仕事ができる人は3分話せばわかる
今回紹介する本は「仕事ができる人は3分話せばわかる」です。
この本は浅川智仁さんという方の本で、浅川さんは、グローバル展開している企業で入社2年目でトップセールスになり、その後独立して営業コンサルタントとして、ビジネスパーソン経営者へコンサル、セミナー等を行っている方になります。
できる人はみんな「FOR YOU」を考える
突然ですが皆さんが、「この人はできる人だな」と感じるのはどんな時でしょうか?
「目を見た時になんとなく感じる」「話をちょっと聞いただけで他の人とは違う」「受け答えがスムーズで会話が弾んで気持ちいい」などなどあるでしょう
それは、言葉の端々や態度に表れて、相手に感じさせるものなんですけれども、必ずしも話し方のうまさだったり、態度の良さとは限りません。
では、人はいったいどこからそんな「匂い」をかぎ取るのでしょうか。
著者の浅川さん曰く、「FOR ME思考」と「FOR YOU思考」の違いではないかと語っています。
「FOR ME思考」→「自分が満たされる」ことを考える人
「FOR YOU思考」→「相手を満たす」ことを第一に考えている人
3分も話せば、その発する言葉や身振りからその人が「FOR ME思考」か「FOR YOU思考」かがわかり、できる人は必ずと言っていいほど「FOR YOU思考」です。
では、具体的に「FOR YOU思考」の人がどのようなことを考え、発言や行動をしているのでしょうか。
それは、浅川さんが父からこういうことをよく言われていたそうで
「いいかトモ(浅川さんのこと)、みんなで話すときは、その場にいづらい人の事を考えろ」
どういうことかというと、例えば、飲み会でいづらそうにしている人がいたら、その人が話題の中心になるように話をしたり、会社でも長くいる人もいれば、入ったばかりの人もいて、その場の雰囲気になかなか打ち解けられない人の事に気を配って、声掛けする。
浅川さん曰く、「FOR YOU思考」の基本は「その場にいづらい人の事を考える」だということですので、皆さんも是非意識してみて下さい。
話すことすべてを具体的に
皆さんは上司から「この書類のコピーをすぐに頼む」と言われて、どれくらいの時間でコピーをもっていけば良いと思いますか?
人によって「すぐ」の時間の感覚というのは違うと思います。
頼まれた瞬間動く人もいれば、「1分以内」または「5分以内」の人もいると思います。
上司「あれ?○○さん。『すぐに』って言ったんだけど」
部下「はい。(5分以内に)すぐやります。」
上司「(どうしてコピーに行かないのかな?)うん、だから『すぐに』ね」
部下「いや、だから(5分以内に)すぐにやって持っていきます!」
こういうすれ違いありませんか?
これは、「自分が思い描いたイメージと、相手が自分の言葉を聞いて頭に浮かべるイメージは、同じものではない」という前提に両者が立っていないからすれ違いが起こるのです。
このような悲劇を防ぐためには、どうしたらよいのでしょう。
「○○さん、この書類のコピー、14時までにもらえる?」
こう頼めば、どんな人同士であっても共通の認識ができます。
そして、このように具体的に指示してくれる上司はできる人です。
また、たとえ上司が「すぐにコピーして」と指示してきたとしても、「5分以内で大丈夫ですか?」など確認できる部下もできる人です。
できる人は、ひとつの言葉でも、お互いの頭に浮かぶイメージは「違っていて当たり前」だと知っているので、相手により正確に伝える工夫や努力を惜しみません。
数字、時間、日付などはより具体的に伝える、確認する意識をすることを意識してみて下さい。
言葉は「定義づけ」して使う
先ほどの「すぐに」の他にも曖昧な表現は多くあります。
例えば「いい本」という表現は、人によっては「読みやすくて、わかりやすい本」が「いい本」だったり「分厚くて難解だけど、人生を変えてくれる本」だったりします。
僕はよく「マコなり社長」のYouTubeをみるんですけど、マコなり社長は動画の最初に必ず「言葉の定義づけ」をします。
例えば最近の動画で「毎日ゴキゲンな人が必ずやっている『意外な習慣』」というテーマの動画があり、「毎日ゴキゲン」の定義づけとして、「人生の幸福度のグラフ」を使い説明していました。
動画では「普通は人生山あり谷ありとみんな言うけど、人生に谷なんていらないんじゃないか」「常に幸福度MAXでいよう!」みたいな話をしながら「毎日ゴキゲンとはこういうことだよ」とグラフで表すことで言葉の定義を共通認識させて動画の内容に入れるように工夫しています。
他にも「いい会社」という言葉は人によっては、「福利厚生が整って、上司が優しくて、残業のない会社」と捉える人もいれば、「仕事はキツイし、忙しいけど仕事を通して成長できる会社」と捉える人もいると思います。
曖昧な表現は「いいお店」「いい車」「いい音楽」「いい人」など挙げるとキリがありません。
なので皆さんも、こういう人によって捉え方の変わる言葉を使うときは、お互いの認識や価値観の違いを事前に合わせるよう意識してみましょう。