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認知バイアスを回避するための思考ツールを紹介

こんにちは、馬渕です。

今日は「認知バイアス」をテーマとして話をしたいと思います。

認知バイアスについて学んだことがある方は、恐らく
「どうすれば認知バイアスは回避できるだろうか?」
と考えたことがあるのではないでしょうか。

今回は、この問題を原理的なレベルから解消するための概念を紹介します。

認知バイアスの分類

認知バイアスには、様々な種類があります。少し例を挙げると、

確証バイアス、生存者バイアス、正常性バイアス、現状維持バイアス、内集団バイアス、保守性バイアス、モラル信任効果、計画錯誤、、、

認知バイアスは、次のような人間の認知を構成する様々な機能に付随して生じ、様々なシーンに関係します。例えば、

注意機構、知覚認識、感情・記憶、意思決定、対人関係、社会的、論理的推論、経験則・信念、統計的判断、、、

認知バイアスに共通する特性・特徴とは?

実は、あらゆる認知バイアスには、共通する特性・特徴があると考えられます。

ここでは「認知的自由度」という尺度を設定して考えてみます。

認知的な自由度が高い状態とは、物事への多様な考え方・パースペクティヴを切り替えながら考えられる状態です。

一方で、認知的な自由度が低い状態とは、ある問題・テーマに対する考え方や観点(パースペクティヴ)を切り替えられない、という状態です。

あらゆる認知バイアスに共通する特性・特徴として考えられるのが、
認知的な自由度が低い状態=「認知的な固定化状態」です。

認知バイアスとは、我々の思考や認知がパースペクティヴを切り替えられないことに関係するのです。

認知バイアスを回避する方法

では、認知バイアスに対して原理的なレベルから対処するには、どうしたらよいでしょうか。

認知バイアスとは、人間の認知的自由度が低い状態=認知的な固定化状態のことですから、原理的には、物事に対して多様な考え方・パースペクティヴを自由に切り替えられれば回避できると考えられます。

そこで重要になるのが、考え方・パースペクティヴを多数化するということです。

もしわれわれが持つ考え方・パースペクティヴが一つしかなければ、他の考え方・パースペクティヴに移行することができず、固定化状態に陥ってしまうからです。

あらゆる事物に対して、多様な考え方・パースペクティヴを予め用意することで、認知的な自由度を高めることができると考えられます。

参照平面とは?

ここで【参照平面】という概念を紹介したいと思います。

この参照平面は、「無限に多様な概念&パースペクティヴの集合」というコンセプトを核に据えた概念です。


この概念は、「無限に多様なパースペクティヴ」を自由に切り替えることを重視しており、「認知的な固定化状態」を脱するうえで最適な概念です。


この【参照平面】を、認知バイアスを回避するうえで役立つあらゆるパースペクティヴの集合から構成することができます。

イメージ図
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例えば、「確証バイアス」という認知バイアスを回避するためには、自分の主張や信念や考え方すら問い返すことができるような、「懐疑的なパースペクティヴの集合」を考え、そこから【参照平面】を構成します。

【参照平面】とは、「無限に多様なパースペクティヴの集合」から構成された平面のことであるため、

この概念を用いる限り、確証バイアスのような自分の主観的・固定的な考えを疑い、相対化せざるを得なくなるのです。

この概念を用いることで、原理的なレベルから認知バイアスに対処するための準備が整います。

※詳細はこちら


事例

もう一つ、今度は視覚的な事例を挙げてみます。

突然ですが、次の絵は何を描いているように見えるでしょうか。
下にスクロールする前に考えてみて下さい。

素朴に考えれば、「正円」のように見えます。
そして、実際にそれは間違いではありません。

しかし、多くの方が単なる「円」とは異なる可能性を思い浮かべると思います。

ここでもし、私たちが「円」以外の可能性を考えられない場合、これが認知バイアスになる可能性があります。

認知バイアスの例

認知バイアスを完全に回避する方法を考える場合、やはりさらに他の可能性を考えられる必要がある訳ですね。

例えば、この絵が「円」に見えるのは、一部のパースペクティヴから捉えた場合に過ぎず、実際には立体の「円柱」であることがあるでしょう。

これは簡単な事例かもしれませんが、実際に私たちは認知バイアスに陥ることがあります。

では、どうすれば認知バイアスを回避できるでしょうか。

既知のパースペクティヴと未知のパースペクティヴ

ここで重要になるのが、先程の【参照平面】という概念です。

この概念の核となるのは、「無限に多様なパースペクティヴの集合」という考え方でした。

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そして、この【参照平面】の枠組みでは、
「無限に多様なパースペクティヴの集合」を、
既知のパースペクティヴ未知のパースペクティヴに分類するのです。

先程の事例でいえば、平面の「円」が見えているのが
既知のパースペクティヴです。

※あるいは、「この視点からは、平面図形の円が見える」という考え方。

それに対して、「円」を別の角度から捉えて、
「円柱」の像を浮かび上がらせるのが
未知のパースペクティヴです。

※あるいは、「まだ確定はできないけれど、立体の円柱かもしれない」という考え方。

未知のパースペクティヴの想定

このように【参照平面】という概念では、
「無限に多様なパースペクティヴの集合」を考えたうえで、
さらに未知のパースペクティヴを想定することができるのです。

※【参照平面】を円や円柱に対して構成した場合、例えば次のような視点が考えられます。

最後に

【参照平面】という概念は、あらゆる認知バイアスを回避するうえで重要な役割を果たすと考えられます。

少しでもご参考になればうれしいです。


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