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カフェ文化が花開くバンドン カフェの魅力を高める要素を考える

バンドンはカフェの街です。ジョグジャカルタもそのように言われており、両者の共通点は学生が多いところです。
学生が多いと、彼らのおしゃべりをする場所、大学のグループワークをする場所としてカフェの需要が高まり、多くのカフェが存続できるようになるという下地が生まれます。
加えて、お酒を飲まないインドネシア人にとって、社交の場はカフェになります。

わたしはバンドンのカフェをめぐりながら、いつかおススメのカフェをご紹介したいと思っていますが、今回はわたしがこのカフェはいいなと思う要素をいくつか挙げてみたいと思います。

コーヒーのおいしさ、満足感を引き立てる要素ともいえます。


1.しつらえ(室礼、設え)

このカフェよさそうだなとか、いい空気が流れていそうだなと見て感じるのは、カフェの内装、家具、置物、絵の雰囲気かと思います。

「しつらえ」とは「空間や部屋の演出方法」
「しつらえ」の由来は古くは平安時代。
宴や儀式などを行うハレの日に、室内を調度類を置いて装飾し祝った「室礼(しつらい)」によります。
お正月の飾りやひな祭りのひな人形、端午の節句の兜の飾りなど・・・
部屋を、空間をその時その場にふさわしく整えることで、季節の節目や日本の伝統美を暮らしの中に感じ、心に豊かさが生まれます。
現代の建築の世界において、「しつらえ」とは「空間や部屋の演出方法」といった意味で使われることが多いようです。

ウィンウィンホームのブログより

わたしの場合は、色の統一感に一番引っ張られる気がしています。
白、黒、茶色、クリーム色、あるいは合う色同士の組み合わせ。色はなんでもよく問いません。

調度品にとくにこだわりがあるわけではないのですが、崩しすぎるのは余り好きではありません。わたしにとってカフェはリラックスする場所という位置づけだからです。
無機質なら無機質なりの、温かみがあるのであれば温かみがあるなりの、重厚あるいは軽薄といった統一感のある雰囲気にこだわってほしいです。

私の場合、あとで述べる緑、植物、自然の要素が入れば、例え無機質なしつらえであっても気に入ります。

2.香り

これはいうまでもないでしょう。コーヒーの香りです。
わたしはコーヒーで一番好きなのは味より香りです。インドネシアのコーヒーでいけば、比較的安価なロブスタ種は香りが少な目で味が濃い、高級なアラビカ種は香り豊かで味は繊細です。いつもざっくりですいません。
アラビカ種のコーヒー豆の香りをかぐだけで「ハルーーム(インドネシア語でよい香りの意味)」と思わず声が出てしまうほどです。
これはわたしだけではなく、多くのインドネシア人に共通しています。

香りがないカフェは基本存在しないので、差別化にはなりませんが、カフェに行ってうれしくなったり、心がゆったりとするのは、香りの要素が強いです。

インドネシアは喫煙率が高いのがちょっと困りますね。丁度わたしの両親の世代(団塊の世代)くらいの喫煙率だと思います。日本の成人男性の喫煙率が一番高かった時は昭和40年代前半で80%超。インドネシアは成人男性の喫煙率が70%超です。

3.音

音楽は当然重要ですが、音楽が流れていなくてもカフェで聞く音というのは心地よいものです。
コーヒー豆をガーっと砕く音、カプチーノの蒸気音、陶器の触れ合うかちゃかちゃとした音、氷がガラスとふれあい生まれるカランと澄んだ音。
言ってみればみんな雑音なんですが、カフェを生き生きとさせる重要なパーツだと思います。
カフェの雑音は雑多にもかかわらず自然でピュアな感覚がするのです。

お店に入っていってレジに向かって歩いていく、そしてレジでコーヒーを選び注文している間、カフェの音が聞こえてきます。

席についたあとは、周りの客の会話を聞くのも楽しみにしています。インドネシア語なのでよく分からないことがほとんどなのですが、それがいいのかもしれません。BGMです。
甲高い笑い声だけはもう少し小さい声で頼む、といいたくなります。特に好きなのは、驚いた時の反応や感嘆の声ですね。「アルハンブリラー」とか「アンジン!」とか。

4.自然の空気と緑

地下の薄暗いカフェも嫌いではありません。わたしのカフェのイメージはむしろ薄暗い窓のないカフェです。口数の少ないこだわりのマスターが、手際よく、しかし丁寧にコーヒーを入れてくれる感じです。

ただ、ここバンドンでは南国特有の生命力旺盛な植物たちが葉や幹を茂らせ、湿度の高い空気が流れているカフェがわたしのお気に入りです。
標高800メートルの高地にあり、冷房を入れなくても気持ちの良い気候だからこそできるのだろうと思います。ジャカルタでは不快になってしまうのではないでしょうか。

芸術村の名もなきカフェ
Jiwan Coffee & Things Bandung

バンドンは山に囲まれていて、街自体にも川で削られた断崖や高低差が多く見られるため、景色のよいカフェの立地には事欠きません。
景色のよいカフェで眼下の緑を見ながら、さわやかな風が流れていく。最高です。雨もまたいいです。

大学周辺は住宅が密集しており、多くのカフェは家々の壁に囲まれています。景色はありません。
それでも、箱庭的な空間には人間より大きい葉の植物が植えられていたり、まるでそこにあった木を優先して後から建物を建てたかのような、巨木がそびえたりしています。

5.光

自然の空気とともに、自然光をふんだんに取り入れているカフェは魅力的です。
窓は開け放たれているか、あるいは床から天井までガラス張りもいいですね。屋内なのに屋外と一体になった感じがします。

Kanoko Coffee 日本の鹿の子に由来

夜のカフェはグループワークが長引き夜になってしまったという展開以外に行ったことがないのですが、あかりは温かみのある色、間接照明を使っているカフェがほとんどです。

6.歴史を感じる建物

バンドンはオランダの植民地で、昔からの建物がよく残っています。古いものは1910年代、20年代に建てられたものもあります。
こういう古い住居がカフェに使われるケースが多く、日本でも古民家カフェありますね。
古い建物がまとう積み重ねてきた年月が、カフェの空間を特別なものにしてくれるのでしょう。
やはり、カフェで流れる時間は日常の時間と比べるとゆっくりしていて、異次元空間になっているのが魅力の一つです。古い建物でタイムスリップした感覚になるのは、とても効果的なんだろうと思います。

Halaman Cafe 週末の夜はライブ演奏あり

7.スタッフ

なぜカフェの店員はみなおしゃれで男性はかっこよく、女性はきれいに見えるのか、1つのなぞです。
そういう人が採用されているともいえるし、仕事をしていると自然にそのようにふるまい見た目が変わってくるのかもしれない。

彼らは愛想がいいときもあれば、クールなときもある。でもインドネシア人なので、みんな笑顔は最高です。

8.インドネシア人学生がカフェで重要視すること

彼らにとって一番大事なことは、一杯のコーヒーで何時間でも粘れることです。お店にとってはとんでもない話ですけど、これが現実です。

次に大事なのはWiFi完備なこと。

男子学生の言い分ですが、店員がかわいいこと。かわいい女の子が働いている店の方がいいに決まっていると言います。注文するときにしゃべって終わりなんですけどね。

価格が安いこと。なかでもサービス料を取られる店は問題外だと考えているようです。たしかにグループワークで指定されるカフェはすべて消費税込みの値段表示でサービス料が取られない店ばかりです。
サービス料を取るか取らないかが高級店かそうでないかの分かれ目のようです。

オープンスペースがあること。屋根がついていて壁がない開放的なカフェが好まれる傾向にあります。これはみんなタバコを吸うからですね。屋内は分煙しているカフェがけっこうあります。

パソコンやスマホを充電できるコンセントが豊富にあること。これはあればいいという感じです。

V60 Japanese hand drip Rp35,000 at Coffee Toffee
雨にけむるカフェ

おわり。





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