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【実話】我がために鐘は鳴る?

1月4日。

今日は御用始め。午前中は他の部署の職員と会うと「おめでとうございます」などと挨拶。それもお昼を過ぎてからは、ほぼなくなりました(来客には挨拶しますが)。

夕方の帰宅時、大阪の日本橋へ寄って買物。その後、普段ならそのまま地下鉄に乗るか南海電鉄「なんば」駅まで歩いて電車に乗るのですが…。

今夜はもう少し歩こうと思い、日本橋の南端にある「恵美須町えびすちょう」駅から大阪府下唯一の路面電車である阪堺電車はんかいでんしゃに乗りました。

この阪堺電車は、降りるときに(バスと同じように)あらかじめ窓の横などにある降車ボタンを押して「チン」(新しい車両では「プーッ」)と鳴らします。

電車が駅に到着すると、運転席横の運賃箱に運賃を支払い(私の場合はICカードでピッと鳴らして)降ります。

私はいつも(阪堺電車に乗ったときには)運転士さんに「おぉきに」(標準語訳:ありがとう)と言ってから降ります。運転士さんも必ず「ありがとうございました」と返事をしてくださいます。

今夜はその後にひとつ、特別なことが起こりました。

私が電車からプラットホームに降り立ち、運転士さんがそれを確認し扉を閉めて、そうして電車が発車しようとしたとき…。

最近では滅多に聞かない珍しい音が。

「チンチン…」

私は「おや、懐しい音!」と思い、運転士さんのほうを振り返りました。

運転士さんは(運転席に座りながら)私の方を見ててお辞儀をしてくださいました。

懐かしい音。

そして、

運転士さんからのお礼の気持ち?

1月の凍てつく夜…。

心が温まって、幸せな気持ちになりました。^_^


(2023年1月4日/2025年2月15日改訂)

<おしまい>


※見出し画像は阪堺電車(2022年 九條正博 撮影)。


©2022-2023 九條正博(Masahiro Kujoh)
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