丸除の護符』
次にご紹介するのは、なんと弾除けの術です。
金縛りはなんとなく、催眠術のように精神に働き掛けるのかも、とも思えますが、これはかなり物理な技ですよね。なかなかユニークです。
加藤清正が朝鮮征伐でこの護符を身に付けていたら千軍万馬の中でも無傷であったとのこと。他にも様々な事例がこの『神伝弾丸除の護符』のページで紹介されています。
そして、何より手順が少ない!
あっという間に作れてしまう護符なのです。そして肌身離さず携帯するだけ。
ただし! 決して疑念を挟んではいけません。
●『眼に塵埃の入たるを簡単に取除く秘法』
切実に、効いてほしい!と思ってしまった秘法を三番目にご紹介します。
そのまま『眼に塵埃の入たるを簡単に取除く秘法』です。
「薬師の呪」とは薬師如来の真言のことで良いのでしょうか。
眼のゴミを取るのに口内の裏顎を舐める、という発想が面白いです。案外、昔の人々の経験則なのかもしれません。
●『縮れ毛を直す秘法』
最後に、タイトルにも書いたこちらです。
ずばり『縮れ毛を直す秘法』!
現代人も悩みに悩む、髪のお悩み。私も縮毛矯正とか掛けまくりました。今はトリートメントに落ち着いています。
縮毛矯正が上手く掛からない苦しみを経験したので、この頑固なチリチリが直るなら何でも試してやる!という意気込みが昔はありました。
ということで……
うーん……!
これは、さすがに厳しい!!
なめくじを椿油に入れて溶かしたものを髪の毛に塗る、というなんとも風変わりすぎる方法……。
ちなみに、椿油自体は髪の毛用のオイルとして上質でとても人気があります。
なので、少しわかる気も……。なめくじって、ヌルヌルしているので、海藻エキスみたいな感じで良い効果があるのかも??
とはいえ、さすがに1合に10匹を溶かすのは、想像だけでもなかなかグロテスクです。
さすが妙術です。
「髪は女の命」とも言いますが、私にはここまでは出来ないです。
● おわりに
ごくごく一部分ですが、書籍『妙術秘法大全』をご紹介しました。
まだまだ面白い “ 妙術 ” がたくさん詰まっている、興味深い一冊なので、ご興味ある方はぜひ読んでみてください。
ちなみに、一部分ですが目次はこのような感じです。
「試験に優等を得る必勝の神符」などは、ちょっとズルい気もしてしまいますね。
昔は病院となる施設も少なく、怪我や病気になると神頼みや民間療法が多く頼られました。
有名な新選組の副長・土方歳三の生家は豪農で「石田散薬」という薬も売っており、この薬は多摩川の河童が土方家の当主に作り方を教えた、と言われています。現在は、漢方医をされていた当主がいたために生まれたと考えられていますが、妖怪や呪術が昔の人々に親しまれていたことがうかがえます。
今回も閲覧いただき、ありがとうございました。