スマトラ島の温泉をめぐる旅 10日目 ブラスタギの温泉を楽しんでから町へ移動
昨夜はホテルの温泉には入らず、シャワーを浴びて寝てしまった。
日帰りのはずの客は、日帰りではなく空いているスペースに夜通し陣取る気配だし、なぜか夜になってからも新規の客がひっきりなしにやってくる。
わたしは彼らの歓声を聞きながら、さすがに明け方には疲れて寝るだろうから、その時はお湯も入れ替わりフレッシュな温泉を楽しめるだろうと期待しながら寝た。
朝4:00頃目が覚めると、外ではまだ活発な様子がうかがえる声がしている。
まさかと思って外に出てみると、各プールには4、5人の客が入り続けているのが見えた。
そしてやはり、新しい客はこんな時間にも関わらずやってきている。
もう入るなら今しかないだろうと決断した。
水着に着替え、温泉エリアをぐるりと周り、人が誰も入っていない浴槽を見つけて入る。40度くらいだろうか。湯口から投入されるお湯は42度以上ある。
白濁した硫黄泉だ。朝湯に源泉掛け流し温泉。贅沢の極み。
5時を過ぎた頃には新客の群れが、わたしと同じようにどこか空いている場所はないかとわたしの周りをウロウロし始めた。
ここは熱いと言いながら敬遠しつつ、最後は観念し足湯をする人たちが増えてきたので上がった。
日の出の様子。ニワトリが鳴いている。
部屋に戻り寝直し、売店でまんじゅうのようなパンを買って、インスタントコーヒーとともに朝ごはんにする。
1.温泉めぐりの続き
チェックアウトは12時なので、昨日行かなかった温泉をめぐることにする。
(1) Alam Sibayak
まず向かうのはパリバン温泉と双璧をなすシデブデブ温泉。
日本の5月を思わせる爽やかな風が谷を吹き抜けて行く。周囲の山々から熱帯のギラギラした感じは消え、温帯の穏やかな木々の緑に変わっている。
インドネシアの高原は、日本の田舎道を散歩している気分にさせてくれる。
地図の温泉を示すあたりに来たがない。
そばにいたおばちゃんに聞くと、そんな名前の温泉はないというではないか。
グーグルマップを示しながら写真を見せたら、アラムシバヤッのことだろうという結論になった。
シデブデブはどこにいったのかは分からない。おばちゃんによれば、この辺りの地名がシデブデブなんだそうだ。草津に行き、草津温泉に入りたいというようなものだ。
ゲートで20,000ルピア(200円)払って入ると、白濁し硫化水素の香り漂う素晴しいプール群が現れた。客はほとんどいない。
お湯は素晴らしい。
何より景色が最高だ。メイン画像は山をバックに撮ってもらった写真。
ここには複数の源泉があり、すべてプール脇にある。1番源泉に近く、ダイレクトに湧き立ての湯が注ぎ込む場所が、景色も最高の場所という凄さ。
おそらくこの源泉の温度は他の温泉より低く、42、43度くらいで湧いているのかもしれない。
ここの温泉には珍しく個室風呂もある。
Kolam VIPという看板を見つけ見せてもらった。この建物の中にある。
個室は全部で10部屋くらいあり、いずれも浴槽がとても大きい。かなり良さそうなお湯に見える。
入りたいと思ったけれど、温泉はもうお腹いっぱいで入るのは断念した。
(2)もう一度タリバン温泉に入る
12時のチェックアウトに合わせ、最後にひとっ風呂入ることにした。あの熱い湯船が嫌煙され誰も入っていない様子が上から見えたのだ。
早速水着に着替えて行ってみると、足湯をしている人が1人いた。
ざぶんと入ってみる。昼が近づき外気温が上がったせいか、夜明け前よりお湯の温度が上がっている。42度くらいで気持ちが良い。
しばらくすると、足湯のおじさんの仲間と思しきおばちゃんが、なんだここにいたのかと言いながらお湯に入ろうとして、熱さに驚き飛び跳ねていた。
そして、熱いと騒ぐものだから仲間たちやその子供たちが集まってきてしまった。まるで我慢自慢大会みたいに騒がしい場所になったのだ。
「そんなに熱いって言うけど日本じゃ普通だよ。それにここよりずっと熱い温泉が近くにあるから、熱い温泉が好きならそっちに入ってみたらどうか」と言わずにいられなかった。
別に特別な場所じゃないのだから、まずは落ち着いて温泉を味わってみたらどうなんだ。
確かに見た目はプールだけど温泉なんだから、ゆったりリラックスしないとね。少なくとも人が静かに入っているのだから気を使うべきだ。
2.ブラスタギの温泉ランキングをつけてみた
皆さん選択肢がありすぎどこに入るのが良いか迷うと思うので、わたしの独断でランクをつける。参考にしていただければ幸いだ。
第一位
Alam sibayak
泉質、景色共に文句なし。さらには個室風呂もある。
もしプールが騒がしい連中で混んでいれば、絶景風呂を堪能したあと、仕上げに個室風呂はいかがだろうか。
場所も中心地で便利。道に出て左にしばらく行けばビールを出す店があるので、風呂上がりの一杯をどうぞ。
ちなみにロンリープラネットはここは混むからやめておけと言っている。
第二位
Ring Pandita
ここの泉質は珍しく硫黄泉ではない変わった味がする。すぐ横にある源泉からあつあつの湯が注ぎ込まれるのでかなり新鮮。
一位の温泉と同じく子供用の滑り台がなく、よく手入れされた美しい庭園とシバヤッ山の景色を楽しみながら入れる大人空間。
熱い温泉が苦手な人はやめておくのがいいかも。
町外れにあり、ちょっと不便かも
第三位
Mitra Sibayak
泉質、景色は申し分なし。混む時間帯を避けていけば最高だろう。
インドネシアの温泉はたいてい昼間が空いている。
ここは硫黄泉で、かなり豊富に噴出している。温度管理や温泉の流れる経路に気を使っていて、温泉へのこだわりを感じた。
ここも町外れで不便な場所にある。
ロンリープラネットはここの景色がベストと言っている。
インドネシア人に断トツで一番人気はタリバン温泉だが、あなたが家族連れでもない限り、わたしはおすすめしない。
激混み、かつ騒がしい連中が多く落ち着かない。エンタメ性をとことん追求している場所なので、むしろわたしのような客は場違いだ。多くの温泉好きにとっても落ち着かないことだろう。
3.ブラスタギの街
ホテルを出て歩いているとあっさりKTのバスが捕まり、ブラスタギの街に戻って来た。
今日の宿、ロスメン&カフェ・シバヤッにチェックインし街を散策する。
宿には日本の軍歌をひっきりなしに歌うおばあさんがいる。たぶん歌の意味をわからないまま、日本人を喜ばそうと歌ってくれているんだろう。
正直に言えばわたしはあまり軍歌が好きではない。
他には、タカタという老人が、この地でホテルを所有していると聞いた。結構有名な様子で、あぁタカタね、という反応だ。80歳。すごい人がいる。
(1)ミュージアム
まず行ったのはミュージアム
バタックカロ族の伝統的な暮らしがわかる。
(2)果物市場
次にミュージアムのすぐ横にある果物市場へ行った。
色鮮やかな野菜と果物に目を奪われる。日本とは同じ野菜でも色が違うようだ。
わたしの目当ては、ブラスタギ名物のマルキッサ。
どうやら甘いのと酸っぱいのがあり、ジュースは酸っぱい方らしい。
酸っぱいのを食べた。
というより、勝手にナイフで2つに割ってしまったから、食べないわけにはいかなかったのだ。
いくらか聞いたら20,000ルピア(200円)と言ってきた。一個なら1000ルピアもしないでしょと言って2000ルピア(20円)払った。小銭を切らしていたのだ。
次にカロ料理の店を探してフードコートに行ったら潰れていた。
人口の割に食べるところが多すぎるのかもしれない。観光客がいる前提で成り立つ。
オランダ時代に開発された場所ならではの古い建物を探して見たが、確信は持てなかった。
4.食事を楽しむ
(1) IBABI
カロの伝統的な料理を食べたいのだが、どこかおすすめのレストランはないか宿で相談してみた。
しっかりものの宿の女性は、ちょっとだけ考えBabi Panggang Karoがカロの料理だと言った。
ただし、店名までは思いつかないようだった。
わたしはスペルを聞きながらすかさず検索し、宿の近くに店を見つけた。
ここは4種類しかメニューがない。
だがわたしには何も問題ない。
もう決めているからだ。
茹で豚で取ったと思われるシンプルな味のスープがまず出てくる。
そして葉の上に、豚肉炒め、野菜炒め、二種の辛い付け合せ、ご飯がのっている。
バランスの良いおかずだ。味は十分美味しい。豚は脂身の多いバラ肉を使っているようだ。
(2) Eropah
ヨーロッパという名の中華料理屋で、またの名を中西飯店という。ヨーロッパの要素はカールスバーグがあるくらいで、完全に中華料理屋だ。
ビールを飲みながらブタの唐揚げを食べるという、日本の飲み屋にいるかのような楽しみ方ができるお店で日本人にはおすすめ。ロンリープラネットも勧めている。
インドネシアの多様な文化に感謝しながらいただいた。
カイランのシーフード炒めは、頼んでないのに豚肉入りで、焼肉屋で食べるゼンマイみたいなモツまで入っている。
豚肉の唐揚げは、肉が柔らかく味付けもシンプルな好みの味だった。
今日も良い1日を過ごせた。まだ早いけれど、感謝しながらこのまま眠りにつくことにしよう。
載せる機会を失った写真をつける。
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