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ネガティブ女が自己肯定感高いポジティブ女になるまでにしたこと

「どうしたらそんなにポジティブになれますか?」

時折、そんなことを言われる。
スーパーポジティブ。自己肯定感高い人。
そんな印象を持たれることがある。

当の私はというと、「そう見てもらえるようになったのかあ」と感慨深くなる。
なぜなら、周りから引かれるほどのネガティブを拗らせていたからだ。

10代の頃、私の人生は誰かの数合わせだと思って生きていた。
どんなに努力しても報われない。必死に取り組んでも、評価をしてくれる人はいない。
自分で自分を価値ある存在と思えなくて、自分を貶し続けながらも他人からの評価に飢えていた。
でも、自分が自分を認めていないから、周りからよい評価をもらえても、するすると手から溢れていってしまっていた。
壊れたままの受け皿を手に、それでも自分を好きになれる要素はないかと、確証を持ちたくて受け取れないくせに人に評価を求め続けた。
そうすると、次第に誰も相手にしたくなくなるような面倒な拗らせ女が誕生した。もはや、モンスターだった。

モンスターになってしまったことに気づいて、その拗らせっぷりに自分でも辟易した。
このままではいけないと危機感を感じた。
そこから、自分なりのもがきが始まる。

トレーニングと称して、いくつかのことを意識的にしはじめた。
鏡の前に立ったら「今日も自分は素敵」と胸の中で唱えること。
人に褒めてもらえたら「そんなことない」と否定せず「ありがとう」と言うこと。
人が自分のために動いてくれたら「私なんかにすみません」ではなく、「気持ちが嬉しい。してくれてありがとう」と伝えること。
なりたい自分のために自分を磨くこと。
やりたかったことにとことんチャレンジすること。
迷ったらやる方を取ること。
ネガティブな感情を否定せず、「そんなこともあるよね」と受け止めること。
たまにリフレーミング(物事への視点を意識的に変えて認識や感情を変化させる心理テクニック)を取り入れて、ネガティブをポジティブに変換させること。

トレーニングはすぐに効果が出た。
心の底からは自分を肯定できなくても、肯定するフリをすることで、特に初対面の人からはポジティブで自己肯定感が高い人と思われるようになった。
トレーニングから6年が経った今は、根はネガティブと思いながらも、自分にちゃんと価値があると信じながら、ポジティブに生きられるようになった。自己肯定感も自他共に認める高さまで上がった。自分を必要以上に貶さなくなり、不安になったらネガティブな言葉で自分を攻撃するのではなく、とにかく動いてその不安を払拭するようになった。

言霊もただのフリからはじまった行動も、いつかは真実になる。トレーニングをしてよかったと思う。
ただ、強制的に今の意識から理想に切り替える言動を取るのは苦しいものだった。外側をどんなにポジティブ・自己肯定感高めに固めても、ネガティブな内側は変わらない。
意識的に他人にネガティブな気持ちを吐露しないようにすれば、内側には溜まっていく。そんな状況でも心を壊さずにいれたのは、ネガティブな感情を詩や小説にして、物語に昇華させていたからだ。

ネガティブが自分にあることは否定しない。自分の中にネガティブなんていないと嘘を吐かない。
ネガティブを肯定する一番の方法が、物語への昇華だった。詩や小説には素直な感情を出す。吐き出した感情をその物語の登場人物に委ねる。
私の場合、登場人物を設定すると頭の中で勝手に映画のように動いてくれる。私はそれを書き綴るだけ。頭の中の映像を見つめていると、ネガティブな感情を抱きしめてくれる人がいて、その言葉に救われて泣いてしまうときがある。
自分の頭の中のことなのに、その人物から差し出された言葉として受け取れる。
物語を書くことで、自分の感情を肯定して、励まして、前を向けた。

書いた詩や小説は、フィクションとして小説投稿サイトやSNSにアップした。ささやかながら読んで反応してくれる人もいた。
書いた物語を自分の中に留めずに思いきって、外に出すことで他人に自分を認めてもらうことにもつながった。それは大きな自信になった。
書いて表現することに留まらず、発表することで物語による気持ちの昇華をより高められた。

社会人になって、大学の講義に登壇させていただいた。私の小説を読んだという講義に参加した大学生から「登場人物の感情がとてもリアルで小説を読んで励まされた」と感想をもらった。
そのとき、自分の感情はどんな感情も捨てたものじゃないと思えた。

そのままでは受け取りにくい感情も、物語にすることで自分も他人も受け取りやすくなる。物語はその可能性を秘めている。
自分で自分を認める。他人に自分を認めてもらう。それらと同じように、物語に自分を投影して認めるという選択肢があってもいい。自分の気持ちに嘘を吐かず、それを整理していく手段として、物語を紡ぐ。
そういう救い方で、私は私にできる、私だからできる形で手を差し伸べたい。
そのために、今、そんなサービスを準備中だ。6月9日にリリースすると決めている。リリースするには、まだまだ乗り越えないといけない壁は多い。けど、絶対に絶対にリリースするし、リリース前に参加できるプロジェクトも計画中なのでお楽しみに。

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屈橋毬花 | 【紙に月】
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 自分の記録やこんなことがあったかもしれない物語をこれからもどんどん紡いでいきます。 サポートも嬉しいですが、アナタの「スキ」が励みになります。 ……いや、サポートとってもうれしいです!!!!