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2024/08/23日記_『青春 18×2』を観た&ジョン・バージャー『イメージ 視覚とメディア』の感想続き

今朝は鬱っぽく、会社員を辞める辞めないで悩んでいた頃のようだった。妻とも喧喧諤諤話し合いながら意見が合わなかったり先の見通せなさに落ち込む。嫌だ、ダメだ、路頭に迷って野垂れ死ぬべきなのか、みたいな悪い方の妄想ばかり広がって、これ以外にも恥ずかしくてかけないような言葉も含めて自己否定がしばらく続いて、午後になったらおさまった。否定を続けてそれが抜けたら、自分のしがみついていた部分がひとつとれた気がしてそれはよかった。

昨夜は日台合作映画『青春 18×2』を観てから寝た。ドラマや映画で楽しさを消費するとまた落ちる気がするけどどうなのだろうか。作品は悪くないのだけど、フィクションの世界で楽しみを補っているようでそれも落ち込んだ。ストーリーとしてはありがちな気もするけど、台湾人俳優許光漢が好きで観たので、彼の演技は素晴らしかったので満足できた。この作品では18歳と36歳を演じ分けていて、『時をかける愛』でも18歳を演じていたけどそれよりも進化していた。『時をかける愛』の18歳は元気で気が利いて優しいよくできた18歳だった。今回はそれよりももっと身近で青い18歳を演じていた。

昨日のジョン・バージャー『イメージ 視覚とメディア』の続きを少々。彼は広告について賞をさいて書いていた。広告はまさに所有を促すメディアで、それを所有することを想像させて、現在の所有していない自分を比較させ卑下させる。あるいは所有することで所有していない者たちの羨望の眼差しを意識させて、優越感と劣等感を生じさせるのだった。もうひとつ重要なことは広告のもつ政治性についてだった。たまに政党の広告や政府の広告もあるけれど、ここでは広告のほとんどを占める商品の広告について考えてみる。広告が政治的なメッセージを掲げることはないように思える。商品の良いところと、それを得ることであなたの生活が人生がどう変わっていくのかのイメージを植えつける。そうやって伝えるべきことを伝えている一方で、伝えていないことがたくさんある。人々の目を商品に釘付けにする、と同時にそれは消費者が他に見るべきものから目を逸らさせることになる。自分の生活が良くなること、以前にもっと大切なことがあるとしてもそこには目を向けさせないようにしてしまう。その大切なこととは政治に他ならないのだった。

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