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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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#ウクライナ侵攻

軍事アナリスト小泉悠さんの分析本「ウクライナ戦争」

軍事アナリスト小泉悠さんの分析本「ウクライナ戦争」

本(ウクライナ戦争)

遅くなりましたが、今年の正月休みに読んだ本です。ロシアによるウクライナ侵攻について考察した本で、筆者の小泉悠さんは度々メディアにも登場するロシアの軍事研究者で、敢えて侵攻ではなくウクライナ戦争としたことで、その悲惨な実態を伝えようとしたものです。

侵攻から1年を経過してなおも続くこの戦争の特集番組で、筆者がこの1年の予測が結果的に違っていたことを反省していましたが、戦争の

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アジアの解放の虚構を分析した本「大東亜共栄圏」

アジアの解放の虚構を分析した本「大東亜共栄圏」

本(大東亜共栄圏)

副題が「帝国日本のアジア支配構想」と書かれた本書は、日本がかつて「アジアの解放」をスローガンに推し進めた大東亜共栄圏について、立案から実行、破綻までを時期列的に分析し考察した本です。 

筆者の安達宏昭さんは東北大学の教授で専攻は日本近現代史であり、本書は新書版ですが、その内容は研究論文の質量といってもいい程です。
合わせて筆者は研究者であるがゆえに、多くの資料などの文献を参

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