入院のメリットと目標設定
また精神科病棟に入院した。2回目。
精神科に何度も入院するなんて、やっぱり頭がおかしいと思われるんだろうな。私はここまで落ちたんだな。と思いながらも仕方なかった。
家にいてもみんなに心配をかけてしまう。病院にいれば、私が死ぬことはないって家族が安心してくれる。
今回は任意入院だったので、希望して入院したのに、夜にはもう帰りたくなっていた。
寂しいし怖いし、泣きながら看護師さんに帰りたいと言った。
「ルール上はね、任意入院はいつでも出られることになってるの。夜間とか日曜とかできれば控えて欲しいっていうのはあるけどね、でも患者さんが退院したいって言ったら、いつでも対応する。でも、まかろんさん、ここで休めない理由があるんじゃない?思いつく?ここの環境で変えられることや私たちができることはするから。」
看護師さんは、優しかった。
精神科病棟の看護師さんは、忙しそうだけど、「話がしたい」と言えばちゃんと話を聞いてくれることを前回の入院でわかっていた。
そのあと落ち着かない部屋の配置を変更してくれ、話も聞いてくれた。
入院のメリットはだいたい3つ。
⭐︎薬の調整が細かくできる
⭐︎休む環境、規則正しい生活ができる環境
⭐︎担当医との話の時間が長く取れる
私の先生は、入院時にちゃんと時間を取って話を聞くからと言ってくれて、本当に話を聞いてくれたと思う。
その中で、今回入院して良かったと思ったことは、私の目標設定が間違えていたことに気がついたことだった。
私の目標は、
病気を治して、元気だった時の私のように戻る。仕事も子育ても家事もちゃんと出来るようになること。
それに対して、先生の目標設定は、心が穏やかな時間を作ることだけだった。
私は、元に戻りたい。元気になって誰にも迷惑をかけずに一人で全部バリバリできるように…
あ、それで病気になったんだ。
「そうか、目標設定値の共有が出来ていなかったね。まかろんさんの目標は、あれもしなきゃ、これもしなきゃ、っていうのを置いて、ゆっくりできる時間を持つことだけだよ。その時間を持てることが増えて行けば結果的に治るっていう状態になるかもしれない。
だからまずは、目標は、元に戻すことじゃなくて、穏やかな時間を持つこと。」
と先生は言った。
そうか、私は元に戻って今までの遅れを、迷惑かけた分を、出来なかったことを取り戻そうと焦っていた。それこそが、症状だと気がつかずに、元気だと感じると思いつく限りのことをしていた。
その後にくる、大きな波にいつものまれて、その繰り返しで。
妹も話を聞いてくれた。
たとえばさ、来年度の営業成績750%目指します!とか無理じゃん。
それやろうとしてたんだね。
うん、そうだね。
私たちは笑いあった。