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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2022年5月の記事一覧

現存するモダニズム建築を厳選した本「日本の近代建築ベスト50」

現存するモダニズム建築を厳選した本「日本の近代建築ベスト50」

本(日本の近代建築ベスト50)(一部敬称略)

日本の近代建築における代表的な50作品を選んで紹介した本です。1922年竣工のフランク・ロイド・ライトの自由学園明日館から、2008年の西沢立衛の十和田市現代美術館まで、時系列的に紹介されています。

筆者の小川格さんは大学の建築学科を卒業後、建築雑誌「新建築」の編集者になり、その後建築専門の編集事務所を設立し本書が初の著書となります。

現存するモ

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読んでみました‼️話題の節約小説「三千円の使いかた」(^-^)

読んでみました‼️話題の節約小説「三千円の使いかた」(^-^)

本(三千円の使いかた)

新聞の書評欄で紹介された話題の本ということで、原田ひ香著、文庫本だったので買って読んでみました。本の帯に「節約」家族小説と書いてある通り、家族の日常の生活を描きながら様々な節約術や財テクが出てきます。

登場人物は祖母、母、長女、次女のそれぞれの日々の生活が描かれていますが、その生活の背景も世代別で様々です。祖母は夫を亡くした後、年金に加え夫の退職金や預貯金が生活の支えで

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最注目文学賞を分析した本「教養としての芥川賞」

最注目文学賞を分析した本「教養としての芥川賞」

本(教養としての芥川賞)(長文失礼します))(一部敬称略)

文学賞で最も注目される芥川賞について、過去の受賞作品を挙げながらその傾向と意義を述べた本です。文芸評論家の重里徹也さんと日本文学研究者の助川幸逸郎さんが対談形式で、それぞれの作品を批評していきます。

取り上げられた受賞作品は全部で23作、第1回受賞作品の石川達三の「蒼氓」から始まり石原慎太郎の「太陽の季節」と続き、最後2作品は綿矢りさ

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