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2018年9月の記事一覧

わたしが夏を好きなわけ

わたしが夏を好きなわけ

今年の夏をひと言で表すなら、「轟音」。
色々なものを薙ぎ倒しながら、音を立てて猛スピードで走り去るような…
その音は耳を塞いだときに聞こえる血流の音にも似ているし、急行列車の通り過ぎる音にも似ている。

ところで、わたしが夏を好きなわけについてお話ししよう。
今まで、わたしが出会った人で好きな季節を夏と答えるのは、体感で1〜2割。

なぜ?
暑いのがいやだから。

これに尽きると思う。けれど、夏に

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三日月と海

三日月と海

今まで、夜の海は恐ろしいものだと思っていた。
人は、果ての無さに本能的な恐怖を感じる。
死が怖いのは、生が終わるためではなくその後永遠に続く無が恐ろしいのだ。
だから人間にとって、陽が落ちた後の海は、死を連想させる。

ところが目の前にある海はどうだろう。
満月のおかげで、砂のついた裸足の爪先まで容易に見ることができる。
風は穏やかで、凪いだ海面は眠る黒猫の毛並のように柔らかい。
月光に照らされ

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開花

開花

一日に一度 あなたはわたしにキスを送る
あなたが額に口づけると、
そこに真っ赤な芥子が咲いた
左耳のたぶには金木犀
ほほには女郎花
首すじには蔦が絡みつき
乳房は勿忘草で覆われた
腹には静かな海色の紫陽花が咲いたが、
それはやがて宵の紫色に変わった

最後にあなたは左の手をとり、なか指に口づけた
すると大きな白い百合が二輪
気だるげに頭をもたげた

指輪には重すぎたが
その香りはどこまでも濃く

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