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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2021年11月の記事一覧

SNS社会に対応する処世術を説いた本「超空気支配社会」

SNS社会に対応する処世術を説いた本「超空気支配社会」

本(超空気支配社会)

本の帯に「SNSが拡散する「極論」を撃つ」「炎上時代の「空気の研究」」と書かれた本です。本の題名とこの2文だけで、その内容は大体想像がつくと思います。

筆者の辻田真佐憲氏は評論家で近現代史研究者でもあり、主に軍歌、君が代、プロパガンダ、大本営発表、教育勅語、検閲などをテーマに執筆をしており、この本も文春オンラインなど雑誌のデジタル版の掲載分を編集してまとめたものです。

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地球温暖化への警鐘と対策を示す「人新世の資本論」

地球温暖化への警鐘と対策を示す「人新世の資本論」

本(人新世の資本論)(長文失礼します)

地球温暖化への警鐘と対策をマルクスの資本論と関連づけながら考察した話題の本です。私もやっと読み終えることができました。筆者の斎藤幸平氏は大阪市立大学大学院の准教授で、専攻は経済思想と社会思想。「人新世(ひとしんせい)」(地質学的に見て地球が新しい時代に突入し、人間たちの行動の痕跡が地球表面を覆いつくした年代)における新たな資本論の必要性を説いています。

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