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「電話しない文化」肯定派が、多数を占めている件について。

眠れなかったり、足が痛かったりしても、わたしの唯一の趣味、気休めが、文章を書くことだ。ささやかな楽しみ。だから、書く。別に、利害関係のあるところとか、実在する人について、匂わせてるつもりもない。

今はすっかり、ラインやメッセンジャー、Slackなど、文字でコミュニケーションをするのが普通になった。もはや「メール」が古いんだな。

ためしに、「電話 仕事」と検索してみたら、まあ、出るわ出るわ。
「電話 仕事 迷惑」とか「電話 仕事できない」「電話 仕事進まない」「電話 仕事 苦手」……。

言い分はこんな感じ。

・チャットツールなどで十分、意志が伝わる。時間も短くてすむ
・この日この時間に、わたしはこれをあなたに伝えたという証拠が残る
・それにくらべて電話は時間が急に自分の取られる。効率的じゃない。
・著名な人が「電話をしてくる人は仕事ができない」と言ったとかなんとか

でも、上から見ていくと、「ビジネス電話のマナー」「ビジネス電話かけなおすときのコツ」なんかもちらほら。

「チャットツールでいい」
→「電話しなくなる」
→「電話のスキルが上がらない」
→「どうしてもかけなおさなきゃいけないとき、このやり方で合ってるか不安」


という心理になるようだ。

そこでわたしは、「文字だけじゃアレじゃない?」と思うことを、5つ言いたい。アレ、については、ほらストレートに書くと、アレだから。勝手なわたしの持論だから。

1 実は文章書くより電話のほうが仕事が早い



効率悪いとか時間の無駄とか、いろんな人が書いていたが、実は文章書くのって、時間がかかる。キツイとか、へんな意味に取られないかな? 見直しも必要だ。

単純な連絡なら、電話のほうが早い。


実際、わたしはメールで連絡しようと書いていて、
「あれ? 電話のほうが作業量少ないぞ?」
と思って、電話をしたことが何度もある。

証拠を残したければ、電話の後にカンタンな確認テキストを送っておけばいい。


たとえば、

「いまお電話した以下の件、お話した通り●日までに●●お願いします。」
・~~の原稿アップ
・~~の企画出し

一度電話して話しているから、本当にざっくり、証拠のためでいい。

2 電話はニュアンスが伝わるからいい!



ほめるのでも叱るのでもクレームでも、電話なら相手の意図やテンションが「どの程度」なのかがわかる。

ものすごく褒めているのか、ちょっとしたクレームなのか。
でも、文字だけだと、自分の想像が入ってしまう。
今の新卒研修などは、テキストと電話について、どう教えているのだろう。

クレームがあったら「一刻も早く電話」「一刻も早くお詫びに行く」


という、昭和の危機管理はもう通用しないのか?
「メーワクかけられたのに、さらにメーワクな電話をしてきたよ」
となるのだろうか? そうかもしれないけど、違うとも思う。

3 チャット、メール等の致命的欠陥、それは相手が気づかないかもしれないということ



相手が常に、チャットを見ている、チェックしているとは限らない。
クレームしてきた相手は、すでに怒髪天突モードかもしれず、チャットに気が回ってないかもしれない。

既読が突くまでドキドキするなら、さっさと電話したほうがいいのでは?

4 文字が証拠と言うなら……とエスカレートする?



あまりにたくさんの人が「文字は証拠になる」「わたしはちゃんと伝えた」とか書いていて驚いた。しかし、それでも仕事相手や同僚や部下が、自分の仕事に穴を開けたら、「わたしは伝えた」と文字の証拠を振りかざして、相手に責任は追求できるけど、仕事に穴を空けた責任は自分にもある。

「マネジメント能力」が問われるだろうな。


5 話したらすぐわかるのに、話さないから疑心暗鬼になる


上司「ちょっとさー。●●がどうこうって書いていたけど、あれってどういう意味?」
部下「あ、それは■■で▲▲って言う意味だったんです。文章力なくてすみません!」
上司「ああ、そういうこと。ちょっと心配しちゃったよ(笑)」


リモートワークが増えて、「雑談力が大事」などと言われている。
つまり、こういうことではないか?

話せば、あーそういうこと! で終わるってこと。
誤解や不信感、感じ方のベクトルが違うだけなら、お互いの関係が悪化することもない。


相手に対する不信感を、文字で確認するならいいけど、確認する状況にない場合、不信感が増幅されてしまう気がする。

だから、外部スタッフに何人も仕事をお願いしていたときは、メールも使うけど、行間に「何かが不満」「何かが不安」というシグナルを感じると、すぐ電話してた。

「どお? なんかメールで●●って書いてあったから気になって。」


とかなんとか。
でもここ10年くらい、いろんなところで、

「電話してもいいですか?」


と聞いてから、電話するようになった。

一緒に仕事をしている人で、まったく肉声を聞いたことがない人も年々増えている。

そういう時代だからしょうがないのかな。


電話も、ラインとかメッセンジャー、チャットツールでするのが当たり前な、スマホに電話の着信が来たら、驚いちゃうかもしれないね。


「文字は証拠」と思い込むのは危険


ほんと、この10年くらい、ずっと思っていたこと。

確かにテキストを送れば、証拠になるだろう。
しかし、証拠になるのは、文字だけだろうか?



「電話 苦手」
という検索結果もあったように、ふだん電話が苦手で、声のコミュニケーションをとっていないから、

文字ではすごく理論武装している人が、失言して相手を不快にしてしまったり、Zoomでちょっとお叱りしたら、相手が「パワハラだ!」とか言い出してしまったり、するかもしれない。

10年前と違うのは、Zoomも、電話も、リアルな話も、「証拠を取ろう」と思えば、取れるということ。



「権限の付与が~」とか思っても、やろうと思えばできる。
証拠、証拠ってやっているより、電話したり、会う機会を増やしたりして、「こういう人なんだな」って理解していくほうが、とっても仕事がやりやすくなると思うんですけど、どうなんでしょうね。


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