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春宵の梅、想いのままに
はじめてオリジナル作品を描いてみた。過去の記事にも書いている通り、今までの作品は全て水彩画塾で描いたものだ。先生が選んだモチーフを、教室の前で描いている様子を観察して真似るというスタイルだ。
いつかは、自分自身が感動した風景を描きたいと思っていた。だから、モチーフになりそうな風景をちょこちょこスマホに撮りだめて、”その日”が来るのを待っていた。
オリジナル作品を描くタイミングというのは、突然やってくるものなのだろうか。まるで、コップに一滴ずつたまった水が、一気に溢れかえったような、Tippingポイントを超える瞬間が自分にもやってきた。
いまこの瞬間を、自分の感情と一緒に残しておきたい。そんな、心に余韻が残る時間を過ごしたのがキッカケなのかもしれない。
とにかく、絵が上手とか下手とか、技術があるとかないとか、そんなの関係なく、描きたくてたまらなくて、筆をとっていた。
案の定、出来上がりは微妙だった。悔しかったので、もう一枚書いてみた。それでもまだイマイチだったので、さらにもう一枚描いてみた。そしてもう一枚。最終的には6枚描いて、5枚目の作品を採用した。
長かった・・・体力も割と使った・・・けど達成感がある。自分が目指す表現をただ純粋に追究する感覚がたまらなかった。歴代の画家たちはこんな感情で描いていたのだろうか。ほんの1mmでも彼らの作品作りを追体験できていたら、それはそれで嬉しいな。そんなことも考えた。
きっと来年の自分がこの作品を見返したらツッコミどころ満載で、一刻も早く消し去りたくなっていると思うけど、今は自分を褒めたい。
いつもなら、すぐに投げ出しちゃうのに、最後までやり抜いた!やればできるやん。えらいで。
そして、上手い/下手、いい/悪い、正しい/間違っているという自分の外にある基準でモノゴトを判断してきたけど、この1枚だけは、最後まで自分自身が好きかどうかで決められた。大きな前進やね!おめでとう!
ここまで来ると単なる自己満足日記になりつつあるが、そもそも水彩画をやっているのも、Noteや個展で発信しているのも、ありのままの自分を受け入れて、表現するためだ。なので、今だけ、自分褒めをお許しください。
もったいぶりましたが、モチーフとなった風景と完成版はコチラです。
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自分の残したい気持ちを表現してみた。
タイトルは「春宵の梅、想いのままに」。春宵(しゅんしょう)には、美しい春の夜の心地よさや、早く過ぎてしまうのを惜しむ意味があるらしい。美しい日本語に出会えるのも、作品作りの醍醐味。
試行錯誤の過程
ここからは、制作中の心の声と共に、ボツになった作品をご紹介します!
1枚目
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梅の枝垂れ感はどうやって出せばええねんーーーー』
2枚目
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相変わらず夜じゃないし。奥の建物が目立っているのか?』
※あまりにも微妙だったので、修正点を絵に書き込んでいる。
3枚目
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『ただ建物の明るい部分をあえて反転させたのはいい感じかも』
『枝垂れ梅の足元に柵を入れて賑やかにしてみたけど、効果なしだな・笑』
『なんか、もうちょっと梅がふわぁーって全面に出てた方がいいかも』
4枚目
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『左側の梅が夜空に吸い込まれていく部分がイイ!(桜に見えるのはさておき)』
『カップルの自然な滲みも好き。あとは地面の陰・・やっぱり大胆な陰の方が私は好きかも。』
5枚目
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6枚目
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『陰は・・5枚目には勝てないな。5枚目と迷う・・・』
最後は、感覚で5枚目を採用。そんなこんなで、今年はオリジナル作品作りへの挑戦がテーマになりそうな予感。