マウリシの濃い空気
食べるように育てるか、観賞用にするのかその両方にするのか、出荷するのかしないのか。何もかもが曖昧なまま連れてきた生き物がこれだ。
この生き物と出会ったのはマウリシだった。
アカオニは空気の濃い場所というのにたまに行きたくなる。
マウリシ島は空気の濃い場所として気に入っている場所の一つだ。
たまにしかマウリシ島へ直行の便はでないのだが、物資輸送の伝手で”コックピットの後ろにある席があるんだけどよかったら行く?”と亜理紗から連絡が入った。
気候の変化が激しいこの数年間で”マウリシ島では奇妙な植物がよく生えていて”という話も彼女から聞く。
濃い空気と興味そそられる植物を新しい材料として手にいれられるかもしれない、と思うと気が付いたら準備ができてしまった。そしていわれるままこの島へやってきた。