「絶望」にも名人がいるのです。「絶望名人カフカの人生論」
新しい年が始まると
SNSで見る投稿も
今年の目標や抱負など、
ポジティブなものが多いですね。
今年の私は
昨年末がギューギューに忙しかったので、
お正月は、まだその惰性で動き続けていたというか。
いろいろ楽しいこともあったので、
それはそれで「お正月らしい」日々だったのですが、
「成人の日」あたりでやっと
「今年も終わった」という気分になったのでした。
そんな私から見ると
SNSにたくさんあった
新年のキラキラした投稿は
眩しすぎて、
「ちょっとカーテン閉めてもいい?」
という感じでした。
ちょっと今の自分から、ポジティブエネルギーは出てこないな、
そんな気分でいたら
この本に出会いました。
「絶望名人 カフカの人生論」
著者は文学紹介者
頭木弘樹さん
カフカの作品、手紙などから
人生のあらゆることに
カフカがどれほど「絶望」していたか、
それがわかる言葉を紹介しています。
カフカの言葉に込められた
「絶望感」というドロドロしたネガティブパワー
しかし、頭木弘樹さんがそのあとに続ける解説文が、とても優しいのです。
頭木さんがご自身ののことを「評論家」ではなく「紹介者」というのは、
決して作家さんをジャッジしない、作者の思いをそのまま受けとる能力が素晴らしいからだ、と感じます。
ポジティブ疲れ
(そんな言葉あるのか?)
を感じている人にオススメです