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#035 短編 ✖3で長編(まとめ)

拝啓 長編作品に尻込みしている方へ


今回の記事は、
全4回にわたって書いた「短編 ✕3で長編」についてのまとめ記事です。
🔽この過去の自作プロット「少女と娼婦しょうふ」を素材に、

続編を2つ企画して、
短編 ✕3の長編にしてみようと試みたのが、今回のチャレンジ。
まず、やり終えてみて、
「チャレンジして良かった」というのが、率直そっちょくな感想です。

なぜなら、
このプロット「少女と娼婦しょうふ」は、16年前の企画。
元々は友人たちと映画レーベルを立ち上げようとしていた際、
ブレストをかねたミーティングの場に提出した企画でした。
のちに少し手直しをして、そのままずっと「Word 文書」のまま保存、
そして昨年の2023年10月に[note]の記事として公開したヤツです。
ちなみに、
レーベルの立ち上げは、頓挫とんざからの自然消滅。
わたしがパニック障害になって、リーマン・ショックもあって、
東京から名古屋にわたしが帰ることになってしまい、
結果、レーベルは完全消滅。…… とほほ。

そもそも、そんな時期のプロットなので、内容が「暗い」です。
しかし、短編 ⇒ 長編 のチャレンジにあたって読み返し、
当時の自分の「あたまなかこころなか」と向き合えました。

「このころ、もがいてるなぁ、オレ」
「もがいて、吹っ切れて、いまのオレになったんだなぁ」
「てか、過去の自分 ⇒ いまの自分、ちゃんとつながってるなぁ」
そう感じることができて、
また、この「少女と娼婦しょうふ」のコンセプト(メッセージ)が、
『いまの自分は、過去の自分のおかげです』だったりもして、
だから今回のチャレンジに際して、
「過去の自分と、主人公の少女に、感謝とエールを!」
そんな意味不明なモチベーションも加わって、
長編化の素材にした訳です。

さらに言えば、今回のチャレンジは、
シリアスだった「少女と娼婦しょうふ」の物語を、
本当のハッピーエンドにできる絶好のタイミングでした。
そして、エンディングを、
ポジティブなシーンで着地(完結)させることができ、
素直に「チャレンジして良かった」という感想につながった訳です。
いまのわたしは、
第1話「少女と娼婦しょうふ」の主人公に、
胸を張って「よかったね、アン」と笑顔で言えるようになりました。

前置きはこれくらいにして、
さて、本題です。

約1ヶ月にわたった「短編 ⇒ 長編 のチャレンジ」における、
わたしの「あたまなかこころなか」を暴露ばくろします。
なにかひとつでも、読んでくださる方のお役に立てたり、
ヒントになったり、モチベーションアップにつながれば、幸いです。

では、スタートします。

■7月下旬:第2話「ドリームチケット」を企画

第1話「少女と娼婦しょうふ」から、
なにを抽出ちゅうしゅつして、第2話に引き継ごうか? を考えました。
※続編のための素数そすう(キーワード)の抽出ちゅうしゅつ方法は、
 🔽ここに書いてあります。

わたしは、次章や続編をつくる際には、
「ひと or 場所 or モノ」を引き継ぐべきだと思っています。
なぜなら、読者にとって「つづきなんだ」と理解しやすいし、
「つぎも読みたい」と興味のキープもしてもらいやすいから。
(言い方を変えれば、読んでくださる方に「親切であるべき」だから)
そして、
◆占い師 ◆記憶を預かる(消してくれる)お店
この二者択一にしゃたくいつから「占い師」を選択。
同時に、年齢性別不詳ふしょうの「占い師」を、
「見た目60代のおばさん=占いおばさん」に設定。
第2話は、新たなお客さんのストーリーにすることを決めました。

実はこの「占い師」ですが、
少女のお父さんに設定することもできました。
しかし、娘を娼婦しょうふに導く親父になってしまうため、
そんな不道徳・悪趣味は早々そうそうにボツ!

ちなみに、この段階で未決定のことが、3つありました。
①記憶を消してくれるお店を一応「時計店」に設定したものの、
 この時計店の店主をどうするか?(いったい何者か?)
②占いの種類と方法
③占い師=見た目60代のおばさん=占いおばさんの正体

ひとまず「第2話のプロットを考えよう」に集中し、
コンセプト(メッセージ)を、
--------------------------------------------------------------------------------------
「人生は選択の連続です」
「しっかり悩んで・考えて、自らの選択をしましょう」
「そしてその選択の責任は、しっかり自分で背負せおいましょう」
--------------------------------------------------------------------------------------
に決めました。
やがて「鏡占い」のアイデアがふと降臨こうりんし、
「鏡にうつった複数の未来の、いずれかを選択する」
という「ドリームチケットシステム」を考えつきました。
これにて、上記の[②占いの種類と方法]は解決し、
プロットの執筆に向かうことにしました。

■7月下旬:第2話「ドリームチケット」を執筆

執筆し始めるとすぐに、
時空をえる「どこでもドア(ミラー)」のアイデアが降臨こうりん
歳を取らない神出鬼没しんしゅつきぼつの占い師(占いおばさん)を、
タイムリーパーにすることができるようになって、
このおかげで「占いおばさん=少女の未来の姿」も決定しました。
これにて、前述の、
[③占い師=見た目60代のおばさん=占いおばさんの正体]も解決。
そして、プロットを執筆しながら、
第3話のための2つの伏線(ほのめかし)を仕込みました。
◆占いおばさんのベレー帽(紫色の帽子)
◆エンディングの肖像画(鏡にうつる占いおばさんの肖像画)
いわば、第3話へと引き継ぐ「ひと or 場所 or モノ」のなかの、
「モノ」という訳です。

■7月下旬~8月あたま:第3話「タイトル未定」を企画

まずは、
第3話のコンセプト(メッセージ)を考えました。
詳しくは、🔽ここに書いてあります。

この時点で、わたしはまだ、
第3話(完結編)の具体的なストーリーに悩んでいました。
完結編なので、
保留中の[①時計店の店主はいったい何者か?]の解決をはじめ、
いろいろな謎の解決および、もろもろの伏線も回収しなくちゃいけない。
「ま、ぼちぼち考えよう」ってことにして、
とりあえず、第3話(完結編)の冒頭シーンだけは思いついたので、
上記のリンク先に書きました。

■8月初旬:第3話「リトルガール」を企画

第3話(完結編)のコンセプト(メッセージ)は、
「子どもの『こころの声』をちゃんと聞こう」に決定済みなので、
あとは具体的なプロット(ストーリー)を考えるだけ。
てか「ちゃんと考えよう」ってことで、いろいろな可能性を探りました。

当初は、占いおばさん(アンおばさん)が、
リトルガール(自分の分身ぶんしん=13歳のときのアン)と向き合い、
その『こころの声』を聞くというストーリーを考えていました。

しかし、第3話の主人公(新キャラ)をりつにしたことで、
りつ ✕ 占いおばさん(アンおばさん)の交流を通して、
やがてりつも少し変化、リトルガールも少し変化して、
結果的に占いおばさん(アンおばさん)も、
少し変わる(救済される)ストーリーになりました。
ちなみに、この最終的なストーリーは、
プロット「リトルガール」を執筆しながら決めたことです。

さて、プロット「リトルガール」を執筆する前に、
わたしは「創作のためのメモ」を見返しました。
PC内に保存&随時更新しているメモ(テキストファイル)のことですが、
それらを全部、見返したところ、こんなメモがありました。
--------------------------------------------------------------------------------------
人のためにすることは、自分のためにすること。一生懸命「ある人」のお手伝いをしていたら、いつのまにか同化していた。そもそも一つの身体だったのかもしれない。二重人格。昼の顔と夜の顔。鏡のあちらとこちら。未来にいる自分と、今の世界にいる自分。未来の自分のために頑張ると、その理想の自分にいつか近づいていく。
--------------------------------------------------------------------------------------このメモには、
[鏡のあちらとこちら。未来にいる自分と、今の世界にいる自分]
が含まれていて、ちょっとビックリしました。

「鏡占い」のアイデアは、決して降臨こうりんした訳ではなく、
あたまなかにあるどこかの抽斗ひきだしが開いた」ってことでした。
しかも、このメモには、
[未来の自分のために頑張ると、その理想の自分にいつか近づいていく]
と書かれてあります。
「コレ、使えるじゃん」ってことで、
ドリームチケットシステムの「本来の目的」に使用しました。
てか、このメモ自体が「ノストラダムスの大予言」みたいで、
今回の「短編 ⇒ 長編 のチャレンジ」用のメモみたくなっています。
つまり、
普段からのメモ残しが、ちゃんと役立つことの実例です。
過去の自分に「ありがとう、わたし」と感謝できる実例でもあります。
なので、ひらめいたアイデアなどは、
その都度、書き残しておくことをオススメします。
(手書きメモでも、テキストファイルでもOKです)

■8月上旬~中旬:第3話「リトルガール」の執筆スタート

前述の[①時計店の店主はいったい何者か?]を保留にしたまま執筆。
モヤモヤしながら、ストーリーを書いていました。
プロット「リトルガール」の前半は、
🔽ここに書いてあります。

わたしはプロットの執筆と同時並行へいこうで、
過去にた映画・読んだ書籍などの記憶をほじくりました。
「時計店の店主●●かぁ。ダジャレで時計店の天使●●はどうだろう?」
「てか、むかし、映画『ベルリン・天使の詩』をに行ったなぁ」
ってことで、YouTubeで予告編を視聴。
視聴して思い出したことが2つ。
リメイク版『シティ・オブ・エンジェル』もに行ったこと。
続編『時の翼にのって』も、ビデオレンタルでた気がすること。
その瞬間「時の翼!」とひらめき、
「時計店の店主=天使カシエル」が決定しました。
(10代のころから多くの映画をてきた過去の自分に感謝です)
なお、
キャンディー屋の店名「AUNT ANN's(アントアンズ)」は、
ダジャレというか、ダブルミーニングです。
アンおばさんとリトルアン(アンとアン)のいるお店ってことです。
しかも、語呂ごろがいいので即採用しました。

■8月下旬~9月:第3話「リトルガール」の脱稿だっこうまで

脱稿だっこうまでの道筋みちすじも見えてきたため、
あとはエピソードをつくって、つないでいくだけになりました。
脱稿だっこうとは、原稿を書き終えることです。

ちなみに、
この8月下旬にいたるまでの期間、正直ちょくちょくサボっていました。
本業の仕事を優先しつつ、深夜~早朝はパリオリンピック観戦。
お盆休み中に大腸ポリープ手術からの入院もあって、
執筆のモチベーションは下降、
なかなかモチベが復活せず、だらだらと過ごしていました。

結局、世間の子どもたちが2学期を迎えたタイミングで、
ようやく「わたしもやらねば!」とスイッチON!
第3話(完結編)のプロット「リトルガール」を書き切った訳です。

<ストーリーの後半~ラストまでは、🔽ここに書いてあります>


■おまけの話

第3話(完結編)のプロットは長いです。
エピソードだらけです。
あらゆる謎の解決および、もろもろの伏線回収のためもありますが、
一番の理由は、りつのことを書きたくてたまらなかったからです。
正直、りつのエピソードは、ぜんぜん足りていません。
優等生・りつの、小学校での様子&家庭での様子を、
最低でも、あと3~4エピソードは書いて、
りつの「こころの葛藤かっとう」を入れたかったです。
誰にも甘えず、人前ひとまえでは常にピシッと優等生のりつ
しかし、人目ひとめのないところでは …… 。
そうしたエピソードがあると、
りつがアンおばさんにしがみついて、
泣き崩れるシーンに深い意味と理由が加わります。
そして号泣ごうきゅうするりつられて、
いつもなら感情を決して表に出さないリトルアンが、
初めて涙を流すシーンも「そうだよね」という理解につながります。
このシーンは、読者にとって、
リトルアンの涙に対する納得&共感シーンにもかかわらず、
りつのエピソードを割愛かつあいしてしまったせいで、
りつ唐突とうとつに泣いてしまったようになってしまいました。

普段なら、わたしはこうしたシーンを泣きながら書きます。
登場人物に感情移入してしまい、ついつい泣いてしまうのです。
ですが今回、このシーンの執筆時、鼻の奥の方が少しツンとしただけで、
泣くことはありませんでした。
この長編3部作を、小説化する予定がないだけに、
わたしはいま、とても反省していますし、後悔しています。

■おまけのおまけ

シリアスだった「少女と娼婦しょうふ」の物語を、
最終的にポジティブなエンディングで終わらせることができて、
本当に良かったと思っています。
で、もし、
第1話「少女と娼婦しょうふ」をプロット進化させる機会があれば、
その作中に、少女アンが小説を読んでいるシーンを入れます。
その小説は、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」です。
少女アンの現実逃避を表現できますし、
また、この小説が、第3話のラストシーンの伏線にもできるからです。
ちなみに第3話のラストシーンで少女アンが読んでいる小説。
プロット(ストーリー)のなかで、あえて明記していませんが、
いわずもがな、
続編の「鏡の国のアリス」です。


という訳で、
以上、約1ヶ月にわたった「短編 ⇒ 長編 のチャレンジ」における、
わたしの「あたまなかこころなか」の暴露ばくろでした。
読んでくださった方に、なにかひとつでもお役に立てていたり、
ヒントにつながっていたり、
モチベーションアップのお力添ちからぞえになっていれば、幸いです。


★購入済みのこの続編。明日くらいから読み始める予定です★
宮島みやじま 未奈みな 著「成瀬は信じた道をいく」


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